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2020-05

ABC 「The Lexicon of Love」

ABC 「The Lexicon of Love」■ アルバムデータ
タイトル:The Lexicon of Love
アーティスト:ABC
リリース:1982年6月21日
レーベル:Neutron Records (UK)

アルバム総評価:94


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Show Me  ★★★★★  youtube02
02  Poison Arrow★★★★★youtube02
03  Many Happy Returns★★★★★youtube02
04  Tears Are Not Enough(涙まだまだ)          ★★★★★youtube02
05  Valentine's Day★★★★★youtube02
06  The Look of Love(Part One)★★★★★youtube02
07  Date Stamp★★★★☆youtube02
08  All of My Heart(我が心のすべてを)★★★★★youtube02
09  4 Ever 2 Gether★★★★☆youtube02
10  The Look of Love(Part Four)★★★★☆ 

※( )は日本語タイトル。

■ 講評
今回紹介するアルバム「The Lexicon of Love」は、イギリスのニューウェイヴバンドである ABC が1982年に Neutron Records(UK)/ Mercury Records(USA)からリリースした1stアルバムである。タイトルの「Lexicon」は、ギリシャ語・ヘブライ語・アラビア語で「辞書」を表す言葉であり、「The Lexicon of Love」は「愛の辞書」といった意味となる。

UK Album Chart 初登場第1位を獲得し、英国レコード産業協会(BPI:British Phonographic Industry)からプラチナレコードに認定される。また、アメリカでも U.S.Billboard 200 第24位を記録し、アメリカレコード協会(RIAA:Recording Industry Association of America)からゴールドレコードに認定されている。日本でもヒットし、オリコンアルバムチャートで第17位を記録した。

なお、ジャケット写真を繋げると舞台風景となる映画の一シーンのようなアルバムカヴァーのフォトグラフは Pete Bill が、バンドのフォトグラフは Paul Cox が手掛けた作品である。

▼「The Lexicon of Love」
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▼「The Lexicon of Love」ジャケット裏面
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▼「The Lexicon of Love」ジャケット結合写真
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▼「The Lexicon of Love」インナーシート
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▼「The Lexicon of Love」LP盤シート
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元々特定のテーマに沿ったコンセプトアルバムではないが、アルバム自体は、シンガーが有意義な関係を構築しようとし失敗する苦悩を経験するというテーマが繰り返される特徴を持っている。また、アルバムリリースの翌年1983年には、収録曲を取り込んだ55分という長尺のスパイ映画仕立てのミュージックビデオ・フィルム「Mantrap」がリリースされている。

メンバーが全曲の作詞・作曲に関わっており、プロデュースは The Buggles、Yes、Art of Noise の活動で知られる Trevor Horn が担当し、Gary Langan がエンジニアを務めた。またオーケストラの指揮とキーボードは、英国放送協会(BBC)専属のオーケストラの一つで、唯一のポップス・オーケストラとして知られる BBC Concert Orchestra の初代指揮者としても知られる Anne Dudley が、シンセサイザーのプログラミングは、Art of Noise の活動で知られる JJ Jeczalik が担当した。ちなみにこの Trevor Horn、Gary Langan、Anne Dudley、JJ Jeczalik の4人は、後にシンセポップグループ Art of Noise を結成することでも知られており、加えてこのアルバムの制作に関わったプロダクションチームとセッションプレイヤーのほとんどが、イギリスのレコードレーベルである ZTT Records の1983年設立時の基礎となっている。

このアルバムからは、「Tears Are Not Enough」(この曲のみ Steve Brown がプロデュース)、「Poison Arrow」、「The Look of Love(Part One)」、「All of My Heart」の4曲がシングルカットされており、「Tears Are Not Enough」は UK Singles Chart 第19位、「Poison Arrow」は UK Singles Chart 第6位・U.S.Billboard Hot 100 第25位、「The Look of Love」は UK Singles Chart 第4位・U.S.Billboard Hot 100 第18位、「All of My Heart」は UK Singles Chart 第5位を記録するヒットとなった。

ちなみに収録曲である「Valentine's Day」は、日本でのみシングルリリースされており、本田技研工業が1982年発表したスクーター「LEAD」の CM ソングに採用されている。

▼「Tears Are Not Enough」
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▼「Poison Arrow」
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▼「The Look of Love(Part One)」
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▼「The Look of Love(Part One)」日本盤
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▼「All of My Heart」
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▼「Valentine's Day」日本限定盤
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なお、このアルバム制作期間中にメンバーの入替えがあったため、制作に携わったメンバーは、Martin Fry(Vocals)、David Palmer(Drums, Percussion)、Stephen Singleton(Alto and tenor saxophones)、Mark White(Guitars, Keyboards)、Mark Lickley(Bass Guitar on「Tears Are Not Enough」,「Poison Arrow」,「The Look of Love」)、David Robinson(Drums on single/demo versions「Tears Are Not Enough」)の計6人となっている。

▼ ABC(1982年)
左からDavid Palmer、Mark White、Martin Fry、Stephen Singleton
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ABC は、1980年代に一世を風靡した UK ロックのニューロマンティックムーヴメントを代表するバンドの一つである。ニューロマンティック系のバンドは後のビジュアル系バンドの先駆けとなったこともあって、いずれのバンドもセクシーでイカしたルックスのメンバーが揃っていたが、中でも ABC のヴォーカルである Martin Fry が醸し出すダンディーな雰囲気は格別で、そのかっこ良さがそのまま ABC の魅力に直結して、他のグループにはない独特の雰囲気を持ったグループでもあった。

この Martin Fry のインパクトと「ABC」というシンプルながらも意表を突くスタイリッシュなグループ名もあってか、日本でも女性のみならず男性リスナーにも広く受け入れられ、世界的なニューロマンティックムーヴメントに乗って1980年代にまさに一世を風靡したバンドである。

そのサウンドも Martin Fry の印象そのままに、アダルト+スタイリッシュで非常にかっこよく、特にリズミックかつダンサブルなサウンドとジゴロ的なイメージ戦略が成功して、1982年ワールドワイドに大ヒットした「The Look Of Love」は、日本でもディスコで連日流されるほどの大ヒットとなった。

もちろん、こうしたヒットは、1981年に開局したアメリカの音楽専門ケーブルテレビ局「MTV」の影響を抜きにして語ることはできない。イギリスのニューロマンティック系アーティストも、1980年代前半、MTV によるビジュアル効果を利用してアメリカのヒットチャートを席巻し、「第2次 British Invasion」と呼ばれる一大ムーブメントを巻き起こしたわけだが、ABC もその例に漏れず、積極的に個性的で芸術性の高いミュージックビデオによるプロモーション戦略を展開し、その人気に拍車をかけた。こうした戦略については、もしかすると元々音楽雑誌の執筆者であった Martin Fry の得意分野だったかもしれない。

そんな ABC のリリースアルバムの中でも、最大のヒット作にして最高傑作と言われるのが、今回紹介する「The Lexicon of Love」である。ヴィジュアルが重視されがちなニューロマンティック系バンドの中にあって、ABC はそのモダンなサウンドセンスも卓越しており、特にこのアルバムの評価は、本国の批評家の中でもすば抜けて高く、今でも UK の批評家の間では UK ロック史を飾る名盤の一枚に挙げられるということである。

逆にその完成度が高過ぎたが故に、その後リリースしたアルバムは、結果的に「The Lexicon of Love」の成功を越えることができなかったというのがもっぱらの見方である。詰まるところは、デビューアルバムで自分たちのありったけの魅力を出し切ってしまうという多くの一発屋グループが犯した失敗と同じ轍を踏んでしまったということかもしれない。また、メンバーが流動的であったため、グループとしてのサウンドコンセプトが一貫性に欠けていたことも災いしたのかもしれない。いずれにせよ、それほど「The Lexicon of Love」の出来栄えが素晴らしかったということに違いない。

さて、近年目立った活動をしていなかった ABC であるが、2016年4月にスタジオアルバムとしては実に8年振りとなる「The Lexicon of LoveⅡ」をリリースした。デビューから35年か経過した今、敢えて最大のヒット作「The Lexicon of Love」の続編を新作としてリリースすることに、最後まで残った Martin Fry のただならぬ意気込みが感じられるが、そのジャケットも「The Lexicon of Love」を強く意識したものとなっているようだ。

早速入手して聴いてみたが、ポップテイストなロックはそのままに、かなり渋みを増した Martin Fry のヴォーカルが印象的で、いい意味で大人な落ち着いたサウンドのアルバムといった印象であった。しかしながら、「The Lexicon of Love」が持っていた艶めいたゴージャス感は伝わってこず、サウンドインパクトも残念ながら感じることができなかった。「The Lexicon of Love」が持つ魅力は、やはりプロデューサーであった Trevor Horn のサウンドセンスによるところが大きいことを改めて実感させられた次第である。やはり「Trevor Horn は偉大なり。」である。

▼ ABC(1983年)
左から David Palmer、Martin Fry、Mark White、Stephen Singleton
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ABC(エービーシー)は、1980年代初期に人気を博したイギリスのニューウェイヴ系ロックグループである。1982年にリリースしたデビューアルバム「The Lexicon of Love」が UK アルバムチャートで第1位を獲得するとともに、1981年から1990年にかけて UK シングルチャートに10曲、US Top40 に5曲のヒットシングルをランクインさせるなどワールドワイドに活躍した。バンドメンバーは変動が激しく、コアメンバーである Martin Fry(Vocal)と Mark White(Guitars,Keyboards)を中心としてツアー等キャリアを展開し、2008年の8thアルバム「Traffic」のリリースを最後に活動は停滞していたが、2016年5月27日付けで9thアルバムとなる「The Lexicon of Love II」をリリースし活動を再開している。ちなみに現在メンバーは Martin Fry(Vocal)一人のみとなっている。

▼ ABC(1981年)
左から Stephen Singleton、Mark White、Martin Fry、David Palmer、Mark Lickley
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ABCは、イギリスのイングランド中部の工業都市である Sheffield で1977年にシンセサイザープレイヤーである Stephen Singleton と Mark White により結成された Vice Versa(ヴァイス・ヴァーサ)というシンセポップバンドが基になった。

Vice Versa は自主レーベルである Neutron Records を立ち上げ、EP「Music 4」をリリース。当時音楽ファン雑誌「Modern Drugs」の執筆者であった Martin Fry が Vice Versa にインタビューを行い、その直後に Stephen Singleton と Mark White からシンセサイザープレイヤーとしてバンドに加入するよう誘われ合意し、1980年末に Martin Fry をヴォーカルとしたバンド ABC が誕生することになった。

1980年9月にイングランド・ウェスト・ヨークシャーのリーズ市で開催された「Futurama 2 Festival」での演奏を最後に Vice Versa は ABC として活動を開始し、 Martin Fry (Vocal)、Stephen Singleton(Saxophone)、Mark White(Guitars,Keyboards)が初期メンバーとなり、翌1981年に Mark Lickley(Bass)と David Robinson(Drums)が加わり5人体制となる。

▼ ABC(1985年)
左から Martin Fry、Fiona Russell Powell、Mark White、David Yarritu
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1981年、ABC としての1stシングル「Tears Are Not Enough」が UK Singles Chart 第19位と Top20入りを果たすヒットを記録。その後直ぐに David Robinson(Drums)が脱退し David Palmer が加入する。間もなく Mark Lickley(Bass)も脱退するがメンバーの追加加入はなかった。

▼「The Lexicon of Love」1stアルバム
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1982年、デビューアルバム「The Lexicon of Love」をリリースし、UK Albums Chart 第1位を獲得。The Buggles、Yes、Art of Noise のヴォーカルを務めた Trevor Horn がプロデュースしたこのアルバムは、イギリスの音楽批評家の好きなアルバムリストにしばしば挙げられるとともに、2004年6月発刊のイギリスの新聞「The Observer Music Monthly」の「Top 100 British Albums」で 第42位、2000年6月発刊のイギリスの月刊音楽雑誌「Q」の「100 Greatest British Albums」で第40位に取り上げられた。また同年、脱退した Mark Lickley がまだバンド在籍中にレコーディングされた「Poison Arrow」、「The Look of Love」の2曲と「All of My Heart」の計3曲が Top10 入りを果たす。併せてスパイ映画仕立てのショートフィルム「Mantrap」など、芸術性の高いミュージックビデオも作成した。ちなみにこの1982年から1983年までの2年間に在籍した Martin Fry(vocals)、Stephen Singleton(alto and tenor saxophones)、Mark White(guitars, keyboards, programming)、David Palmer(drums, percussion)の4人が、ABC のいわゆる「クラシックメンバー」とされている。

こうしてバンドが「The Lexicon of Love」で人気の絶頂を極める中、David Palmer は、坂本龍一、高橋幸宏、細野晴臣による日本のエレクトリックミュージックバンド Yellow Magic Orchestra のツアーシリーズに参加するため離脱。その後間もなく Martin Fry、Stephen Singleton、Mark White の3人は、2ndアルバムを制作するため、Yellow Magic Orchestra のツアーに専心するため ABC を離れた David Palmer を再召集することを決意するが、その思いが叶うことはなかった、残ったメンバーは、こうした状態では彼らのデビューの成功を追求することは難しいと考えていた。

▼「Beauty Stab」2ndアルバム
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事実、1983年11月に「The Lexicon of Love」でエンジニアを務めた Gary Langan がプロデュースを務めてリリースされた2ndアルバム「Beauty Stab」は、ライブ感溢れるエネルギッシュな作品ではあったが、前作とはかけ離れたハードなロック路線に転向したこともあってか、セールスは芳しくなかった。UK Albums Chart 最高第12位とその成績は前作に比べて必ずしも十分とは言えず、アルバムからの第一弾シングル「That Was Then But This Is Now」も、第18位とかろうじて UK Top 20 入りを果たすが、続く1984年リリースのシングル「SOS」は第39位に止まった。

「Beauty Stab」リリース後間もなく、Martin Fry と Mark White がバンドのツアー活動に多くの時間を費やすことに難色を示したことから Stephen Singleton がバンドを脱退。そのため Martin Fry と Mark White は、新たに雑誌「The Face」のジャーナリストで Eden のステージネームでも知られた初の女性メンバーとなる Fiona Russell Powell とアメリカ人の写真家 David Yarritu をバンドに迎える。

▼「How To Be A...Zillionaire!」3rdアルバム
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1985年、この4人のメンバーで3rdアルバム「How To Be A...Zillionaire!」をリリースするが、UK Albums Chart 第28位に止まり、バンドの UK ヒットチャート上の成功はさらに遠いものとなった。そんな中でも、シングルカットされた「Be Near Me」は、U.S.Billboard Hot 100 第9位とグループ初となる Top10 入りを記録し、UK Singles Chart でも第26位と Top30入りを果たす。このアルバムからは更に「(How to Be a) Millionaire」、「Vanity Kills」、「Ocean Blue」がシングルリリースされた。また、「(How to Be a) Millionaire」のプロモーションビデオにバンドメンバーのアニメキャラクターを採用し話題となったが、その名案はこのアルバムからリリースされたシングルのジャケットも担当した David Levine の写真撮影から生まれたものである。ちなみにこのアルバムにおけるビートボックスワークは、そのほとんどがインダストリアル・ファンク・バンド Tackhead の Keith LeBlanc のプログラムによるものである。

▼「Alphabet City」4thアルバム
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Martin Fry が悪性リンパ腫を発症しその療養のためバンドはしばらくの間活動休止を余儀なくされる。その後、Martin Fry と Mark White は、デュオとして ABC を再召集し、1987年に4thアルバム「Alphabet City」をリリースする。このアルバムは UK Album Chart で最高第7位を記録し、1stアルバムリリースから5年振りに UK Top 10に返り咲くヒットとなった。また、このアルバムからは Smokey Robinson を称える「When Smokey Sings」がシングルカットされたが、UK Single Chart 第11位と惜しくも UK Top 10 入りを果たすことができなかった。他にも「The Night You Murdered Love」(UK Singles Chart 第31位)、「King Without a Crown」(UK Singles Chart 第44位)がシングルカットされている。

▼「Up」5thアルバム
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1989年、ABC はデュオとしての第2弾、PolyGram レーベル最後となる5thスタジオアルバム「Up」をリリースする。ハウスミュージックを取り入れたシングル「One Better World」は UK Singles Chart 第32位とマイナーヒットを記録するが、続く第二弾シングル「The Real Thing」 は UK Singles Chart 第68位、アルバム自体も UK Albums Chart 第58位と泣かず飛ばずの結果に終わる。

同時期、グループは、ハウスミュージックシーンへの展開を目的に ABC 以外の2組のアーティストのプロデュースに関わっており、Frankie Goes to Hollywood の Paul Rutherford(Vo,Key)のソロアルバム「Oh World」と1stシングル「Get Real」、グループの自主レーベルである Neutron label から女性シンガー Lizzie Tear のシングル「Turbo Charged」のプロデュースを行った。

1990年、バンドは1990年までにリリースした全アルバムを網羅し、全シングルリリース曲を収録したベスト盤「Absolutely」をリリース。このアルバムは UK Albums Chart 第7位を記録した。

▼「Abracadabra」6thアルバム
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その後グループは EMI Records(North America:MCA Records)に移籍し、1991年に6thアルバム「Abracadabra」をリリースする。1991年に「Love Conquers All」、1992年に「Say It」の2曲をシングルカットするが、「Love Conquers All」が UK Singles Chart 第47位、「Say It」が同第42位といずれも Top 40 入りできなかった。その一方でイタリアのハウスミュージックグループである「Black Box」がリミックスした「Say It」は、U.S. Billboard Dance/Club Play Songs Chart 第3位を記録するヒットとなった。

1991年、Martin Fry はイギリスのダンスミュージックバンド M People の1stアルバム「Northern Soul」の収録曲「Life」でヴォーカルとしてコラボレーションするが、1992年、1995年の再リリース時にはこの楽曲は省略されてしまっている。

1992年、Mark White が音楽業を引退。以降 ABC は実質的に活動休止となる。

▼「Skyscraping」7thアルバム
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1997年、5年間の活動休止期間を経て、ABC のバンド名はそのままに Martin Fry のソロプロジェクトとして ABC 名義としては7thアルバムとなる「Skyscraping」をリリースする。このアルバムは、彼の憧れのミュージシャンである David Bowie、Roxy Music、The Sex Pistols へのオマージュとして制作されたもので、イギリスのニューウェイヴ・シンセポップバンド Heaven 17 の Glenn Gregory(Vocals)と Keith Lowndes がセッションと作曲で参加したが、UK Albums Chart 第97位と商業的には成功しなかった。シングルカットされた「Stranger Things」がかろうじて UK Singles Chart 第57位を記録したが、同じくシングルカットされた「Rolling Sevens」は第130位、「Skyscraping」は第93位とシングルもチャート的に失敗に終わった。

その後もセッションメンバーを加えながらディナーショーや懐メロコンサートなどで音楽活動を続ける。

▼「The Lexicon of Live」1stライブアルバム
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1999年、Blatant Records からメジャーヒット曲を集めた1stライブアルバム「The Lexicon of Live」をリリースする。この時点で Martin Fry は唯一残ったメンバーであったがバックバンドを従え、金ラメの衣装に身を包んでアルバムジャケットを飾った。

2001年、ベストアルバム「Look of Love - The Very Best of ABC」をリリースする。このアルバムは基本的に1999年リリースのベストアルバム「Absolutely」の再版盤であったが、Martin Fry による2曲の新曲「Peace and Tranquility」と「Blame」を追加収録しており、UK Albums Chart 第69位を記録した。

2004年、アメリカのケーブルテレビ・チャンネル VH1 のショウ番組「Bands Reunited」(往年のバンド再結成的な番組)が Martin Fry、David Palmer、Stephen Singleton、Mark White の4人を再会コンサートのために集結させようと企画した結果、Martin Fry と David Palmer は Kajagoogoo の Nick Beggs のサポートも得て20年以上ぶりに共演した。だが、Stephen Singleton と Mark White は不参加を選択している。

▼「Traffic」8thアルバム
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2006年5月から6月にかけてアメリカツアーを実施したのに続き、Martin Fry と David Palmer はセッションキーボード奏者である Chuck Kentis とともに ABC の8thアルバム「Traffic」のレコーディングを開始し、2008年4月にリリースに漕ぎ着ける。このアルバムのミキシングとプロデュースを担当したのは、1stアルバム「The Lexicon of Love」と2ndアルバム「Beauty Stab」の制作に参加したオーディオエンジニアの Gary Langan であった。だが、アルバムは商業的には失敗に終わり、チャートインすることもなかった。

2007年9月1日、ABC はスコットランド・エアーシャーにあるカレイン城で行われた音楽祭で同じ1980年代に活躍したアーティストである Spandau Ballet の Tony Hadley と Go West の Peter Cox とともに Robert Palmer の「Addicted to Love」 を演奏する。

2008年夏、「2008 Regeneration Tour」の一環としてアメリカでコンサートを開催。同コンサートには The Human League、Belinda Carlisle、A Flock of Seagulls、Naked Eyes などが参加した。 

2009年4月、ロンドン中部にある劇場 Royal Albert Hall で英国放送協会(BBC)専属のオーケストラのひとつで、その中で唯一のポップス・オーケストラである BBC Concert Orchestra を伴ってアルバム「The Lexicon of Love」のライヴコンサートを行う。同コンサートでは、Art of Noise の Anne Dudley がオリジナルレコードのアレンジとキーボード演奏を担当し、オーケストラの指揮も行った。2009年4月13日付けのイギリスのオンライン新聞「The Independent」の音楽講評では、このコンサートについて「まさに80年代の最も完璧なアルバムの中の一枚がポップミュージックの神殿の頂近くに戻ってきたような素晴らしい夜であった。」と評している。同年、「2009 Regeneration Tour」の初演でアメリカツアーを開始。同コンサートには Berlin の Terri Nunn や Wang Chung、Cutting Crew などが参加した。

2011年6月から8月にかけて Las Vegas、Nevada、イギリスを回る小規模なツアーを実施。10月にはオーストラリアのメルボルンでもコンサートを開催する。

2012年7月19日、Martin Fry は、音楽に対する30年以上の貢献を評されてイギリスの国立大学であるシェフィールド大学の音楽の名誉博士号を授与される。翌日、彼の娘の Nancy も同大学の社会学学科から学位を与えられた。

2013年、UAE のドバイで開催された「80s Rewind」コンサートに、Rick Astley、Heaven 17、Howard Jones、T'Pau らとともに参加。

2015年10月、Martin Fry は ABC のニューアルバムの制作に取り掛かっていることを発表。「ニューアルバムは「The Lexicon of Love」の続編になる予定だけど何年かかかりそうだよ。僕も今や経験豊かな50歳男さ。それは何度も何度も失敗を繰り返しながらもどう成長したかってことが問われるってことだよね。」と答えている。

2016年1月、Martin Fry は ABC のニューアルバムのタイトルを「The Lexicon of A Lost Ideal」として2016年5月にイギリスでリリースすることを発表。収録曲は Rob Fusari、Marcus Vere、Matt Rowe、Anne Dudley の協力を得て Martin Fry が制作し、「The Lexicon of Love」でも仕事を共にした Anne Dudley がオーケストラアレンジを担当することも公表された。

▼「The Lexicon of Love Ⅱ」9thアルバム
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2016年5月27日、イギリスで9thアルバムとなる「The Lexicon of Love Ⅱ」をリリース。UK Album Chart 第5位を記録し、1982年リリースのオリジナルである1stアルバム「The Lexicon of Love」以来ABC として初めて Top 5 入りを果たした。

(出典:「ABC (band)」(20 June 2016 03:30 UTC) 『Wikipedia英語版』他)

▼ ABC(1990年)
Martin Fry & Mark White
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■ アルバムリリースノート
イギリスのグループの活躍がこのところめざましいがABCもそのひとつ。アレンジがポップスの真髄をよく把えているという点ではトップであろう。ファンキーなリズムを完全にショー・ビジネスに消化し切っている。- CDジャーナル

本作は、トレヴァー・ホーンが鳴り物入りでデビューさせた英国のエレクトロ・ポップ・グループ、ABC(エイビーシー)が1982年に発表したデビュー・アルバム。ヒット曲「ルック・オブ・ラヴ!!」「ポイズン・アロウ」他を収録。 - Amazon

▼ ABC / Martin Fry(2013年)
画像



*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「ABC (band)」を素材として二次利用しています。


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名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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