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2020-05

Daryl Hall & John Oates 「Private Eyes」

Daryl Hall & John Oates 「Private Eyes」■ アルバムデータ
タイトル:Private Eyes
アーティスト:Daryl Hall & John Oates
リリース:1981年9月1日
レーベル:RCA Records

アルバム総評価:98
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Private Eyes  ★★★★★  youtube02
02  Looking for a Good Sign★★★★☆ 
03  I Can't Go for That (No Can Do)          ★★★★★youtube02
04  Mano a Mano★★★★★youtube02
05  Did It in a Minute★★★★★
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06  Head Above Water★★★★★
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07  Tell Me What You Want★★★★★youtube02
08  Friday Let Me Down★★★★★youtube02
09  Unguarded Minute★★★★★
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10  Your Imagination★★★★★youtube02
11  Some Men★★★★★youtube02


■ 講評
今回紹介するアルバム「Private Eyes」は、アメリカのブルー・アイド・ソウル・デュオである Daryl Hall & John Oates が1981年に RCA Records からリリースした10thスタジオアルバムである。

Billboard Hot 100 第1位を記録したヒット曲「Private Eyes」、「I Can't Go for That (No Can Do)」の2曲と、Top10 ヒット曲「Did It in a Minute」を含む全11曲を収録。なお「I Can't Go for That (No Can Do)」は、白人バンドとしては極めて異例な Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 第1位を獲得している。

Daryl Hall & John Oates の最大の成功作は、「Private Eyes」に続いて1982年にリリースされた11thアルバム「H2O」と言われているが、多くの批評家は、その芸術性や商業的な成功だけでなくその影響力においても、「Private Eyes」こそが Daryl Hall & John Oates の創造的で文化的なピークの作品だと評している。

Daryl Hall & John Oates は、「She's Gone」、「Sara Smile」、「Rich Girl」など Billboard Charts の上位にランキングするヒット曲を数多く世に送り出した人気デュオであるが、その成功のきっかけとなったのが、1980年リリースの9thアルバム「Voices」であった。このアルバムの収録曲である「You've Lost That Lovin' Feelin'」(The Righteous Brothers が1964年にリリースした楽曲のカヴァー曲)がヒットし、ラジオでへヴィーローテーションされて注目を集めたことで、同アルバムから1981年にシングルカットされた「Kiss on My List」が Billboard Hot 100 第1位を獲得し、メジャーのメインストリームで成功を収めることになる。

その年の春、Daryl Hall & John Oates がニューヨークでこの「Voices」の次回作を制作中に「Kiss on My List」が Billboard Magazine を始め3つの音楽専門誌で第1位を獲得したことを受け、更なる成功を追求すべくイギリスの著名プロデューサーである Neil Kernon を共同プロデューサーに迎えて制作された意欲作が、今回紹介するアルバム「Private Eyes」である。まさにデュオとしてノリに乗った充実期を象徴する作品と言えるだろう。

アルバムプロデュースは、Daryl Hall、John Oates、Neil Kernon が務め、Neil Kernon はエンジニアとミキシングも担当。レコーディングは、ニューヨークにある Electric Lady Studios で行われ、アートなアルバムジャケットカヴァーのデザインを含めたアートディレクションは、 Elton John、Steely Dan、Carly Simon など数多くのアーティストのカヴァーデザインを手掛けたことでも知られる著名フォトグラファー、グラフィックデザイナー Ed Caraeff が、インナースリーヴのフォトグラフは、こちらもアルバムカヴァーの撮影で知られる女流フォトグラファー Lynn Goldsmith が担当している。

リードヴォーカルは、Daryl Hall(#1,#2,#3,#5,#6,#7,#9,#10,#11)と John Oates(#4,#8)が分担し、それぞれがバックヴォーカルとしても参加。Daryl Hall は、前作「Voices」に続きこのアルバムで、リードヴォーカルとしての地位を確立したとも言われている。

また、サポートミュージシャンには Jerry Marotta(Drums)、Jimmy Maelen(Percussion)、Charles DeChant(Sax)、Larry Fast(Synthesizer programming)、Mickey Curry(Drums)、John Siegler(Bass)、G.E.Smith(Lead guitars)らが名を連ねている。

▼「Private Eyes」
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▼「Private Eyes」ジャケット裏面
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▼「Private Eyes」インナーシート
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▼「Private Eyes」LP盤ラベル
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本作からは「Private Eyes」、「I Can't Go for That (No Can Do)」、「Did It in a Minute」、「Your Imagination」の4枚がシングルリリース。また収録曲の「Looking for a Good Sign」は、Hall and Oates が多大な影響を受けた The Temptations のオリジナルメンバーに捧げた曲であり、Hall and Oates は、1985年の Live Aid とライヴアルバム「Live at the Apollo」において、The Temptations のクラシックメンバーでヴォーカリストの David Ruffin と Eddie Kendrick と共演を果たしている。

本作からの第一弾シングルとして1981年8月29日にリリースされた「Private Eyes」は、U.S.Billboard Hot 100 で 1981年11月2週連続第1位を獲得。デュオとして第1位を獲得した6曲のシングル曲のうち「Rich Girl」、「Kiss on My List」に続く3曲目、1980年代では2曲目の楽曲となる。同じく収録曲「I Can't Go for That (No Can Do)」も引き続いて第1位を獲得するが、当時この2曲の連続第1位獲得を阻んだのが、Olivia Newton-John の大ヒット曲「Physical」であった。ちなみに「Physical」はその後、連続10週第1位を獲得するという偉業を達成している。

Daryl Hall はインタビューに答えて、「この楽曲は本当は Sara Allen の妹で共作者である Janna Allen の歌なんだ。Janna と僕と Warren Pash の3人が作曲者だけど、Warren と Janna の二人が曲のほとんどを作曲して、僕はコード変更など手を加えただけなんだ。そして Sandy(Sara Allen)と僕で歌詞を付けたんだ。Allen 姉妹と僕にとって本当の家族のような歌なんだよ。」とその思い入れを語っている。

また、当時、歌詞の世界観を反映してメンバーがトレンチコート、中折れ帽、スーツ姿と探偵の格好をしたミュージックビデオも MTV でへヴィーローテーションされ人気を博した。ちなみにビデオに出演しているのは、バックバンドのメンバーである G. E. Smith(guitar)、Tom "T-Bone" Wolk(bass)、Mickey Curry(Drums)、Charles DeChant(sax/keyboard)である。

この楽曲は、2001年に SONY のデジタルカメラ「Cyber-shot」の CM ソングにも使用されたことがあるため、御記憶の方も多いかもしれない。

▼「Private Eyes」
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▼「Private Eyes」日本盤
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続く1981年12月14日、第二弾シングルとしてリリースされた「I Can't Go for That (No Can Do)」は、Daryl Hall と John Oates が作曲、Sara Allen が共作で参加した楽曲で、Billboard Hot 100 第1位を獲得。デュオとして第1位を獲得した6曲のシングル曲のうち「Private Eyes」に続く4曲目となり、1982年1月には U.S.Billboard Hot Dance Club Songs Chart でも第1位を獲得している。加えて Urban contemporary 専門のラジオ局でもへヴィーローテーションされたため、白人のアーティストとしては異例の U.S.Billboard Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 第1位も獲得しており、ニューヨーク市に本部を置くケーブルテレビ・チャンネル VH1の「The 100 Greatest Songs of the'80s」において第6位にランキングされ、Hip-Hop の歴史の中でも最もサンプリングされた楽曲の一つとされている。

Hall & Oates の作品にも数多く参加している名サキソフォンプレイヤー Charles DeChant が参加。100万回以上ラジオでオンエアされた Hall & Oates の14曲のうちの1曲である。

なお、この楽曲は Michael Jackson のヒット曲「Billie Jean」に影響を与えたことでも知られており、Daryl Hall によれば、「We Are the World」のレコーディングの際、Michael Jackson が近づいてきて、「「Billie Jean」は実は Hall and Oates の「I Can't Go for That (No Can Do)」のベースラインを参考にしたんだ。できれば許してほしいんだけれどどうかな。」と打ち明けられたということで、その際 Daryl Hall は、「自分も他の曲のベースラインを参考にしたんだ。そんなのみんなやってることだよ。」と Michael Jackson に答えたと語っている。真偽の程は定かではないが、なかなか男気ある応え方である。

▼「I Can't Go for That (No Can Do)」US盤
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▼「I Can't Go for That (No Can Do)」日本盤
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▼「I Can't Go for That (No Can Do)」Germany盤
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▼「I Can't Go for That (No Can Do)」Netherlands盤
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続く1982年3月、第三弾シングルとしてリリースされた「Did It in a Minute」は、Daryl Hall、Sara、Janna の Allen 姉妹により作曲された楽曲で、U.S.Billboard Hot 100 第9位を記録。Eric Carmen の1977年のヒット曲「She Did It」中の「did-its」というフレーズにインスパイアされて作曲された楽曲ということで、Eric Carmen は「Did It in a Minute」がヒットした際、Hall & Oates とツアーを行っている。ちなみに「She Did It」自体も The Beach Boys のヒット曲「Do It Again」中の「did-its」というフレーズにインスパイアされて作曲されたとのことである。

▼「Did It in a Minute」US盤
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▼「Did It in a Minute」Germany盤
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最後にシングルリリースされた Daryl Hall 作詞・作曲、Chuck Burgi がドラムスを担当した「Your Imagination」は、U.S.Billboard Hot 100 第33位を記録している。

▼「Your Imagination」UK盤
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▼「Your Imagination」Germany盤
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▼「Your Imagination」Netherlands盤
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私も含め、昭和のオヤジ世代のロックファンが、アメリカンロックを代表するデュオグループと聞いて真っ先に思い浮かべるのが、「Hall & Oates」ではないだろうか。

Hall & Oates は、ルックスも含めて全く異なるカラーを持った凸凹コンビが印象的なデュオグループで、イケメンでスタイリッシュな Daryl Hall と鼻の下のひげがスーパーマリオライクな John Oates の強烈な個性が織り成す息の合ったサウンドパフォーマンスが魅力的なグループであった。 

特にメインヴォーカルを務めた Daryl Hall は、その体全体で刻むアグレッシヴなギタープレイのかっこ良さも手伝って、どちらかと言えばサブキャラ的な John Oates を差し置いてファンの視線を一身に集めてグループの人気を牽引し、後にソロとしても活動して人気を博したイケメンミュージシャンで、こうした二人のキャラクターの対比の妙も人気の秘密だったような気がする。

そのサウンドも何処となく哀愁を帯びた独特な雰囲気を持っており、リズミックながらも複雑で変則的なメロディの楽曲を得意として、日本でもお馴染みの「Rich Girl」、「Kiss on My List」、「Maneater」など数々のヒット曲を世に送り出しており、日本でもファンの多いグループの一つであった。

そのいずれもが Daryl Hall の卓越したメロディメーカーとしての才能を感じさせる他に類を見ない非常に独創的な作品ばかりであり、こうしたサウンド面での独創性も含めて、類似のグループが存在しなかったことも彼らの印象を強烈なものにした理由であるかもしれない。

彼らのロック・ポップとソウルを融合させたサウンドは、「ロックン・ソウル」とか「ポップン・ソウル」とも呼ばれたが、まさにその独創性を顕著に示すジャンルの呼称といえるのではないだろうか。

そんな Hall & Oates も、長年にわたって活躍を続ける他のグループと同様、時代の影響を受けながらそのサウンドを変化させていくことになるが、1980年半ば以降に傾倒したエレクトリックなサウンドにおいても本質的なロック気質は変わることなく、むしろよりアグレッシヴに独自の世界を築き上げて実験的なサウンドにも果敢に挑戦しており、そうした前向きな姿勢もあってか、グループがリリースするアルバムは、絶えず時代の最先端を行くような斬新な作品ばかりであった。

さて、今回紹介するアルバム「Private Eyes」は、そんな Hall & Oates の全盛期を代表する作品である。非常に躍動感溢れるロックなサウンドながらポップテイストでキャッチーなメロディーが強く印象に残る独創的な楽曲が並んでおり、中でもアルバムタイトル曲である#01「Private Eyes」は、80年代を代表するポップロックの名曲で、イントロのギタメロに始まりサビの部分のシンセクラッピングなど、随所に Hall & Oates ならではの意表を突くサウンドアレンジが施されており、シンプルながらも何度聴いても惹きつけられる不思議な魅力を持った楽曲となっている。

また、個人的に一押しなのが、疾走感溢れるキーボードとピアノプレイが冴えわたる#05「Did It in a Minute」である。印象的なフレーズ「did-its」のリフレインに思わずこちらも「did-its」と口ずさんでしまうほど軽快で乗りの良い楽曲で、U.S.Billboard Hot 100 第9位も納得の隠れた名曲と言えるだろう。

アルバム「Private Eyes」は、Daryl Hall & John Oates の最高傑作との呼び声も高い、彼らはもちろん80年代のアメリカのロック・ポップシーンを代表する珠玉のアルバムである。 Hall & Oates 独特な癖が強い分、一度聴いたら病み付きになること間違いなしのヒット曲満載の名盤として、ぜひ記憶に留めたい一枚だ。

▼ Daryl Hall & John Oates(1982年当時)
左:Daryl Hall 右:John Oates
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Daryl Hall & John Oates(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)は、Hall & Oates という愛称でも知られる、リードヴォーカリストの Daryl Hall と専らエレクトリックギターとバックヴォーカルを担当する John Oates の二人からなるフィラデルフィア出身のアメリカのブルー・アイド・ソウル・デュオである。日本での人気が特に高いことでも知られており、小林勝也が VJ を務めたテレビ朝日系音楽番組「ベストヒットUSA」最多登場アーティストとなっている。

ちなみに皮肉にも二人は「Hall & Oates」と呼ばれることを本当は快く思っていなかったということで、John Oates は Esquire Magazine のインタビューを受けて、「“Hall and Oates”と書かれているアルバムなんて一枚もないんだよ。最初の頃からいつだってちゃんと“Daryl Hall and John Oates”と書かれているんだ。みんなそのことに全く気付いていないんだ。“Hall and Oates”って二つの頭を持った怪物みたいだろ。そんなの僕らが望むわけないし好きなわけないよ。」と答えている。

ほとんどの楽曲の作曲を共作も含めてメンバー自身で行い、1970年代後半から1980年代半ばにかけてロックンロールと R&B を融合させた独特のサウンドで一時代を築き上げた。R&B やソウルのテイストを取り入れたポップスで人気を博し、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれるジャンルで最も成功したアーティストの一つである。

また彼らのキャリアを通してデュオとしては歴代第3位となる4千万枚以上のレコードを売り上ている。ちなみに第1位は The Carpenters の1万5千枚となっている。

Hall & Oates は Billboard Hot 100 第1位となる楽曲を6曲も世に送り出していることでも知られ、その楽曲は「Rich Girl」、「Kiss on My List」、「Private Eyes」、「I Can't Go for That (No Can Do)」、「Maneater」、「Out of Touch」と日本でもお馴染みの楽曲ばかりで、Billboard Hot 100 Top40 入りした楽曲は、躍進のきっかけとなった「Sara Smile」、「It's a Laugh」、「Wait for Me」など枚挙に暇がない。ちなみに Billboard Hot 100 Top10 入りした楽曲16曲の内、7曲は Daryl Hall の元恋人である Sara Allen(「Sara Smile」のモデル)とその妹 Janna Allen(1993年に白血病により逝去)との共作である。

トータルでは U.S.Billboard Hot 100 入りした楽曲は34曲に上り、アメリカレコード協会(RIAA:Recording Industry Association of America)から プラチナアルバム7枚、ゴールドアルバム6枚の認定を受けている。こうした Billboard Charts の成功を受けて、Billboard magazine では、1950年代後半から1960年代前半に活躍した Donald Everly と Phillip Everly の兄弟によるカントリーユニット The Everly Brothers を凌ぎ、20世紀で最も成功したロックデュオの称号を Hall & Oates に送っている。

1985年に行われた Live Aid に出演。長年憧れ、また友人でもあった元 The Temptations のEddie Kendrick、David Ruffin と共演。

1991年に活動停止したが、1995年に活動再開を果たした。

2003年、「作曲家の殿堂(Songwriters Hall of Fame)」入りを果たし、Billboard magazine は100人の偉大なアーティストの第15位、デュオとしては第1位に Hall and Oates をランキング、またアメリカニューヨーク市に本部を置くケーブルテレビ・チャンネ ル VH1は100人の最も偉大なアーティスト第99位にランクインさせた。さらに2014年4月には「ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)」入りを果たしている。

現在は互いにプロデューサーとしても精力的に活動を続けている。

▼ Daryl Hall & John Oates
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Daryl Hall(本名:Daryl Franklin Hohl、ペンシルベニア州モンゴメリー郡ポッツタウン(フィラデルフィア近郊)出身、1948年10月11日生)と John Oates(本名:John William Oates、ニューヨーク出身、 1949年4月7日生)は、1967年にフィラデルフィアにあるダンスクラブ The Adelphi Ballroom で出会う。その時は Daryl Hall が「The Temptones」、John Oates が「The Masters」とそれぞれがリーダーを務める音楽グループに所属しており、彼らはそこでバンドコンテストに参加していたが、二つの敵対するギャング団の発砲騒ぎがあり、逃げようと同じエレベーターに駆け込んだのが知り合うきっかけとなった。

その後、彼らが同じ音楽に興味を持っていたこと、二人ともフィラデルフィアのテンプル大学に通っていたことが分かり、交友を深め、いくつかのアパートを共有することになる。その内の一つの郵便受けに記した「Hall & Oates」がデュオの名前となった。

1969年、二人でデュオを結成。1972年に Atlantic Records と契約してデビューアルバムをリリースすることになるが、John Oates がヨーロッパに滞在していたため、デュオとしての活動は1970年からとなった。

活動初期にはフォーク、ソウル、ロック、ポップなど様々なサウンドを取り入れ自分たちのサウンドが明確にできずに苦労する。実際、1972年リリースの1stアルバム「Whole Oats」、1973年リリースの2ndアルバム「Abandoned Luncheonette」も全くヒットしなかった。有名プロデューサーである Arif Mardin と Todd Rundgren がプロデュースしたにも関わらず、この時期彼らがヒットを記録することはなかった。

1974年、3rdアルバム「War Babies」をリリース後、Atlantic Records から RCA Records へ移籍。

▼「Whole Oats」1stアルバム
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▼「Abandoned Luncheonette」2ndアルバム
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▼「War Babies」3rdアルバム
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1975年、移籍後初となる4thアルバム「Daryl Hall & John Oates」(ファンの間ではそのジャケットカヴァーの特徴的な装丁から「The Silver Album」と呼ばれている。)をリリースし、商業的にも初めてとなるヒットを記録する。このアルバムには、Daryl Hall のガールフレンドである Sara Allen に捧げた楽曲「Sara Smile」を収録。「Sara Smile」は、1976年6月の Billboard Hot 100 第4位を記録する。その後 Atlantic Records から再販された2ndアルバム「Abandoned Luncheonette」の収録曲「She's Gone」も、1976年10月に Billboard Hot 100 第7位を記録する。

1976年、よりポップ指向な5thアルバム「Bigger Than Both of Us」をリリース。本作からの2ndシングル「Rich Girl」が1977年3月、デュオ初となる Billboard Hot 100 第1位を獲得する。

▼「Daryl Hall & John Oates」4thアルバム
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▼「Bigger Than Both of Us」5thアルバム
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その後順調にヒットを続けるものの、ラジオでオンエアされる機会が減少。コンスタントにツアーやアルバムリリースを行うが、音楽の主流がディスコミュージックに移行する中でポップミュージックのヒット曲が出ない状況となってしまう。

1977年に6thアルバム「Beauty on a Back Street」、1978年に7thアルバム「Along the Red Ledge」とロック指向のアルバムをリリースするが、ディスコミュージックの流行は凄まじく、ポップミュージックは片隅に追いやられる状況が続く。

1979年、8thアルバム「X-Static」をリリース。ダンスミュージックをロックに融合させたサウンドを展開。シングルカットされた「Wait For Me」が Billboard Hot 100 第18位を記録したもののアルバムは不発に終わる。

▼「Beauty on a Back Street」5thアルバム
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▼「Along the Red Ledge」7thアルバム
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▼「X-Static」8thアルバム
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1980年、Hall & Oates に転機が訪れる。二人は成功への最も大きな障害は外部のプロデューサーを採用していることとスタジオミュージシャンたちが自分たちの指向や考えをよく理解していないことにあると考え、活動拠点とレコーディングスタジオをニューヨークに移す。こうしてニューヨークにある Electric Lady Studios を拠点としてバックバンドを組織。Daryl Hall のガールフレンド Sara Allen と妹の Janna を共同作曲者、Neil Kernon をエンジニアに加え、自分たちのプロデュースによりレコーディングを開始する。

こうして1980年、9thアルバム「Voices」をリリース。同年、このアルバムからリリースされた「How Does It Feel to Be Back」は Billboard Hot 100 第30位、「You've Lost That Lovin' Feelin'」は第12位を記録。惜しくも Top10 入りは逃したが、14週連続 Top40 入りを果たすヒットとなった。このアルバムリリース以降、Daryl Hall はデュオにおけるリードヴォーカルとしての立ち位置を確立することになる。続く1981年シングルカットした「Kiss on My List」は、同年4月に Billboard Hot 100 3週連続第1位を獲得。続く「You Make My Dreams」も7月に Billboard Hot 100 第5位を記録した。この他にもシングルリリースはされていないが Daryl Hall が作曲し、パワフルなヴォーカルが印象的なバラッド曲「Everytime You Go Away」も広く知られており、1985年にイギリスのシンガー Paul Young がカヴァーして Billboard Hot 100 第1位を獲得している。

▼「Voices」9thアルバム
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1981年、10thアルバム「Private Eyes」をリリース。本作は エネルギッシュな New Wave とハードロックの気概に満ちた、Doo-Wop と ソウルを完璧に融合させたアルバムで、80年代を代表する名盤の一枚として高い評価を受け、Billboard 200 第5位とアルバムチャートではデュオ初となる Top10 入りを果たした。本作からは4枚のシングルがリリースされ、「Private Eyes」と「I Can't Go for That (No Can Do)」の2曲がほぼ連続して Billboard Hot 100 第1位を獲得。残念ながら10週連続第1位に輝いたモンスターヒット曲である Olivia Newton-John の「Physical」により連続第1位獲得を阻まれている。続く1982年シングルリリースされた「Did It in a Minute」 は Billboard Hot 100 第9位、「Your Imagination」は第33位を記録。このアルバムは、現在もソウル、ニューウェイヴ、パワーポップを融合した Hall & Oates の最高傑作とされている。

▼「Private Eyes」10thアルバム
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1982年、11thアルバム「H2O」をリリース。このアルバムはシンセサイザーを駆使した非常に洗練されたアルバムで、 Billboard 200 第3位、15週連続チャートインを記録。3曲のシングルが Billboard Hot 100 Top10 入りを果たし、デュオとして商業的に最も成功したアルバムとなった。このうち「Maneater」は、1982年12月 Billboard Hot 100 4週連続第1位を獲得し、彼らのキャリアの中で最もヒットしたシングルとなった。また、ソウルフルなバラッド「One on One」が Billboard Hot 100 第7位、Mike Oldfield のカヴァー曲「Family Man」が第6位を記録するヒットとなった。

Hall & Oates は、このアルバム制作のためバンドメンバーを変更し、アルバム「Private Eyes」でも活躍したドラマーの Mickey Curry を Jerry Marotta に、ベーシストの Tom "T-Bone" Wolk を John Siegler にそれぞれ交代させ、新たにギタープレイヤーの G.E. Smith とサキソフォン奏者の Charlie "Mr. Casual" DeChant をバンドに迎える。

こうして Hall & Oates は5枚のナンバー1シングル、2枚連続 Top10 入りアルバムを世に送り出し、音楽専門チャンネル MTV でも他のビッグネームに並んで取り上げられるなど、名実ともにアメリカの最も偉大なポップミュージックアーティストの仲間入りを果たす。

▼「H2O」11thアルバム
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1983年、初のベストアルバム「Rock 'n Soul Part 1」をリリース。Billboard 200 第7位を記録するとともに、シングル曲「Say It Isn't So」は、Billboard Hot 100 第1位の座を Paul McCartney と Michael Jackson のデュエット曲「Say Say Say」を争い 結果的に1983年12月から1984年1月にかけて Billboard Hot 100 4週連続第2位を記録する。また「Adult Education」は、ポップとブラックコンテンポラリー両系統のラジオ局で盛んにオンエアされ、1984年4月に第8位を記録した。

1984年、「H2O」と異なり最新の音声加工技術を駆使したよりエレクトリックアーバンな雰囲気の12thアルバム「Big Bam Boom」をリリース。シングルカットされた「Out of Touch」は1984年12月にデュオ6枚目となる Billboard Hot 100 第1位を獲得。続く「Method of Modern Love」は1985年2月第5位を、「Some Things Are Better Left Unsaid」は第18位を、John Oates がリードシンガーを務めた「Possession Obsessio」は第30位を記録した。

▼「Rock 'n Soul Part 1」1stベストアルバム
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▼「Big Bam Boom」12thアルバム
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1985年、RCA から1978年リリースのライヴアルバム「Livetime」に続き2枚目となるライヴアルバム「Live at the Apollo」を長年の友人でありデュオが敬愛する The Temptations のヴォーカル David Ruffin と Eddie Kendrick の参加を得てリリース。同年、USA For Africa によるプロジェクト「We Are the World」に参加。フィラデルフィアで開催された Live Aid コンサートにも David Ruffin と Eddie Kendrick と共に参加し Mick Jagger の演奏をバックアップした。この後、デュオとしてはしばらく活動を休止することになる。

1986年、Daryl Hall はソロ2ndアルバム「Three Hearts in the Happy Ending Machine」をリリース。シングル曲「Dreamtime」は Billboard Hot 100 第5位、「Foolish Pride」は第33位を記録する。Daryl Hall はこの後も1993年3rdアルバム「Soul Alone」、1996年日本限定盤4thアルバム「Can't Stop Dreaming」をソロリリースしている。

1987年、Hall & Oates は3つ目のレーベルとなる Arista Records と契約。

1988年、13thアルバム「Ooh Yeah!」をリリースし、プラチナアルバムを獲得。4枚のシングルをリリースし「Everything Your Heart Desires」が Billboard Hot 100 第3位を記録する。このアルバム以降、アルバム及びシングルのリリースクレジットを「Daryl Hall John Oates」に変更。両者の名前の間に「&」や「and」を入れるのは誤表記となった。そのため、このアルバムがベスト盤を除いて「Hall & Oates」表記の最後のアルバムとなる。

1990年、Arista Records から今までの作品以上にロックテイストな14thアルバム「Change of Season」をリリースし、ゴールドレコードを獲得。Jon Bon Jovi が共同プロデュースしたシングル「So Close」をリリースし Billboard Hot 100 第11位を記録する。このシングルがデュオとして最後のメジャーヒット曲となった。

この「Ooh Yeah!」と「Change of Season」は、商業的には成功したものの、批評家からは期待外れの内容と酷評され、1991年から1995年まで実質的にデュオとしての活動を休止する。

▼「Ooh Yeah!」13thアルバム
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▼「Change of Season」14thアルバム
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1997年、7年間振りとなる15thアルバム「Marigold Sky」をリリース。この時期、Daryl Hall は公私共に関係のあった Sara Allen と約30年に及ぶロマンティックな関係に終止符を打つ。なお、彼らの友情はその後も続き、Daryl Hall が2005年にライム病を発症した際は、彼女が助けを得て回復したと言われている。

▼「Marigold Sky」15thアルバム
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2003年、ベンチャーレーベルである U-Watch Records から16thアルバム「Do It for Love」をリリース。タイトル曲である「Do It for Love」は Billboard Adult Contemporary Chart で第1位を記録する。

2004年、一部オリジナル曲を含む1stカヴァー CD にして17thアルバムとなる「Our Kind of Soul」をリリース。

2006年、18thアルバム「Home For Christmas」をリリース。「It Came Upon a Midnight Clear」がデュオ2曲目となる Billboard Adult Contemporary Chart 第1位を記録。

▼「Do It for Love」16thアルバム
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▼「Our Kind of Soul」17thアルバム
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▼「Home For Christmas」18thアルバム
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2014年、「ロックの殿堂(Rock and Roll Hall of Fame)」入りを果たす。

(出典:「Hall & Oates」(4 September 2016 16:42 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼ 近年の Daryl Hall & John Oates(2014年)
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■ アルバムリリースノート
R&Bテイストに裏打ちされフィラデルフィア・ソウルの洗練された味わい、一歩前を進むサウンド作りで人気グループとなった、ホール&オーツの RCA での8作目、通算12枚目のアルバム『プライベート・アイズ』。前作に続きセルフ・プロデュース作品、全米シングル・チャート1位を獲得した「プライベート・アイズ」、「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」など、全盛期を迎えた作品で、プラチナ・ディスクも獲得。今聴いても新鮮さを失わない永遠の傑作ポップ・クラシック・アルバム。(1981年作品) - Amazon

本作は、1981年に発表された、ダリル・ホール&ジョン・オーツの RCA での8作目、通算12枚目となるアルバム。ヒット曲「プライベート・アイズ」「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」他を収録。前作に続きセルフ・プロデュースによる、永遠の傑作ポップ・クラシック・アルバム。- Amazon

▼ Daryl Hall & John Oates
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Hall & Oates」を素材として二次利用しています。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
Life is music. Music is life.
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