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2020-07

Kenny Rogers 「They Don't Make Them Like They Used To」

Kenny Rogers 「They Don't Make Them Like They Used To」■ アルバムデータ
タイトル:They Don't Make Them Like They Used To
アーティスト:Kenny Rogers
リリース:1986年10月23日
レーベル:RCA Records Nashville

アルバム総評価:96
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01This Love We Share(分かち合う愛)  ★★★★★  youtube02
02If I Could Hold On to Love★★★★★youtube02
03You're My Love★★★★★youtube02
04Time for Love★★★★☆youtube02
05They Don't Make Them Like They Used To(時は流れても)
(Theme from Tough Guys)
★★★★★youtube02
06Life Is Good, Love Is Better★★★★★youtube02
07Just the Thought of Losing You(君を失う想い)★★★★★youtube02
08Anything at All★★★★★youtube02
09After All This Time(愛をあきらめずに)★★★★☆youtube02
10Twenty Years Ago★★★★★youtube02

※( )は日本語タイトル

■ 講評
今回紹介するアルバム「They Don't Make Them Like They Used To」は、アメリカカントリーミュージック界の重鎮 Kenny Rogers が1986年に RCA Records Nashville からリリースした19thスタジオアルバムである。また、Liberty Records から RCA Records 移籍後第4弾アルバムとなる。当時の日本語タイトルは「時は流れても」であった。

全10曲を収録しており、アルバムプロデュースは、David Foster との AOR ユニット Airplay でも知られる人気プロデューサーでギタリストでもある Jay Graydon(#5を除く全曲)をメインに、David Malloy(#1,#6)、1969年の Paul Newman、Robert Redford 主演映画「Butch Cassidy and the Sundance Kid」(邦題:「明日に向って撃て!」)の主題曲「Raindrops Keep fallin' On My Head」(邦題:「雨にぬれても」)でアカデミー主題歌賞を受賞した Burt Bacharach(#5)、その Burt Bacharach との共作でアカデミー歌曲賞を受賞した1981年の映画「Arthur」(邦題:「ミスター・アーサー」)のテーマ曲「Best That You Can Do」(邦題:ニューヨークシティ・セレナーデ)など数々のヒット曲で知られる作詞・作曲家 Carole Bayer Sager(#5)、Kenny Mims(#10)が担当している。

なお Jay Graydon は、このアルバムがリリースされた1983年に、TOTO の Steve Lukather と Chicago の Bill Champlin と共作した George Benson の「Turn Your Love Around」でグラミー賞の最優秀 R&B 楽曲賞を受賞しており、「They Don't Make Them Like They Used To」は、サウンドクリエーターとして絶頂期のプロデュース作品ともなっている。

サポートミュージシャンには、バックヴォーカルに、Chicago のメンバーで知られる Bill Champlin(#1,#7)、DeBarge のリードシンガー El DeBarge(#3)、Chicago のメンバーとして知られる Jason Scheff(#7)、Kenny Rogers の他 Elvis Presley との共演でも知られる Kin Vassy(#6)、 Mr. Mister のリードシンガー Richard Page(#2)、Bill Champlin の妻 Tamara Champlin(#7)、ウェスタンバンド Ace in the Hole Band のメンバー Thom Flora(#6)、ベースに、アメリカの音楽雑誌「Guitar Player」で「我々の世代で最も幅広く活躍するセッションベーシスト」と評された Abraham Laboriel、「世界最高峰のベーシスト」、「そのベースプレイを聴いたことのない人はいない」と評される Nathan East、Barbra Streisand や Quincy Jones のメインベーシストとして知られる Neil Stubenhaus(#10)、ドラムスに 、Carlos Vega、John Robinson(#10)、セッションドラマーとして 松任谷由実 との共演もあるという Michael Baird、ギターに、カントリーミュージックのプロデューサーとしても有名な Dann Huff(#10)、TOTO の Steve Lukather(#2)、その Steve Lukather がセッションプレイヤーとして「世界で5本の指に入る」との賞賛する Michael Landau、キーボードに、映画「Titanic」や「Harry Potter」など映画音楽の演奏で知られる Randy Kerber(#10)、シンセサイザーに、1984年の映画「Flashdance」の「Imagination」の作曲でグラミー賞を受賞した Michael Boddicker(#10)、1979年の Bette Midler 主演映画「The Rose」でピアノ奏者として出演した Robbie Buchanan、サックスに、Brandon Fields と、超一流の豪華プレイヤーが参加。またプロデューサーである Jay Graydon もその多才振りを発揮し、ドラムス、ギター、シンセサイザーを演奏している。

アルバムデザインは、Kenny Rogers を始め Sheena Easton や Lionel Richie のアルバムデザインも手掛けた John Coulter、フォトグラフは、Bernie Bourdeau、特徴的なレタリングは、Chick Corea や TOTO など数多くのアルバムジャケットのデザイン・レタリングを手掛ける Michael Manoogian、エンジニアは、Ian Eales、Kenny Mims が担当している。

本作は、U.S.Billboard Top Country Albums Chart 第16位、U.S.Billboard 200 第137位を記録。前作「The Heart of the Matter」が、U.S.Billboard Top Country Albums Chart 第1位を獲得し、ゴールドディスクにも認定されたことを考えると、その成績は必ずしも芳しいものとはいえなかったが、RIANZ(Recording Industry Association of New Zealand)発表の New Zealand Top 40 では第20位と健闘した。

▼「They Don't Make Them Like They Used To」
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▼「They Don't Make Them Like They Used To」ジャケット裏面
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▼「They Don't Make Them Like They Used To」インナーシート
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▼「They Don't Make Them Like They Used To」LP盤ラベル
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本作からはアルバムタイトルトラック「They Don't Make Them Like They Used To」と「Twenty Years Ago」の2曲がシングル・カットされており、このうち1986年にシングルリリースされた「They Don't Make Them Like They Used To」は、アルバムの中で唯一 Burt Bacharach と Carole Bayer Sager が作詞・作曲・プロデュースを行った楽曲で、1986年の Burt Lancaster 主演アクション・コメディ映画「Tough Guys」のテーマ曲として使用され、U.S.Billboard Adult Contemporary Chart 第10位、U.S.Billboard Hot Country Singles & Tracks Chart 第53位を記録。またカナダの Canadian RPM Country Tracks Chart では第23位を記録している。

▼「They Don't Make Them Like They Used To」US盤
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一方、1987年1月にシングルリリースされた「Twenty Years Ago」は、Dan Tyler、Wood Newton、Michael Noble、C. Michael Spriggs が作詞・作曲を行い、Jay Graydon と Kenny Mims がプロデュースを行った楽曲で、U.S.Billboard Adult Contemporary Chart 第15位、U.S.Billboard Hot Country Singles & Tracks Chart 第2位と健闘。この楽曲は Canadian RPM Country Tracks Chart でも第2位とヒットを記録している。

ただし「They Don't Make Them Like They Used To」と「Twenty Years Ago」のいずれも、シングルレコードのメインチャートである U.S.Billboard Hot 100 では圏外に終わっている。

▼「Twenty Years Ago」Europe盤
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その他、シングルリリースはされなかったが、収録曲 #3「You're My Love」は、2016年4月に他界した Prince がペンネームである“Joey Coco”名義で作詞・作曲した楽曲で、バックヴォーカルには DeBarge のリードヴォーカルである El DeBarge が参加。ちなみに Prince は、ペンネームを使って作曲やプロデュース等の音楽活動をすることでも知られており、“Joey Coco”は1980年代に使用していたペンネームで、この名義で Sheena Easton にも楽曲を提供している。

▼ Kenny Rogers
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Kenny Rogers といえば、洋楽ファンなら知らない人はいないアメリカカントリーミュージック界のスーパースターである。ただ Kenny Rogers が世界中で多くのファンを獲得している理由は、彼が必ずしもアメリカンミュージックであるカントリーだけに固執することなく、ポップミュージックとクロスオーヴァーした音楽を積極的に提供し続けたことにあると思われる。もちろんヒゲを蓄えたジェントルマンで優しげな容姿も魅力的で、アメリカではカントリーミュージシャンがモテるという定説どおり、現在に至るまでに5度の結婚を経験し、6人の子供を儲けているという色男でもある。

さてそんな Kenny Rogers のスタジオアルバムで若かりし頃初めて聴いたのが、今回紹介する「They Don't Make Them Like They Used To」である。

Kenny Rogers と聞くとまずはカントリーミュージックを思い浮かべる方が多いと思うが、Kenny Rogers は特に1980年代から1990年代にかけてはポップミュージックに傾倒し、その頃にリリースしたアルバムの多くがカントリーミュージック色を残しながらもポップミュージック色が強いアルバムとなっており、この「They Don't Make Them Like They Used To」もそうしたアルバムの中の一枚となっている。

特に Liberty Records から RCA Records に移籍した1983年から更に Reprise Records に移籍する1989年までにリリースされた RCA Records 時代のアルバムは、プロデューサーに Bee Gees の Barry Gibb や David Foster、そしてビートルズのほぼ全作品のプロデューサーを務め「5人目のビートルズ」と称される George Martin をプロデューサーに迎えるなど積極的にポップミュージックに挑戦しており、自身のサウンドにそれまでにはない新たな魅力を吹き込んでいる。

ただ本作は、Kenny Rogers のリリースアルバムの中で特に注目されるようなヒットアルバムでもなく、シングルカットされた2曲もポップチャートで大ヒットしたわけではないため、そのキャリアを振り返る中では注目を集めるような位置付けのアルバムとはなっていない。

そんな一般的には注目度の低い「They Don't Make Them Like They Used To」ではあるが、当時好んで聴いていた AOR サウンドを彷彿とさせるポップカラーが鮮やかなサウンドが印象的で、その後 Kenny Rogers を聴くきっかけともなった記念すべき Kenny Rogers のスタジオアルバムとして今回紹介させていただいた。

▼ Kenny Rogers
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このアルバムが特に印象的な理由は、何といってもプロデューサーである Jay Graydon のサウンドカラーが色濃く出ていることにある。Jay Graydon といえば人気プロデューサーである David Foster の盟友として知られる AOR サウンドを代表する人気プロデューサーの一人で、そのキャッチーで売れ線なサウンドメイクには定評があるが、このアルバムも見事にその路線に沿ったサウンドとなっている。このため、実は AOR サウンドのファンが多い日本では、このアルバムを Kenny Rogers のアルバムの中のお気に入りの一枚として挙げる洋楽ファンも少なくない。

Kenny Rogers は1984年の16thアルバム「What About Me?」で David Foster にプロデュースを任せており、もしかするとその繋がりで友人である Jay Graydon にプロデュースの依頼があったのかもしれないが、Kenny Rogers の他の作品を聴く限り、Kenny Rogers 自身こうした傾向のサウンドが好みのようで、確かにカントリーミュージックの持つ柔らかく素朴で優しい雰囲気が、David Foster や Jay Graydon のようなメロディアスでメロウなサウンドカラーに相通じるようにも感じられ、その意味で Jay Graydon をプロデューサーに採用した Kenny Rogers の選択は非常に的を射たものであったと思われる。

アルバム自体は、Jay Graydon お得意の煌びやかなシンセサイザーアレンジが施されたメロディアスかつスィートな王道ラブソングが満載で、一聴しただけで Jay Graydon と分かるほど Jay Graydon らしい美しいサウンドが印象的だ。全体的に超ポップで、当時流行のシンセサイザーを惜しみなく導入したいかにもな「狙った感」が、今改めて聴くと若干鼻に付く感じがしないでもないが、その押し(個性)が強く甘過ぎるほどのスィーツなサウンドは、思わず吹き出してしまうほど Jay Graydon していて却って潔いと感じるほどである。そのため恐らく David Foster ファミリーが苦手な洋楽ファンにとっては、耐え難いほど苦痛なサウンドであるに違いない。

一方で Jay Graydon フリークとしては、こうしたスィーツ系ラブソングが今の洋楽シーンではめったに聴くことができなくなってしまったことが残念でならず、その意味で当時の王道ラブソングの潮流を存分に堪能することができる「They Don't Make Them Like They Used To」は、Kenny Rogers のアルバムの中でも貴重な存在だと感じる次第である。

なお、個人的にはあの Prince が“Joey Coco”名義で作曲した #3「You're My Love」をぜひお薦めしたい。導入部のドラムスが刻むリズムの入りも軽快なアップテンポな鉄板のラブソングで、DeBarge のリードシンガー El DeBarge の透き通るようなバックヴォーカルが Kenny Rogers のハスキーヴォイスと絶妙なハーモニーを奏でており、爽やかなメロディが実に心地良いポップチューンである。こんな爽やかに愛を歌った楽曲を Prince が作ったこと自体に驚かされるが、Jay Graydon の煌びやかさも押し付けがましくなくちょうどいい塩梅となっており、Kenny Rogers の楽曲の中でも大好きな一曲となっている。

また、アルバム中では比較的カントリーらしい雰囲気を持ったエンドトラック「Twenty Years Ago」も人気の高い一曲であり、郷愁を誘う歌詞も秀逸で、アレンジはポップテイストながらメロディと歌詞のいずれもがカントリーミュージックの素晴らしさを感じさせる珠玉のバラッドである。ぜひ20年前の故郷を懐かしむ歌詞の世界観を感じながら聴いていただきたいノスタルジックな一曲だ。

日本ではカントリーミュージックは流行らないとよく言われるが、アルバム「They Don't Make Them Like They Used To」は、Kenny Rogers のポップシンガーとしての側面を存分に味わうことができる超ポップなアルバムである。このアルバムを契機に アメリカカントリーミュージック界のスーパースター Kenny Rogers に関心を持っていただければ幸いである。

▼ Kenny Rogers
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Kenny Rogers(ケニー・ロジャース、本名:Kenneth Ray Rogers、1938年8月21日生)は、アメリカのシンガーソングライター、俳優、レコードプロデューサーである。カントリー界の大御所であり「カントリー・ミュージック殿堂博物館」入りを果たしており、アメリカの国民的歌手ともいわれる。また、様々な音楽ジャンルで120曲以上のチャートインヒット曲を送り出し、アメリカだけでも通算200週以上にわたりカントリーやポップアルバムチャートで第1位を獲得し、ワールドワイドに1億枚以上のレコードを売り上げ、「最も売れた音楽アーティスト」の一人に数えられている。

2015年9月25日、アメリカ NBC のTV番組「Today」において、家族との時間を過ごすため、ファイナルツアー終了後にショービジネスから引退することを表明。

生活情報サイト About.com による「The 200 Most Influential Country Albums Ever」(最も影響力のあったカントリーミュージックアルバム200)に関する世論調査で、1978年の「The Gambler」と1979年の「Kenny」の2枚のアルバムが、また Kenny Rogers 自身も、1986年の USA Today 誌と People 誌の読者による合同世論調査で、「Favorite Singer of All-Time」(最も好きなシンガー)に選出されている。更にアメリカ音楽賞(The American Music Awards)、アカデミー・オブ・カントリーミュージック賞(Academy of Country Music Awards)、グラミー賞など数々の賞を受賞し、2003年には60年のわたる音楽活動の功績を称えられグラミー賞特別功労賞を受賞している。

活動後年となる2006年にリリースした「Water & Bridges」は、U.S.Billboard Top Country Albums Charts 第5位、U.S.Billboard 200 第14位とヒットを記録。このアルバムからの第一弾シングル「I Can't Unlove You」も、U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第17位とヒットを記録するなどその健在ぶりを見せ付け、その勢いを受けて2007年には、イギリスとアイルランドへのツアーも実施するなど、そのミュージシャンとしてのキャリアの後期も精力的に活動した。またアメリカのテレビ映画シリーズ「Kenny Rogers as The Gambler」(邦題:「ザ・ギャンブラー」)、テレビ映画シリーズ「The MacShayne」、「The Muppet Show」(邦題:「マペット・ショー」)などへの出演など、多くの映画やテレビ番組で俳優としても活躍するとともに、実業家としても知られ、チェーンレストラン「Kenny Rogers Roasters」の共同経営者でもある。

▼ Kenny Rogers and The First Edition(右から二人目)
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Kenny Rogers は、テキサス州ヒューストンで看護助手の母 Lucille Lois と大工の父 Edward Floyd Rogers の間に8人中4番目の子供として生まれる。ちなみに現在に至るまで5度結婚し、6人の子供を儲けている。

1950年代半ばの10代から音楽活動を開始。ティーンエイジの頃は専らサイケデリックロックなどのロックンロールミュージックを演奏していたものの、そうした音楽にこだわることなく、1970年代から80年代にはカントリーとポップのクロスオーバーアーティストとして成功し、世界中で最も売れたエンターテナーの一人となる。

高校時代は Kenneth Rogers という本名で Doo-wop のヴォーカルグループ The Scholars のメンバーとして活動。グループ解散後の1958年、シングル「That Crazy Feeling」でソロデビューを果たすが、シングルはさほど売れることもなく、ジャズグループ The Bobby Doyle Three に加入。ファンも多くナイトクラブで積極的に演奏活動を展開し、Columbia Records からレコードもリリースするが、1965年には解散。

翌1966年、Mercury Records からジャズ・ロックなソロシングル「Here's That Rainy Day」をリリースするが失敗。この頃プロデューサーや作曲家、カントリーミュージシャンである Mickey Gilley や Eddy Arnold など他のパフォーマーのセッションミュージシャンとしても活動するようになり、1966年、フォークミュージックグループ The New Christy Minstrels にシンガー兼コントラバス奏者として参加することになる。

だがこのグループでも期待したような成功を収めることができず、メンバーであった Mike Settle、Terry Williams、Thelma Camacho とともにグループを脱退。1967年、このメンバー(その後 Kin Vassy が加入)で The First Edition(後に Kenny Rogers and The First Edition に改名)を結成する。グループは、ポップチャートとカントリーチャートの両方で「Just Dropped In (To See What Condition My Condition Was In)」、「But You Know I Love You」、「Ruby, Don't Take Your Love to Town」、「Tell It All, Brother」、「Reuben James」、「Something's Burning」など数々のヒットを記録する。ちなみに当時の Kenny Rogers は、時代を反映して長髪にサングラスといういで立ちであった。

その後1976年にグループは解散し、ソロシンガーに転向。幾分ラフだが美しい味のある声を出すスタイルでポップとカントリーの両方で人気を博し、今日までに、アメリカのポップチャートである U.S.Billboard Hot 100 で第1位を獲得した Lionel Richie 提供の「Lady」(1980年) と Dolly Parton とのデュエット曲「Islands In The Stream」(1983年)を始め、チャート Top40 入りシングルを60曲以上、アルバムを50枚以上世に送り出している。また1978年の映画「Convoy」(邦題:「コンボイ」)、1980年の映画「Urban Cowboy」、1998年の映画「The Big Lebowski」(邦題:「ビッグ・リボウスキ」)など大ヒット映画のサウンドトラックにも楽曲を提供するなど幅広く活動している。

▼「Love Lifted Me」1stアルバム
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ソロとしては、アメリカの映画配給会社 United Artists が映画のサウンドトラックを配給するために設立したレーベル United Artists Records と契約。ここでその後の Kenny Rogers の作品には欠かせない存在となるプロデューサー Larry Butler と出会い、同レーベル在籍の4年間、共に音楽制作をすることとなる。こうして1976年、1stソロスタジオアルバム「Love Lifted Me」をリリース。シングルカットされた「Love Lifted Me」と「While the Feeling's Good」が U.S.Hot Country Songs Chart でマイナーヒットを記録。収録曲「Runaway Girl」は、映画「Trackdown」の主題曲にも採用される。

▼「Kenny Rogers」2ndアルバム
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1977年、セルフタイトルの2ndスタジオアルバム「Kenny Rogers」をリリース。第一弾シングル「Laura (What's He Got That I Ain't Got)」が U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第17位を記録するヒットとなる。続く第二弾シングル「Lucille」も U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第1位を獲得しメジャーヒットを記録。12か国でポップチャート第1位を獲得し、500万枚以上を売り上げ、The First Edition 後のソロキャリアの基盤を確立した。この「Lucille」のヒットも手伝い、アルバム「Kenny Rogers」も U.S.Billboard Country Album Chart 第1位を獲得する。

▼「The Gambler」6thアルバム
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▼「Kenny」8thアルバム
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更に成功は続き、1978年リリースの6thスタジオアルバム「The Gambler」は、U.S.Billboard Country Album Chart 第1位を獲得し、アメリカレコード協会からマルチプラチナディスクに認定され、続く1979年リリースの8thスタジオアルバム「Kenny」も U.S.Billboard Country Album Chart 第1位を獲得し、シングルカット曲「Coward of the County」は U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第1位を始め、カナダやイギリスなど世界各国で音楽チャート第1位を獲得するヒットとなる。こうしたヒットに貢献した前述のプロデューサー Larry Butler とのコンビは、1980年 Kenny Rogers の Liberty Records への移籍に伴い解消されることになるが、その後も1987年の20thアルバム「I Prefer the Moonlight」、1993年の25thアルバム「If Only My Heart Had a Voice」でコンビを組むなど、二人の協働は続くことになる。

▼「Every Time Two Fools Collide」
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▼「Classics」
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1970年代後半、Kenny Rogers は親友でカントリーミュージックのレジェンドと言われる女性シンガー Dottie West と組んでコラボレーション・アルバムを制作し、デュエット曲をリリースする。1978年のデュオ1stアルバム「Every Time Two Fools Collide」はゴールドディスク、1979年のアルバム「Classics」はプラチナディスクに認定される大ヒットとなり、カントリーミュージック協会賞(CMA Awards)を受賞するとともに、アカデミー・オブ・カントリーミュージック賞(ACM Awards)、グラミー賞にもノミネート。コンサートを通じたレコードの売上げ実績やTV番組出演に対する Music City News Award も受賞。シングルカットされたデュエットシングル「Every Time Two Fools Collide」(Hot Country Songs Chart 第1位)、「Anyone Who Isn't Me Tonight」(同第2位)、「All I Ever Need Is You」 (同第1位)、「Till I Can Make It On My Own」(同第3位)や、Dottie West の1980年リリースアルバム「Wild West」からのデュエットシングル「What Are We Doin' in Love」(同第1位)などヒット曲を連発し、これらの楽曲は今でもカントリーミュージックのスタンダードとなっている。Kenny Rogers は1995年の TNN のインタビューで Dottie West について「彼女の歌を聴けば分かるように、今まで一緒に仕事をした誰よりも彼女は感情を込めて歌うんだ。多くのシンガーは歌詞を唄うけれど、彼女は感情を歌うんだよ。」と答えており、その信頼関係が窺える。二人はこのコラボレーションによりそれぞれキャリアにおいて新境地を開拓することになった。なお Dottie West は、1991年に自動車事故が原因で58歳の若さで逝去しているが、Kenny Rogers は2012年に出版した自叙伝「Luck Or Something Like It」の中で、彼女が亡くなるほんの数時間前に病院に見舞いに訪れていたことを明らかにしている。

▼「Share Your Love」11thアルバム
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1980年、Kim Carnes とのデュエット曲「Don't Fall In Love With A Dreamer」が U.S.Billboard Hot 100 第4位、U.S.Hot Country Songs Chart 第3位とメジャヒットを記録。ちなみに Kenny Rogers、Kim Carnes、Kim Carnes の夫 David Ellingson の3人は、以前所属していた The New Christy Minstrels のメンバーでもあり、Kim Carnes と David Ellingson は9thスタジオアルバム「Gideon」の楽曲制作を手掛け、収録曲「Don't Fall in Love with a Dreamer」ではデュエットでも参加している。同年9月に Lionel Richie が提供したシングル「Lady」が U.S.Billboard Hot 100 と U.S.Hot Country Songs Chart の両方で第1位を獲得する大ヒットとなり、この楽曲は Kenny Rogers の代表曲となった。Lionel Richie は、1981年の11thアルバム「Share Your Love」もプロデュースし、このアルバムからは「I Don't Need You」(U.S.Billboard Hot 100 第3位)、「Through the Years」(同第13位)、「Share Your Love with Me」(同第14位)などヒットシングルが連発、商業的にも大成功を収め、アルバム自体も U.S.Billboard Country Album Chart 第1位、U.S.Billboard 200 第6位を記録するヒットとなった。

1981年、ロサンジェルスの旧 ABC Dunhill ビルを購入し、ロサンジェルスで最も人気があり最高水準の技術を持ったレコーディングスタジオの一つ「Lion Share Recording Studios」を設立。このスタジオは Michael Jackson、Chicago、Lionel Richie、Rod Stewart など多くの大物ミュージシャンやバンドが利用し、1985年には自身も参加した USA for Africa の「We Are The World」のレコーディングにも使用されている。

▼「Love Will Turn You Around」13thアルバム
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1982年、13thスタジオアルバム「Love Will Turn You Around」をリリース。タイトルシングル「Love Will Turn You Around」は、U.S.Billboard Hit 100 第13位、Adult Contemporary Chart 及び Hot Country Songs Chart の両方で第1位を獲得するヒットを記録し、1982年自身の主演映画「Six Pack」のテーマ曲ともなった。

▼「Eyes That See in the Dark」15thアルバム
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1983年、The Bee Gees の Barry Gibb がプロデュースに参加した15thスタジオアルバム「Eyes That See in the Dark」をリリースし、U.S.Billboard Top Country Albums 第1位を獲得。シングルカットされた Dolly Parton とのデュエット曲「Islands in the Stream」も U.S.Billboard Hit 100、Adult Contemporary Chart、Hot Country Songs Chart 全てで第1位を獲得し、アメリカ国内だけで200万枚を売上げ、アメリカレコード協会からプラチナディスクに認定される大ヒットとなる。この楽曲は、当初 The Bee Gees の Gibb 3兄弟が Marvin Gaye のために書き下ろした R&B スタイルの楽曲であったものを、Kenny Rogers のアルバム用に書き直したものであった。なお、Kenny Rogers と Barry Gibb との協働は残念ながらこのアルバム1枚のみとなったが、その理由は、当初 Kenny Rogers は1曲だけ Barry Gibb に仕事を依頼しようと考えていたところ、Barry Gibb がアルバム全体のプロデュースに関わると言って譲らなかったことにあったと言われている。

こうした「Islands in the Stream」の大成功にもかかわらず、レーベルであるRCA Records はイギリスでのアルバム「Eyes That See in the Dark」からの第一弾シングルとして「Eyes That See in the Dark」のリリースを強引に選択し、結局「Eyes That See in the Dark」は UK Singles Chart 第61位に終わることとなる。ちなみにその後アメリカでも「Eyes That See in the Dark」がシングルリリースされたが、その際は U.S.Billboard Adult Contemporary Chart 第4位、Hot Country Songs Chart 第30位とまずまずの成績を収めている。なお、その後イギリスでも「Islands in the Stream」がリリースされ、UK Singles Chart 第7位と順当にヒットを記録した。

▼「What About Me?」16thアルバム
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▼「The Heart of the Matter」17thアルバム
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1984年、人気プロデューサー David Foster がプロデュースを務めた16thスタジオアルバム「What About Me?」をリリース。タイトルトラック「What About Me?」は Kenny Rogers、James Ingram、Kim Carnes 3人による楽曲で、グラミー賞にもノミネートされ、シングルカット曲「Crazy」も U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第1位を獲得する。David Foster は、1985年リリースの17thスタジオアルバム「The Heart of the Matter」でもサポートミュージシャンとして参加したが、プロデューサーは George Martin が担当した。このアルバムも U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第1位を記録するヒットとなった。

その後1985年の「Morning Desire」、1986年の「Tomb of the Unknown Love」、1987年の「Twenty Years Ago」など、自身のフィールドであるカントリーミュージックのチャートで第1位を含むヒットシングルを連発。1985年1月には、アフリカの飢餓犠牲者を援助する国際的なチャリティーソング「We Are the World」に45人の著名アーティストにより結成された USA for Africa の一員として参加し、改めて世界中にその存在を知らしめた。

1988年、Ronnie Milsap ととも1987年のデュエット曲「Make No Mistake, She's Mine」でグラミー賞「Best Country Collaboration with Vocals」賞を受賞。1990年代以降は派手なヒットこそないものの安定した活動を続け、また積極的に慈善活動を行い、アメリカの国民的歌手としての地位を揺るぎないものにする。

▼「She Rides Wild Horses」23thアルバム
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2000年に入り、1999年にリリースした23thスタジオアルバム「She Rides Wild Horses」からのシングルカット曲「Buy Me a Rose」で21世紀となって初となる U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第1位を獲得。これにより Kenny Rogers は26年前に Hank Snow が打ち立てた最年長カントリーシングルチャート第1位獲得記録(1974年4月、59歳の時「Hello Love」で第1位を獲得)を破り、2003年に Willie Nelson が70歳で Toby Keith とのデュエット曲「Beer for My Horses」で第1位を獲得するまでその記録を保持した。

▼「42 Ultimate Hits」
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その後2年間はニューアルバムをリリースせず、専らコンピレーションアルバムをリリース。2004年にリリースしたベスト盤「42 Ultimate Hits」は、新曲2曲を含む The First Edition 時代から現在に至るまでのヒット曲を収録した初のアルバムとして U.S.Billboard Top Country Albums Chart 第6位を記録し、ゴールドディスクに認定される。

▼「21 Number Ones」
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その後 Capitol Records と契約し、2006年1月にベストアルバム「21 Number Ones」のリリース。このアルバムも U.S.Billboard Top Country Albums Chart 第6位を記録し、ゴールドディスクに認定されたが、実はアルバムタイトルどおりにチャート第1位獲得曲が全曲収録されておらず、「Crazy in Love」と「What About Me?」の2曲が省かれていたため、完璧なNo.1シングル・コレクションとはなっていなかったというオチがついている。

▼「Water & Bridges」26thアルバム
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2006年には Capitol Records Nashville から26thスタジオアルバムとなる「Water & Bridges」をリリースし、U.S.Billboard Top Country Albums Chart 第5位を記録するとともに、第一弾シングル「I Can't Unlove You」も、U.S.Billboard Hot Country Songs Chart 第17位を記録し、6か月に渡りチャートインするなど、最初にグループ The Scholars を結成してから50年以上、また The First Edition のリーダーとして初めてメジャーヒットを記録してから38年が経過してもなおその人気の健在ぶりを示す。また、このアルバムからの第三弾シングルで Don Henley と共演した「Calling Me」は、2007年のグラミー賞にノミネートされている。

こうして Kenny Rogers は、65枚のアルバムをリリースし、165百万枚のレコードを売り上げ、2013年にはアメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルにあるカントリーミュージック協会(Country Music Association)運営の「カントリー・ミュージック殿堂博物館」入りを果たしている。

▼「You Can't Make Old Friends」27thアルバム
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2013年、現役ミュージシャンとしてラストアルバムとなる27thスタジオ・アルバム「You Can't Make Old Friends」をリリース後、2015年9月25日、アメリカNBCのTV番組「Today」において、家族との時間を過ごすため、ファイナルツアー「The Gambler's Last Deal」終了後にショービジネスから引退することを表明。現在に至る。

(出典:「Kenny Rogers」(1 January 2017 04:56 UTC) 『Wikipedia英語版』他)

▼ 近年のKenny Rogers
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表された Wikipedia の項目「Kenny Rogers」を素材として二次利用しています。


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香山蔵之介

Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
Life is music. Music is life.
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