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2020-07

Brian the Sun 「Brian the Sun」

Brian the Sun 「Brian the Sun」■ アルバムデータ
タイトル:Brian the Sun
アーティスト:Brian the Sun
リリース:2014年12月3日
レーベル:SPACE SHOWER MUSIC

アルバム総評価:95
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価
01  Intro  ★★★★★  
02  13月の夜明け★★★★★
03  神曲★★★★★
04  早鐘★★★★★
05  Sepia★★★★★
06  タイムマシン★★★★☆
07  チョコレートブラウニー          ★★★★★
08  パワーポップ★★★★☆
09  白い部屋★★★★★
10  アブソリュートゼロ★★★★★
11  忘却のすゝめ★★★★☆


■ 講評
今回紹介するアルバム「Brian the Sun」は、大阪出身の4ピースロックバンドである Brian the Sun が2014年12月3日にインディーズレーベルである SPACE SHOWER MUSIC からリリースした2ndフルアルバムである。

2014年12月3日付オリコン週間 CD アルバムランキング第107位を記録。ヴォーカル・ギター担当の森良太作詞・作曲による全11曲を収録しており、このうち #10「アブソリュートゼロ」は、2015年3月公開の映画「ハッピーランディング」の主題歌として書き下ろされた楽曲である。

音楽情報専門サイトのインタビュー記事によれば、本作に関しては、2014年3月12日リリースの1stミニアルバム「彼女はゼロフィリア」の制作段階から検討が始まり、2014年6月頃からレコーディングを開始したということで、比較的順調に制作されたアルバムのようである。

一方で、2ndフルアルバムということもあって1stアルバムを超えないといけないというプレッシャーもあったようだが、当時のメインストリームのロックの流行とか、客のノリやすさとかはあまり意識せず、自分たちの世界観、音楽観を貫いたとのことで、アルバムコンセプトは7年間活動を続けたことによるマンネリからの脱却という意味で「もう1回夢見たいな」的な意識で取り組んだアルバムとのことであり、そうしたアルバムコンセプトを勘案してセルフタイトルとなっているとのことである。

▼「Brian the Sun」CDジャケット
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▼「Brian the Sun」CDジャケット裏面
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本作は、Brian the Sun がまだインディーズレーベルに所属していた2年以上前にリリースされた作品である。Brian the Sun は、昨年の2016年には見事メジャーデビューを果たすとともに、今年1月には待望の3rdフルアルバム「パトスとエートス」をリリースしているため、2ndアルバムの講評としては時期を逸した感も否めないが、最近聴いた邦楽のロックアルバムの中ではずば抜けて素晴らしい出来栄えであったため、今回遅ればせながら紹介させていただくこととした。

Brian the Sun は、森良太(Vo.&Gt.)と同じ高校の軽音楽部だった 白山治輝(Ba.)が中心となり2007年に大阪で結成されたバンドである。一時期は女性メンバーも在籍したようだが、何回かのメンバー交替を経た後、2011年から現在のメンバーにより本格的な音楽活動を開始したということで、経験年数的には中堅バンドであるが、そのルックスは幼く、メンバーの年齢も20代半ばと非常に若々しいバンドである。

本作は、フルアルバムとしては2作目となるインディーズ作品ではあるが、バンドの名前を冠する渾身の意欲作で、そのクオリティの高さから既にこの時点で相当メジャーデビューを意識していたのではないかと思われるほど非常にポジティヴでアグレッシヴな勝負サウンドを響かせている。

このアルバムを聴いて真っ先に感じたのは、そのサウンドにそこはかとなく漂うオヤジ臭である。近年奇をてらったバンド名で軽い乗りのポップテイストなロックサウンドを得意とするバンドが多い中で、若いながらも THE YELLOW MONKEY や 吉井和哉 を思い起こさせるオヤジロックな年季の入った芯のあるロックサウンドを基調に真っ向勝負をしている感じが潔く、そうしたネオレトロなサウンドが、近年のニューカマーバンドの中では却って新鮮に感じられるほどだ。

ただ、それだけのサウンドだと今の若者にはなかなか受け入れられないところだが、Brian the Sun の場合はライヴで培われた勘というのだろうか、サウンド導入部の掴みが非常に巧みで、その楽曲は間違いなく硬派ではあるものの不思議とセンチメンタルで微妙に甘酸っぱい、味のあるメロディが印象深く、そうした曲線的なメロディとほろ苦く切ない直線的な歌詞とが何とも言えず絶妙なバランスでアップ・トゥ・デイトなロックを響かせており、思わずアルバムをループして聴き入ってしまうほどハマってしまうツボとなっている。

彼らの公式ウェブサイトのキャッチコピーに「甘いと思ったら、クセになる、SWEETでBITTERなBrianサウンドを体験せよ!」とあったが、まさにそんなフレーズがピッタリのコクのあるサウンドで、1stフルアルバムのタイトル「NON SUGAR」も、そんなバンドのサウンドフレーヴァーを意識したかのようでなかなか面白い。

こうしたサウンドメイキングは、全曲の作詞・作曲を担当する森良太(Vocal / Guitar)の感性によるところが大きいと思われるが、加えてそのサウンドアレンジもなかなかで、特に間奏部のインストアレンジは、ベテランバンドも顔負けのハイレベルなアレンジだと感じた。

また、SCHOOL OF LOCK!、TOKYO FM、Sony Music、au 主催の10代のアーティストのみによるティーンネイジロックフェス「2008年第一回閃光ライオット」準グランプリバンドという肩書きも伊達ではないようで、そうしたアレンジに見事に応える非常にドライヴ感溢れるソリッドなギターが味のあるメロディをしっかりと刻むとともに、切れのあるベースとドラムスが乗りの良いリズムをストレートに叩き出しており、そうしたバンドプレイの力量の高さが楽曲のクオリティを高めていることに疑いの余地はないだろう。まだ荒削りな感じが残る1stアルバム「NON SUGAR」と聴き比べてもそのスキルは明らかに成長しており、まだまだ個々のメンバーの技術的な伸び代を感じさせるこれからが楽しみなバンドでもある。

さて、そんな Brian the Sun が繰り出すアルバム「Brian the Sun」は、パブリックなリリースコピーで「表情豊かなレパートリーはどの曲もブライアンの“今"を感じさせるスケール感のある ROCK で POP で先鋭的な作品に仕上がった」と記されるとおり、アルバム全体にバンドの硬派で実直な雰囲気を漂わせつつそのサウンドカラーは多様で、何回聴いても飽きの来ない、聴けば聴くほど味が出るようなコクのあるアルバムに仕上がっている。

中でもギターリフが印象的な前半から中盤にかけてのドライブ感溢れる楽曲群は、ライヴのような緊張感とサウンドのローリング感が際立っていて非常に聴き応えがあり、アルバム全体の印象を決定付ける重要なラインアップとなっている。そして極め付けが後半のバラッド #9「白い部屋」と #10「アブソリュートゼロ」の2曲である。前半から中盤にかけての盛り上がりから一転、2曲連続した深みのあるバラッドへの展開はなかなか意表を突く演出となっており、こんな緩急自在なサウンドを操れる Brian the Sun は、並の対バンライヴなら天下無敵にちがいないと思わせるほどだ。

ちなみに「アブソリュートゼロ」は、2015年春公開の映画「ハッピーランディング」の主題歌「Absolute Zero」としてデジタルシングルリリースされており、シングルヴァージョンは、アルバムに収録されている弾き語りバージョンを映画の主題歌用にバンドアレンジして新録したものとなっている。映画のテーマとなっている”結婚”という人生の一大イベントに向き合い、”幸せの着地点”を目指す人々を描いた群像劇とマッチした、スケール感あるサウンドに仕上がっているということなので、機会があればぜひ聴いてみたいものだ。

▼ Brian the Sun
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なお Brian the Sun は、2017年1月11日にメジャー初となる3rdフルアルバム「パトスとエートス」をリリースしている。インディーズ時代の楽曲のメロディ進行等は基本シンプルで、またシンプルながらもギターレフを多用するなど非常に耳に残るインパクトあるサウンドアレンジが印象的であったが、新作では非常に手の込んだ凝ったサウンドに変質したような印象を受けた。メジャーアルバムとして相当力を入れて作り込んだアルバムということがダイレクトに伝わってくるような野心作といった感じで、インディーズ時代の泥臭さやある種野暮ったさゆえのラフな魅力とはまた違った、新しい Brian the Sun の魅力が感じられるアルバムとなっている。

また新作には、TVアニメ「僕のヒーローアカデミア」ED テーマとなったメジャーデビューシングル「HEROES」や、TVアニメ「甘々と稲妻」EDテーマとなった2ndシングル「Maybe」を収録するなど、より幅広い層に受け入れられることを意識したアルバム作りがされているようで、こうした複数のタイアップが付くこと自体、 Brian the Sun に対するレーベルサイドの期待度の高さを物語っている。

ただ、Brian the Sun にアニメソングというのは、正直かなり意外であり、事実、特に「HEROES」は、アルバムの中でも明らかに異質なポップサウンドとなっている。アニメソングとのタイアップは、バンドが売り出すきっかけとしては非常に魅力的であるが、同時にアニメのイメージを考慮して書き下ろさなければならない特殊性もあって、バンドサウンドのイメージを特定の方向へ誘導してしまう危険性も孕んでいる。特にメジャーデビューシングルともなればなおさらである。この楽曲がきっかけで初めてバンドを知るリスナーも多いと思われる中、Brian the Sun にはメジャーレーベルにはびこる売上至上主義というダークマターに呑み込まれることなく、今後とも自分たちのサウンドを貫いてもらいたいものである。

さて話は変わるが、印象的なイラストによるアルバムジャケットのアートワークは、国内外のコレクターから注目を集める仙台在住の美術作家 菅野麻衣子 による描き下ろし作品である。菅野麻衣子 は、そのアクリル絵具の色使いも独特で、少女をモチーフに、その喜怒哀楽や微妙な情感のこもったシーンを繊細な筆使いで描き続けている気鋭のアーティストである。一連の Brian the Sun の CD ジャケットのイラストを手掛けており、その少女のインナーワールドを具象化したようなシュールな画風がアルバムへの期待感を高めるのに大いに貢献しているようで、なかなか素敵なアルバムジャケットである。

こうした上質なアルバムジャケットも含めて、アルバム「Brian the Sun」は、最近聴いたロックバンドのアルバムの中でも群を抜いて印象に残ったアルバムであった。少し前のアルバムではあるが、インディーズ最後のフルアルバムとして新作「パトスとエートス」を聴く前にぜひ聴いておきたいアルバムである。

次世代ロックバンドの大本命とも言われる Brian the Sun。昨年のメジャーデビューを機に、2017年の大ブレイクを予感させる実力派バンドだ。

▼ Brian the Sun
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Brian the Sun(ブライアンザサン)は、日本の4人組ロックバンドである。

2007年5月、中学の頃から音楽活動をしていた Vo.&Gt.森良太と同じ高校の軽音楽部だった Ba.白山治輝が中心となり大阪にて結成。バンド名は白山の提案による。

2008年8月、「閃光ライオット2008」決勝に出場。約5000組の中から準グランプリに選ばれる。
2008年11月、コンピレーションアルバム「閃光ライオット2008」に参加。メンバーの受験を理由に活動休止。

2009年3月、活動再開。
2009年7月12日、インディーズ1stシングル「Canary」リリース。

2010年1月、鎌田(Dr.)松倉(Gt.)が脱退。現メンバー小川真司(Gt.)、元メンバー森下亜美(Dr.)加入。
2010年2月6日、インディーズ2ndシングル「Baked plum cake E.P」リリース。
2010年3月、第2回蒼き賞の番組テーマソング「Naked Blue」が Tokyo FM 着うたランキング5週連続1位を記録。
2010年7月、森下亜美(Dr.)脱退。一時的に池田ゆかりがサポートベースとして加入し、白山(Ba.)がドラムを担当。
2010年8月5日、インディーズ3rdシングル「都会の泉」リリース。


2011年4月、現メンバー田中駿汰(Dr. ex.The Musique)が正式に加入。現在のメンバー体制となり、本格的に活動を開始。
2011年4月2日、インディーズ4thアルバム「cloudy#2/Hello Goodbye」リリース。
2011年11月30日、インディーズ5thアルバム「虹/はちみつ」リリース。

2012年7月4日、初の全国流通盤となる1stマキシシングル「Sister」リリース。東阪のレコ発ワンマンを成功させるなど、インディーズシーンにその存在感を示す。

▼「Sister」1stマキシシングル
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2013年3月6日、2ndマキシシングル「Baked Plum Cake」リリース。2013年から SPACE SHOWER MUSIC と契約し、活動の幅をさらに拡げる。
2013年6月5日、1stフルアルバム「NON SUGAR」リリース。

▼「Baked Plum Cake」2ndマキシシングル
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▼「NON SUGAR」1stフルアルバム
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2014年3月12日、1stミニアルバム「彼女はゼロフィリア」リリース。
2014年12月3日、2ndフルアルバム「Brian the Sun」リリース。

▼「彼女はゼロフィリア」1stミニアルバム
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▼「Brian the Sun」2ndフルアルバム
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2015年5月6日、デジタルシングル「Absolute Zero」リリース。
2015年11月25日 2ndミニアルバム「シュレディンガーの猫」リリース。

▼「Absolute Zero」デジタルシングル
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▼「シュレディンガーの猫」2ndミニアルバム
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2016年1月、ソニーミュージックレーベルズの EPIC レコードジャパンと契約。
2016年6月1日 EPIC レコードジャパンからメジャーデビューシングル「HEROES」リリース。集英社「週刊ジャンプ」にて連載中の大人気漫画「僕のヒーローアカデミア」の TV アニメ(MBS 系全国28局ネット)のエンディング曲に大抜擢。
2016年9月7日、シングル「Maybe」リリース。「HEROES」に続き TVアニメ「甘々と稲妻」ED テーマに抜擢。

▼「HEROES」通常盤・初回生産限定盤
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▼「HEROES」期間生産限定盤/ヒーロースーツver.
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▼「HEROES」期間生産限定盤/制服ver.
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▼「Maybe」通常盤・初回生産限定盤
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▼「Maybe」期間生産限定盤
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2017年1月11日、EPIC レコードジャパンからメジャー1stアルバム「パトスとエートス」リリース。

▼「パトスとエートス」通常版
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▼「パトスとエートス」初回生産限定盤
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全国規模でのリリースツアーや、各地でのフェスやサーキットなどへ数多く出演。ライブを中心に精力的に活動を展開している。

(出典:「Brian the Sun」(2016年12月18日 11:07 (UTC)『Wikipedia日本語版』)

▼ Brian the Sun
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■ 現メンバー
・森良太(1990年5月2日生 26歳)(Vocal / Guitar)写真:下段右
Brian the Sun の全ての楽曲の作詞・作曲を担当。
・白山治輝(1991年2月26日生 25歳)(Bass / Chorus)写真:下段左
・小川真司(1990年9月19日生 26歳)(Guitar / Chorus)写真:上段左
・田中駿汰(1991年11月28日生 25歳)(Drums / Chorus)写真:上段右
2010年以降サポートドラマーとして参加し、2011年正式加入。

▼ Brian the Sun のメンバー
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■ Music Video「神曲」(Official Music Video)
話題となった FACT の Lyric ビデオ「ape」を手掛けた新進気鋭の映像ディレクター「bait」によるミュージックビデオは全編通して疾走感満載!!




■ Music Video「神曲」 [Short Ver.] (Official)




*これらの動画で使用されている音源は、動画を Youtube にアップロードした SPACE SHOWER MUSIC が自ら制作したものであり、個人が収入(広告収入を含む)を得ずに運営するサイトへの貼り付けが許諾された音源です。

*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表された Wikipedia の項目「Brian the Sun」を素材として二次利用しています。


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