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2020-07

浜田マロン 「レディ・モノクローム」

浜田マロン 「レディ・モノクローム」■ アルバムデータ
タイトル:レディ・モノクローム
アーティスト:浜田マロン
リリース:2017年1月25日
レーベル:VIVID SOUND

アルバム総評価:94



■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価
01  カリソメナエロストキメク  ★★★★★  
02  月夜に零れるは嗚呼★★★★★
03  最後の晩餐★★★★☆
04  黒い苺★★★★★
05  鏡★★★★★
06  季節巡れど★★★★☆
07  生きる能が全て★★★★☆
08  王子に告ぐ、姫曰く★★★★★
09  スポットライトに照らされて          ★★★★★
10  ジャカランダの花★★★★★


■ 講評
今回紹介するアルバム「レディ・モノクローム」は、女性シンガー 浜田マロン が、2017年1月25日に老舗インディーズ・レーベルである VIVID SOUND からリリースした3rdフルアルバムである。2015年10月14日リリースの2ndフルアルバム「成熟のマーブル」から約1年3か月振り、VIVID SOUND への移籍後第一弾アルバムとなる。

アルバムタイトルを象徴するクールでスタイリッシュなジャケットのアートワークは、宝島社発行の男性向けファッション雑誌「smart」内で1997年より連載されているグラビア企画「ちんかめ」で有名なフォトグラファー 内藤啓介 の作品である。内藤啓介 は 浜田マロン が VIVID SOUND へ移籍後リリースした一連の CD シングルのジャケット写真も手掛けているが、浜田マロン の持つ妖艶なオンナの魅力を実にうまく捉えており、アルバムの魅力を高めるのに大いに貢献している。

また演奏メンバーには、迫力あるライブパフォーマンスで今最も勢いのあるジャズ・クィンテットと言われる5人組ジャズバンド「TRI4TH(トライフォース)」のメンバーが参加しており、アルバムサウンドに深みと迫力を与えている。

▼「レディ・モノクローム」
画像



アルバムリリースに先立つ2016年12月21日には、デビュー以来タッグを組むコンポーザーの 黒崎ジョン 作詞・作曲、レコードにかける知識、情熱から「レコード番長」と称され、ソロユニット「sunaga t experience」としても知られる DJ、プロデューサーの 須永辰緒 プロデュースにより、収録曲「季節巡れど」のジャズ・ヴァージョン「季節巡れど jazz ver.」が CD + アナログ7inch でリリースされており、カップリングには「須永辰緒の夜ジャズ外伝2」にも収録された人気曲「未練バタフライ」が収録されている。

▼「季節巡れど jazz ver.」
画像



更に2016年7月13日には、黒崎ジョン 作詞・作曲、プロデュースによるファンキーかつグルーヴィな「カリソメナエロストキメク」が CD + アナログ7inch でリリースされており、カップリングには同じく本作収録曲である「スポットライトに照らされて」が収録されている。

▼「カリソメナエロストキメク」
画像



さて、今回紹介する 浜田マロン は、2011年6月8日に1stシングル「私のピストル」でデビューした関西出身の女性シンガーである。CD デビューに先立つ2010年12月には、六本木のライブハウス Morph-Tokyo で初ライブを行っているということだが、残念ながら年齢等本人に関する詳細な情報は公開されていないようだ。

デビューシングルは、椎名林檎、EGO-WRAPPIN、キノコホテル等を彷彿とさせるノスタルジックな昭和ジャズ歌謡で、有線インディーズチャート第6位、レコチョク ロック・うたデイリーランキング初登場第10位を記録し注目を集めた。

その後、2012年6月6日リリースの1stアルバム「不良少女エレジー」で女性の淑やかであり強くもあるディープな世界を表現。

2015年10月14日リリースの2ndアルバム「成熟のマーブル」では、持前の昭和ジャズ歌謡要素にロック色を打ちだし老若男女に受け入れられる POP さを兼ね備えた作品を打ち出す。

2016年2月に VIVID SOUND に移籍。同年3月より横浜長者町のライヴハウス FRIDAY での毎月出演のワンマンライブをスタート。
2016年4月からは bayfm78 でラジオ番組「マロン・ド・おしゃべリーゼ」のパーソナリティーを務める。
2016年7月13日にシングル「カリソメナエロストキメク」、12月21日には須永辰緒プロデュースによるシングル「季節巡れど jazz ver.」、2017年1月25日には3rdフルアルバム「レディ・モノクローム」を立て続けにリリース。

これまでリリースしてきたアルバムジャケットを見るだけで、その音楽の独特な世界感が伝わってくる超個性的な女性シンガーである。

(出典:「浜田マロンオフィシャルウェブサイト」他)

▼「不良少女エレジー」1stフルアルバム
画像


▼「成熟のマーブル」2ndフルアルバム
画像



この 浜田マロン がとにかく凄い、というか凄すぎるっ!!

圧倒的なヴォーカルの「圧」と女の情念が鋭く尖った歌詞の「イタさ」。

そのスレンダーで妖艶な容姿とパワフルでハスキーなヴォーカルの迫力は、あたかもサディスティックな女王様のムチように痛くしなやかで、日活ロマンポルノのごとくノスタルジックでエロティックなオーラさえ放っている。

浜田マロン の日本人離れしたバズーカなヴォーカルは、とにかく「凄い」の一言に尽きるだろう。残念ながら今までその存在すら知らなかったのだが、今回このアルバムを聴く機会に恵まれ、日本のポップシーンにもまだこんなパワーシンガーがいたのかと正直驚くばかりである。

彼女が纏うビター&ブラックなオーラは、差し詰め日本版 Gin Wigmore といった印象で、Gin Wigmore がタトゥーまみれのアンチソーシャルなイメージだとすれば、不良歌手の異名を取る浜田マロン はアンダーグラウンドに生きる気高きディーヴァといったところだろうか。そのヴォーカルの持つ「怨念」のような威圧感は、近年の JPOP シンガーの中でも別格であるに違いない。

従来から 浜田マロン に関しては、「消したくても消せない過去の現実を音楽で表現するシンガー」とか、「彼女の音楽が持つ世界観は、混沌とした世の中への葛藤と狭間にいる自分の存在意義の訴えである」というように、ある種社会へのアンチテーゼのように語られていたようだが、今回過去の作品も合わせて聴いた限りでは、前作までのディープな昭和ジャズ歌謡な世界観を継承しつつも、本作ではよりロックでポップなナンバーに軸足を移したようで、持ち前のコアでダークな毒々しさは少々薄れた反面、その楽曲は明らかに幅広い層のリスナーに受け入れられやすくなっていると感じた。

さらに本作ではアレンジとキーボードに気鋭のキーボーディスト、プロデューサーである SWING-O が参加したことでソウル・フレーヴァが加わって、サウンドに今まで以上にブラックなコクと深みが増したようだ。

アルバム全体にピアノとホーンセクションによるシンプルで力強いバンドセッションが、否応なしにリスナーを薄暗くスモーキーなライヴ空間に誘うと同時に、そのサウンドにハードなギタープレイが加わることで、何とも言えずロックテイストな刺激的な香りが漂って、まさに「レディ・モノクローム」のタイトルが物語るとおり、物憂げで哀愁感漂う色彩のないモノクロームな世界に君臨する孤高のレディをイメージさせるような重厚なサウンドを響かせている。

サウンドのベースはどこか中森明菜を思い起こさせるような昭和ジャズ歌謡な雰囲気も持った大人な歌謡ポップなのだが、本作では今まで以上にロック、ジャズ、ブルース、歌謡と様々なサウンドエッセンスがブレンドされて実にスタイリッシュかつモダンなサウンドに昇華しており、JPOP というサウンドカテゴリに収まらない型破りな魅力を放っていると感じた。

以上御託を並べたが、アルバム「レディ・モノクローム」は、とにかく圧倒的なのだ。それ以外に適当な言葉が見つからないほど圧倒的なのである。まずは何の先入観もなしにとにかく聴いてみてほしい。「レディ・モノクローム」はそれに尽きる、とにかく「感じる」アルバムなのである。

▼ 浜田マロン
画像




■ Music Video「レディ・モノクローム(全曲試聴) 」




■ Music Video「カリソメナエロストキメク 」




■ Music Video「カリソメナエロストキメク」30秒スポット




*これらの動画で使用されている音源は、動画を Youtube にアップロードした vividsound が自ら制作したものであり、個人が収入(広告収入を含む)を得ずに運営するサイトへの貼り付けが許諾された音源です。


love3  最後まで御覧いただきありがとうございました。よろしければ1拍手いただけるとうれしいです。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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