FC2ブログ

2020-05

ヤバイTシャツ屋さん 「We love Tank-top」

ヤバイTシャツ屋さん 「We love Tank-top」■ アルバムデータ
タイトル:We love Tank-top
アーティスト:ヤバイTシャツ屋さん
リリース:2016年11月2日
レーベル:Universal Sigma

アルバム総評価:95
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価
01  We love Tank-top  ★★★★★  
02  Tank-top of the world★★★★★
03  あつまれ!パーティーピーポー★★★★★
04  無線LANばり便利★★★★★
05  DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ          ★★★★☆
06  週10ですき家★★★★★
07  ZIKKA★★★★★
08  喜志駅周辺なんもない★★★★★
09  ウェイウェイ大学生★★★★★
10  天王寺に住んでる女の子★★★★★
11  L・O・V・E タオル★★★★☆
12  流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い★★★★☆
13  ネコ飼いたい★★★★★


■ 講評
今回紹介するアルバム「We love Tank-top」は、男女ツインヴォーカルの3ピースバンドである ヤバイTシャツ屋さん が2016年11月2日に Universal Music の邦楽レーベル Universal Sigma からリリースしたメジャーデビューアルバムである。

2016年11月14日付オリコン週間 CD アルバムランキング第7位を記録しており、その注目度の高さがうかがえる。

インディーズ時代のシングル収録曲(#02,#03,#05,#08,#13)の再録を含む全13曲を収録。作詞・作曲は、専ら こやまたくや が担当。

初回限定盤、通常盤初回プレス、ヴィレッジヴァンガード盤の3種類がリリースされており、初回限定盤には8月12日に開催されたワンマンライブ「まだ早い。」(大阪・心斎橋 BIG CAT)の模様を収録した DVD、ヴィレッジヴァンガード盤には DVD 及びタンクトップが付属している。

なお、インディーズ版とメジャー版の2種類のミュージックビデオが公開されているアルバムリード曲「あつまれ!パーティーピーポー」は、楽曲の一部がアメリカのエレクトロホップデュオ LMFAO の「Shots」のオマージュになっているとのことで、メジャーデビューアルバムに再録するにあたり、わざわざ LMFAO から許諾を得ており、アルバムには原曲の作詞・作曲者のクレジットも併記されている。こうしたきめ細やかな対応は、メジャーレーベルならではといえるだろう。

また、「ネコ飼いたい」は、猫アレルギー持ちというメンバー こやまたくや の複雑な心情を歌った自虐的な楽曲のようで、既に実家で猫を飼っているというメンバー しばたありぼぼ が間奏部分で歌うどや顔チックな「猫飼~い~た~い」というユルいコーラスが何気に上から目線で、アイロニックな楽曲となっている。

▼「We love Tank-top」通常盤初回プレス
画像


▼「We love Tank-top」初回限定盤
画像


▼「We love Tank-top」ヴィレッジヴァンガード盤
画像



ヤバイTシャツ屋さんは、2012年に大阪府で結成された日本のロックバンドである。自称メロコアバンドということで、ファンの間では「ヤバT」と呼ばれているらしい。なお、ユニークなバンド名は、メンバー こやまたくや の先輩が「ヤバイTシャツ屋さん行こうよ!」と言っていたのが印象に残っていて、その言葉の語感の良さからバンド名に採用したとのことである。

バンド名からTシャツに強いこだわりがあるかと思いきや、バンドの公式マスコットは、まさかのオリジナルキャラクター「タンクトップくん」となっている。一方、「バンド名でハードルが上がりすぎた」という理由から、結成以来長らくオフィシャルグッズでTシャツを販売してこなかったが、2016年にようやく初のオフィシャルTシャツを販売したといい、バンドの公式マスコットであるタンクトップではなくTシャツを売ってしまう優柔不断さにも、ヤバイTシャツ屋さん らしいアバウトさが滲み出ているようだ。

また、Official Web Site では、「ヤバイTシャツ屋さん屋さん」という看板を掲げて様々なオフィシャルグッズが販売されているが、今回のアルバムにちなんで「ちょっと着るのためらうけどまあ着れるツアーTシャツ」、「すごい吸収力のタオル(ツアーver.)」、「DQNの車のミラーのところによくぶら下がってるやつ」など一風変わったネーミングのグッズも販売されており、その遊び心とこだわり感はさすがと言うほかない。

なお、Official Web Site の作りは意外にしっかりしており決して詐欺サイトではなさそうだが、グッズの価格については、メンバーの言葉を借りると「バリ高い」ようである。前述のTシャツについても相当個性的な品揃えとなっているので、興味がある方は一度 Official Web Site を訪れてみると面白いかもしれない。

▼ ヤバイTシャツ屋さん
画像



バンドは、2012年に大阪芸術大学に在学していたメンバーによって結成。以降、何度かの活動休止・再開を経て関西を拠点にライブ活動を行っており、サマーソニック、ROCK IN JAPAN FESTIVAL、京都大作戦、VIVA LA ROCK、RUSH BALL、BAYCAMP などの大型ロック・フェスティバルにも出演。「SUMMER SONIC 2015」の企画「出れんの!?サマソニ!?2015」では、投票数が963組中2位という結果により出演権を獲得し、ダイノジ大谷ノブ彦賞を受賞。2015年11月には関西最大級の音楽コンテスト「eo Music Try 2016」でグランプリを獲得し、これがきっかけとなって、2016年11月に Universal Music(Universal Sigma)から今回紹介するアルバム「We love Tank-top」でメジャーデビューを果たした、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのニューカマーバンドである。ちなみに所属事務所は、10-FEET、G-FREAK FACTORY、NUBO らが所属する BADASS となっている。

何度かの活動休止・再開を経てということだが、具体的には2012年5月の結成後、翌月の6月には活動休止、2013年10月に活動を再開、再度翌月の11月に活動休止と、合計2度の活動休止を経て再度2014年7月に活動を再開して今日に至るとのことで、本格的な活動は2015年からということらしい。ただしメンバーによれば、Official Web Site の情報は、ライヴ情報を除いてほとんどが嘘らしいので、経歴についてもその真偽の程は不明(レーベルのサイトでは、2013年10月結成となっている。)である。それにしても Official Web Site の情報が嘘まみれってアバウト過ぎて洒落にならないと思うのだがいかがであろうか。

嘘か誠かこうした学生バンド出身ならではの綱渡り的な経歴は、公式 Web Site 上で「ヤバイヒストリー」として紹介されており、まさにそんな表現がピッタリの波乱万丈な経歴である。

こうして幾度もバンド消滅の危機を乗り越えた? ヤバイTシャツ屋さん は、こやまたくや(Guitar,Vocal)、しばたありぼぼ(Bass,Vocal)、もりもりもと(Drums,Chorus)からなる3ピースバンドで、紅一点 しばたありぼぼ もメインヴォーカルを張る男女混成ツインヴォーカルという独特な編成を採っている。また、こやまたくや は、koyama takuya や 寿司くん 名義で様々な作品の監督、撮影、編集などを担当しており、グループのプロモーションビデオも手掛けるほか、2016年に SME Records よりメジャーデビューを果たした同じく関西を拠点に活動を展開する盟友 岡崎体育(同じ中学校の出身で、テニス部の先輩)の1stアルバム「BASIN TECHNO」収録曲のミュージックビデオの監督、撮影、編集を担当し、出演までするなどマルチな才能を発揮している。

▼ ヤバイTシャツ屋さん
画像



ただ、今回の1stアルバムリリースに当たっての公式キャッチコピーは、意外なほど平凡だ。

その内容はといえば「フェスに出演すれば軒並み入場規制! 予想の斜め上をいくメロコア界の異端児、『ヤバイTシャツ屋さん』メジャーデビュー決定! 2013年結成、2015年になり本格的に活動を開始。以降、「出れんのサマソニ!?2015」始め数々のオーディションライブで賞を獲得、サーキットイベントでは軒並み入場規制という驚異の急成長を遂げているバンド『ヤバイTシャツ屋さん』。2016年8月に開催の自身最大規模となるワンマンライブ「まだ早い。」を心斎橋 BIGCAT にて開催し即ソールドアウト。5月に開催されたさいたまスーパーアリーナ「VIVA LA ROCK 2016」、8月の「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016」などの大型フェスでもまさかの入場規制に! メロコア×一度聴くと忘れられない秀逸なリリックが特徴の楽曲が口コミ、SNS 上で話題となり、急激に膨れ上がる注目度にメンバー自身も困惑する勢いで活動中。」となっており、これだけ見るとエラくスマートでカッコよさげなバンドの姿が浮かび上がってくる。

また、Official Web Site 上でも「ヤバイTシャツ屋さんとは・・・大阪を活動拠点に、躍動感溢れるパフォーマンスとストーリー性のある歌詞で50代女性をターゲットに活動中。」となっており、前述のとおり感のいいリスナーであれば「50代女性をターゲット」というフレーズに胡散臭さを感じるに違いないが、そのほかはいたってシンプルなキャッチコピーとなっている。

▼ ヤバイTシャツ屋さん
画像



しかしである。ヤバイTシャツ屋さんは、マジでヤバくて凄かった。何がヤバくて凄いかといえば、もちろん歌詞の内容がである。さすがにコミックソングの帝王 ツボイノリオ には及ばないものの、その学生の日常会話の延長のようなおバカ丸出しの雑談ライクであるあるな歌詞が超コミカルで、ここまで突き抜けた歌詞をメジャーレーベルで披露してしまう度胸はなかなかのものである。その潔さは、最近流行のロックバンドの中でもはずば抜けているといっていい。

ヤバイTシャツ屋さん の楽曲は、そのタイトルだけでも歌詞のチープさが伝わってくるようで実にコミカルなのだが、それに輪をかけてその世界観へのこだわりがハンパなく、どんだけタンクトップや天王寺駅周辺が好きなんだよというぐらい、登場するアイテムへのこだわりはもはやアブノーマルな偏愛の域に達しており、ほとんど歌詞の暴走といっていいほどリスナーを置いてきぼりにしてしまっている感じだ。

中でも「天王寺駅」と「喜志駅」という大阪の地元民にしか分からないような地域限定の小ネタ連発に、その土地を知らなくても何となく交通の便が良く住みやすい天王寺駅周辺に比べて、メンバーの出身大学である大阪芸術大学の最寄り駅でメンバーの生活圏と思しき喜志駅周辺が、ド田舎で超不便であることだけは頭にしっかりとインプットされてしまった。

これでめでたく喜志駅周辺の住み難さが全国に知れ渡ってしまったわけだが、喜志駅周辺の富田林市市民の怒りが爆発しないことをただただ祈るばかりである。その他「パーティーピーポー」、「無線LAN」、「すき家」、「実家」、「大学生」、「タオル」、「バンドの男性ボーカル」、「ネコ」など超微妙な小ネタが畳み掛けるように繰り出され、13曲全曲抱腹絶倒のコミックソングとなっている。

だが、ヤバイTシャツ屋さん の真の凄さは、その歌詞の軽さに反比例した非常に骨太で、しかも中毒性を持ったメロディアスなサウンドを響かせる堂に入った演奏にこそあると感じる。こうした聴き応えのあるサウンドは、メンバー曰くレコーディング技術のおかげということだが、数々のライヴで鍛え上げられたものであることはもちろん、学生バンド出身ながらそれぞれのメンバーが持つ音楽スキルの高さに裏付けされたものであることは間違いないだろう。

加えて こやまたくや と しばたありぼぼ のツインヴォーカルが、歌詞の世界を実に効果的に演出しており、その吉本新喜劇ばりのナニワチックな掛け合いがどぎつくも妙に心地よく、特に しばたありぼぼ のツンデレでユルカワな歌声の何気にイラっとくる脱力感も堪らなく魅力的で、関西女子特有のいい味を出しているようだ。

のっけからアングラ劇団によるディズニーミュージカル風「We love Tank-top」で始まる異色のアルバム「We love Tank-top」であるが、これはまだ序の口で、その後に突っ込みどころ満載のコミックライクな楽曲が12曲も控える、まさに予想外の展開を見せるアルバムに仕上がっている。このアルバムを聴けば、あの個性派バンド キュウソネコカミ が可愛く思えるほどだ。

既に4枚のシングル(厳密にいうと1st→2nd→2.5nd→3rdシングルというナンバリング)をリリースし、2016年6月22日リリースの2.5ndシングル「そこまでレアじゃない」は、タワーレコード限定でしかも約1か月の期間限定販売ながら、オリコンインディーズチャート週間第2位、タワーレコード全店舗総合デイリーチャート第1位を記録するなど、インディーズバンドとしての実績を着実に積み重ね、特に関西のインディーズシーンでは中高生に大人気という ヤバイTシャツ屋さん。

このアルバムを聴く限り、今回のメジャーデビューにおいてもそのコミカルな路線を踏襲して全力で突っ走る気力満々のようであるが、メジャーレーベルの宿命「セールス至上主義」というダークマターに取り込まれることなく、ぜひこれからもリスナーを笑顔にするような愉快で楽しい楽曲を提供し続けてもらいたいものである。

▼「そこまでヤバくない」1stシングル(2015年5月5日リリース)
画像


▼「ピアノロックバンド」2ndシングル(2015年10月29日リリース)
画像


▼「そこまでレアじゃない」2.5ndシングル(2016年6月22日リリース)
画像


▼「ポップコーンパーティー」3rdシングル(2016年7月2日リリース)
画像




■ メンバー

・こやまたくや(ギター・ボーカル)写真:中央
本名:小山拓也。京都府宇治市出身。本名や 寿司くん 名義で映像作家としても活動。
・しばたありぼぼ(ベース・ボーカル)写真:右
バンドの紅一点。道重さゆみ の熱烈なファンで道重Tシャツを着ている事が多い。
・もりもりもと(ドラムス・コーラス)写真:左
通称 ちんもり大統領。

▼ ヤバイTシャツ屋さん のメンバー
画像




■【全曲トレーラー】ヤバイTシャツ屋さん 1st FULL ALBUM「We love Tank-top」




■【初回盤DVD】ヤバイTシャツ屋さん「We love Tank-top」【teaser映像】
3ピースバンド”ヤバイTシャツ屋さん”の1st FULL ALBUM 初回盤収録
ワンマンライブ「まだ早い。(2016年8月12日@大阪・心斎橋BIGCAT)」ライブ映像収録ティザー映像




■ Music Video「あつまれ!パーティーピーポー[メジャー版]」
3ピースバンド”ヤバイTシャツ屋さん”の1st FULL ALBUM 収録曲
「あつまれ!パーティーピーポー」、予算のかけ方を完全に間違えたミュージックビデオメジャー版です!
※必ず最後までご覧下さい。
監督:寿司くん




■ Music Video「あつまれ!パーティーピーポー[インディーズ版]」
directed by 寿司くん




■ Music Video「Tank-top of the world[インディーズ版]」
directed by 寿司くん




■ Music Video「ウェイウェイ大学生[LIVE]」
cam:ぱっち




■ Music Video「LMFAO - Shots ft. Lil Jon」
「あつまれ!パーティーピーポー」に影響を与えた楽曲。




*これらの動画で使用されている音源は、動画を Youtube にアップロードした UNIVERSAL MUSIC JAPAN / yabaTofficialVEVO / Just10minutesTV / LMFAOVEVO が自ら制作したものであり、個人が収入(広告収入を含む)を得ずに運営するサイトへの貼り付けが許諾された音源です。

*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表された Wikipedia の項目「ヤバイTシャツ屋さん」を素材として二次利用しています。


love3  最後まで御覧いただきありがとうございました。1拍手いただけると励みになります。


スポンサーサイト



  

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://758ongakudohonpo.blog.fc2.com/tb.php/299-1f21d01b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Laura Branigan 「Branigan」 «  | BLOG TOP |  » 酉年に因んだ寺院 「長福寺(七寺)」

プロフィール

香山蔵之介

Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
Life is music. Music is life.
Let's enjoy music for your wonderful life.

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

邦楽(あ行) (32)
邦楽(か行) (25)
邦楽(さ行) (31)
邦楽(た行) (12)
邦楽(な行) (10)
邦楽(は行) (25)
邦楽(ま行) (5)
邦楽(や行) (11)
邦楽(ら行) (9)
邦楽(わ行) (2)
洋楽(あ行) (19)
洋楽(か行) (10)
洋楽(さ行) (29)
洋楽(た行) (11)
洋楽(な行) (0)
洋楽(は行) (18)
洋楽(ま行) (4)
洋楽(や行) (1)
洋楽(ら行) (14)
洋楽(わ行) (1)
洋画(か行) (2)
洋画(は行) (1)
アート (6)
文化 (13)
ファッション (1)
グルメ (7)
PC (1)
健康 (1)
BLOG (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

アクセス数

オンライン数

現在の閲覧者数:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログランキング

ブログランキング参加中


ブログランキング参加中

Please Click !