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2020-05

G.I. Orange 「G.I. Orange」

G.I. Orange 「G.I. Orange」■ アルバムデータ
タイトル:G.I. Orange
アーティスト:G.I. Orange
リリース:1985年
レーベル:CBS/Sony Inc.

アルバム総評価:73


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Too Late  ★★★★★  
02  Two Hearts Beat Under One roof
(85年時の邦題:「2つのハート」)
★★★★★youtube02
03  Dance My Soul★★★★★ 
04  Fight Away The Lover
(85年時の邦題:「涙でブレイク・アウェイ」)          
★★★★★youtube02
05  Psychic Magic★★★★★youtube02
06  Chance Of Survival★★★★☆youtube02
07  One Good Kiss★★★☆☆youtube02
08  G.I.Orange★★☆☆☆ 
09  I Don't Want Your Yesterdays★★★★☆youtube02


■ 講評
今回紹介するアルバム「G.I. Orange」(別タイトル:「Psychic Magic」)は、イギリスのロック/ポップバンドである G.I. Orange が1985年に CBS/Sony Inc. からリリースしたセルフタイトルの1stアルバムである。このアルバムがグループとしてリリースした唯一のアルバムとなっている。

プロデューサーは Robert Plant や David Bowie などとの仕事でも知られるイギリスのミュージックプロデューサー、オーディオエンジニアである Tim Palmer が、また作曲はヴォーカルの Karl Whitworth が担当している。

▼「G.I. Orange」
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▼「G.I. Orange」ジャケット裏面
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元々活動拠点であった日本でリリースしたレコード数がフルアルバム1枚、ミニアルバム1枚、シングル5枚と少なく人気も一過性であったため、1985年当時の LP レコード、コンパクトディスクは全て廃盤となっていたが、2014年12月17日に Vinyl Junkie からアルバム「G.I. Orange」のみリマスターによる再発盤が発売されており、その際収録された #10「Keep That Light」と#11「Better Day」の2曲は、再発盤のみのボーナストラックで新曲となっている。

なお、本作には、1985年にリリースされた3枚のシングル「Fight Away The Lover」(B面:Every Single Day)、「Psychic Magic」(B面:I Don't Want Your Yesterdays)、「One Good Kiss」(B面:Two Hearts Beat Under One Roof)から計5曲が収録されている。

ちなみに当時の LP 盤の帯のキャッチコピーは、「ポップン・ロックの四銃士。見て、聴いて、触れて感じるニューヒーロー from LONDON」であった。言い得て妙ではあるが実に残念なコピーである。

▼「Fight Away The Lover」1stシングル
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▼「Psychic Magic」2ndシングル
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▼「One Good Kiss」3rdシングル
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洋楽に関心のない方は、洋楽シーンにおけるアイドルグループと聞いてもピンと来ないかもしれないが、昔から洋楽シーンにおいてもティーンエイジャーに絶大な人気を誇るアイドル的なグループが存在しており、古いところでは Jackson 5 に始まりワールドワイドに人気を博した The Nolans や Bay City Rollers などがその代表格として挙げられるだろう。近年でも Spice Girls、TLC、One Direction などは典型的なアイドル的グループであるが、洋楽の場合は、ルックスに重点が置かれる日本のアイドルグループと比べて、アーティストとしての資質や実力を必然的に兼ね備えたグループが多いことも特徴と言えるかもしれない。そのため、ここでは敢えて「アイドル的な」と表現させていただくことにする。

そんなアイドル的なグループとして強く印象に残っているのが、今回紹介する G.I. Orange である。

▼ G.I. Orange
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彼らはまさに最初からアイドルとしての立ち居地を想定して鳴り物入りで日本デビューを果たしたイギリスのニューウェイヴ系ロック/ポップバンドである。当時洋楽の販促活動としては異例のテレビコマーシャルが流されるなど、CBS/Sony Inc. が日本限定で積極的に売り出したこともあり、本国イギリスではなく日本で最も成功したという異色のバンドでもある。特に盛んにコマーシャルされた2ndシングル「Psychic Magic」の「サ~イキ~ック、マ~ジッ~ク」というサビメロは、今でも口ずさめるほど強く印象に残っているぐらいだ。

その G.I. Orange は、基本的に当時の UK ロックの潮流であるニューロマンティックの流れを汲むバンドで、その容姿とサウンドも当時の流行に則ったものであったが、ニューロマンティックのメインストリームであった Duran Duran、The Human League、ABC などに比べるとどうしても見劣りしてしまう微妙なルックスと POP ライクでライトな UK ロックといったサウンドの印象がいかにもアイドルチックであったため、当時私の周りのコアな UK ロックフリークの間では、軟弱で軽薄な外タレ的ルーキーバンドと見なされていた。

そうした UK ロック/ポップバンドにもかかわらずいかにもアイドル的な印象が先行したせいもあってか、残念ながら G.I. Orange はデビューアルバムをピークにいつの間にかフェードアウトしてしまう。実際のところはメンバーの目指す方向性の違いによるところが大きかったということらしいが、結果的に1stアルバムの一発屋で終わってしまった G.I. Orange を御存知の方は、ある意味コアな UK ロックファンと言えるかもしれない。

▼ G.I. Orange
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だが、今、改めてそのアルバムを聴き直してみると、これが意外にイケる感じがするのだ。いやいやなかなかの本格的 UK ロックな音を響かせているではないか。また、先入観のせいか当時はほとんど実感できなかったが、その最小限のバンド構成によるサウンドパフォーマンスもまずまずで、Karl Whitworth のヴォーカルも当時言われたほど下手ではない感じだ。

何といっても一番感じ入ったのは、当時は低評価だった POP ライクな軽薄 UK ロックサウンドの持つ不思議なノスタルジー感である。確かに UK ロック特有の重厚感には欠けるため、バリバリの UK ロックを聴き慣れたリスナーには稚拙で物足りなさが残るかもしれないが、その楽曲の持つキャッチーでポップなノリと控えめな故のジェントルさは非常に全方位的で、彼らのルックスも相まって今更ながら青春の甘酸っぱさを思い起こさせるような G.I. Orange のフレッシュな魅力に魅せられてしまったのであった。まあ跡付けではあるが、元々メンバーのうち3兄弟である Whitworth ブラザーズは、裕福な家庭に育ったということであり、そうした育ちの良さもサウンドに表れているのかも知れないが…。

▼ G.I. Orange
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アルバムは、アイドル仕様のアルバムらしくシングルヒット曲を巧みに交えており、そのライト感もあって一気に聴くことができる。特にシングル曲である「Fight Away The Lover」と「Psychic Magic」は、改めてヒット性の高さを感じさせる日本人好みの佳曲であり、若いながらも Karl Whitworth のサウンドメイカーとしての素質を感じさせる楽曲である。

ある意味良くも悪くも「伝説の和製外国人アイドルバンド」となった G.I. Orange であるが、手元にはオリジナル LP 盤しかなく、リマスター盤で加えられたという新曲2曲は残念ながら聴くことはできていない。機会があればぜひ聴いてみたいものである。

▼ G.I. Orange
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G.I. Orange(ジー・アイ・オレンジ)は、イギリスのニューウェイヴ系ロックバンドである。日本では、1983年に洋楽アイドルとして売り出されていた。元々、かねてより日本のレコード会社の洋楽部門は独自のプロモーション戦略から、たびたび日本限定の洋楽アイドルやヒット曲を作り出してきたが、G.I.オレンジもそのような目的で日本デビューが企画され、結果として主に日本を活動の中心とすることになったバンドである。ジャンル的にはいわゆるニューロマンティック路線で、Duran Duran や Kajagoogoo などを好む女子中高生が主なターゲットとされていた。

▼ G.I. Orange
左から Gary Holt、Karl Whitworth、Mark Whitworth、Simon Whitworth
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1983年、Karl Whitworth(Vocal,Guitar)、Mark Whitworth(Keyboard)、Simon Whitworth(Bass)の Whitworth 兄弟と Gary Holt(Drums)によって結成。バンド名は Elvis Presley の1960年のヒット曲「G.I Blues」とオレンジ色に染められたメンバーの髪の色から取られている。

結成から間もなく様々なレコード会社やレーベルに積極的に売り込みをし、イギリスのポップグループ Bucks Fizz やシンガーソングライター David Essex のサポートメンバーとしてツアーにも参加する。イギリスのレーベルと契約するが、シングル1枚をリリースしたのみで契約を終了。

その後、1984年にそのシングルレコードが CBS/Sony Inc. の洋楽 A&R(Artist and Repertoire)であった野中規雄氏の目に留まり、翌年、1985年に同レーベルからリリースした1stシングル「Fight Away The Lover(邦題:「涙でブレイク・アウェイ」)」で日本デビューを果たす。

1985年、Tim Palmer のプロデュースによりセルフタイトルの1stアルバム「G.I. Orange」をリリース。このアルバムは、実業家であった父 David Whitworth が費用を負担して制作されたもので、元々の CBS/Sony Inc. との契約もこの父親が主導したものであったとのことである。その後このアルバムは10万枚を売り上げてゴールドディスクにも認定され、結果的に David Whitworth は原盤権、印税、著作権料で約80万ドルを手にすることになったが、野中規雄氏の Blog によれば、David Whitworth は予想を超える利益配当に相当喜んでいたらしい。ちなみに Whitworth 兄弟の両親である父 David は名うての実業家、母はロイヤルファミリーの流れを汲む名家の出身ということで、実はメンバーたちはお金持ちのお坊ちゃんであったということである。

続く2ndシングル「Psychic Magic」は、当時としては珍しいレコードのテレビ CM をオンエア。また“ときめき・ハート・パーティー”と銘打ち、約1か月にわたり札幌・仙台・千葉・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・岡山・広島・福岡・熊本のレコード店で地道な営業活動を行い、店頭サイン会やキャラクターグッズの頒布など、莫大なプロモーション費用がかけられた。同曲はフジテレビ系列バラエティー番組「夕やけニャンニャン」のテーマ曲として使用されたこともあり、オリコン洋楽シングルチャートで1985年8月19日付から通算5週第1位を獲得するヒットとなり、フジテレビ系列音楽番組「夜のヒットスタジオ」にも衛星中継で出演しており、当時の人気ぶりが窺える。

▼「Honeywood」4thシングル
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その後、1986年のスズキ自動車「フロンテ・ピュア」の CM ソングとなった5thシングル「Take Me To Your Leader」のリリースを最後に、メンバーたちの互いの方向性の相違からそれぞれのソロ活動や他アーティストへのサポート活動などを優先するためバンドは1990年頃に自然消滅する。

▼「Take Me To Your Leader」5thシングル
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ちなみに「Psychic Magic」は1985年に藤谷美和子とのデュエット「愛が生まれた日」や小比類巻かほるへの楽曲提供でも知られる大内義昭(故人)が在籍したデュオ・DU-PLEX が1985年に日本語でカバーしている。

▼「サイキック・マジック」 by DU-PLEX
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2012年頃に公式ホームページを設立し、当時のメンバーが全員集合している写真と共に、再結成ライブと新曲制作予定に関する声明を発表するが、長らく実現できずにいた。なお、この声明において、活動停止後もメンバーたちは、時折連絡は取り合うほどの良好な関係が続いていたことを明かしている。

その数年後の2014年12月17日、長らく廃盤となっていたアルバム「Psychic Magic」の再発盤がリリースされ、2015年1月11日には東京・高円寺 HIGH にてオリジナルメンバーでライブを行っている。

(出典:「G.I.オレンジ」(2016年1月10日 07:13 (UTC)) 『Wikipedia日本語版』他)

▼ 現在の G.I. Orange(今の方が断然カッコいい!!)
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「G.I.オレンジ」を素材として二次利用しています。


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名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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