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2020-05

Van McCoy & The Soul City Symphony 「Disco Baby」

Van McCoy & The Soul City Symphony 「Disco Baby」■ アルバムデータ
タイトル:Disco Baby
アーティスト:Van McCoy & The Soul City Symphony
リリース:1975年
レーベル:Avco Records

アルバム総評価:92


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Disco Baby  ★★★★★  youtube02
02  Fire★★★★☆youtube02
03  The Hustle★★★★★youtube02
04  Get Dancin'★★★★★youtube02
05  Doctor's Orders★★★★★youtube02
06  Turn This Mother Out★★★★★youtube02
07  Shakey Ground★★★☆☆youtube02
08  Spanish Boogie★★★★☆youtube02
09  Pick Up The Pieces★★★★★youtube02
10  Hey Girl, Come And Get It          ★★★★★youtube02


■ 講評
今回紹介するアルバム「Disco Baby」は、アメリカのミュージシャン、レコードプロデューサー、シンガーソングライター、オーケストラコンダクターである Van McCoy が率いる Van McCoy & The Soul City Symphony が1975年に H&L Records の前進である Avco Records からリリースした4thアルバム(ソロ名義を含めて)である。

収録曲ほとんどインストゥルメンタルであり、全10曲を収録している。

アルバム制作には、Gordon Edwards(Bass)、Richard Tee(Piano)、Leroy Leon Pendarvis Jr(Piano)、Van McCoy(Piano)、Eric Gale(Guitar)、Hugh McCracken(Guitar)、Leroy Leon Pendarvis Jr(Clavinet)、George Devens(Percussion)、Arthur Jenkins Jr(Percussion)、Rick Marotta(Drums)、Steve Gadd(Drums)、Ken Birchel(Synthesuzer)らが参加し、1975年に The Billboard 200 第12位、R&B Albums Chart 第1位を記録している。

アルバムタイトルを象徴するセクシーなレコードジャケットのフォトグラフは、Van McCoy の一連のアルバムジャケットや The Stylistics のアルバムジャケットを手掛けたフォトグラファー Si Chi Ko の作品である。

▼「Disco Baby」
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▼「Disco Baby」ジャケット裏面
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▼「Disco Baby」UK盤LPレーベル
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このアルバムは、特にシングルカット曲「The Hustle」のヒットで知られており、「The Hustle」は1975年夏 U.S. Billboard Hot 100 と U.S. Billboard Hot Soul Singles で第1位を獲得するとともに1975年の年間ランキングでも第21位となった。また、Australian Singles Chart 第9位、UK Singles Chart 第3位を記録するなど世界的にもヒットし、アメリカを始め世界中でディスコ・ブームを巻き起こすきっかけとなった楽曲である。

最終的に「The Hustle」は1,000万枚以上を売り上げ、アメリカレコード協会(RIAA:Recording Industry Association of America)からゴールドレコードにも認定されており、現在でもディスコ全盛時代のスタンダードナンバーの一つとして広く知られている。また1976年にはグラミー賞の Best Pop Instrumental Performance 受賞という快挙も成し遂げた。

日本でもオリコン洋楽シングルチャートで1975年8月4日付から19週連続第1位を獲得しており、日本においても70年代のディスコ全盛時代を象徴する楽曲として知られている。

▼「The Hustle」US盤
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▼「The Hustle」US盤(1979年 DiscoMix Ver.)
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▼「The Hustle」France盤
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▼「The Hustle」日本盤
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この「The Hustle」は、Van McCoy が「Disco Baby」制作のためニューヨークに滞在中、音楽パートナーである Charles Kipps がナイトクラブ「Adam's Apple」で The Hustle と称される1970年代に流行した優雅なディスコダンスをパトロンたちが踊るのを観たという話にインスパイアされて作曲した楽曲と言われており、収録はアルバムと同じニューヨークの Media Sound Studio で行われ、Van McCoy(Piano)、Gordon Edwards(Bass)、Steve Gadd(Drums)、 Richard Tee(Keyboard)、Eric Gale、John Tropea(Guitar)ら NY のトップミュージシャンらが参加し、コンサートマスターとしても知られる Gene Orloff がオーケストラリーダーを務めた。プロデュースは Hugo & Luigi の愛称で Elvis Presley のプロデュースでも知られる Hugo Peretti と Luigi Creatore が務め、この楽曲の要でもある特徴的な主旋律の演奏は Hugo Peretti の提案によりピッコロ奏者である Philip Bodner が担当することになった。

ちなみに「The Hustle」の制作に関わったミュージシャンのうち、Gordon Edwards(Bass)、Richard Tee(Keyboard)、Eric Gale(Guitar)、Steve Gadd(Drums)の4人が中心となり、後に6人組のフュージョンバンド「Stuff」を結成することになったことは有名な話である。

▼ Van McCoy
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この「The Hustle」を始めとしてアルバム「Disco Lady」にはこれぞファンクミュージックという非常にディープなファンクが満載されており、そのタイトルどおりオールドディスコファン必聴の定番アルバムとなっている。さすがに40年前に録音されたアルバムということでサウンド的な古めかしさは否めないが、その独特のソウル/ファンク色は決して色褪せることなく、今聴いてもそのディープな空気感は格別と言えるだろう。

中でも #3「The Hustle」は日本でもお馴染みのファンクミュージックのスタンダードナンバーで CM などで使用されることも多い楽曲であり、近年でも中村獅童と松田翔平が出演するサントリー「プロテインウォーター」の CM(細マッチョ軍団 VS ゴリマッチョ軍団)の BGM として使用されており、御記憶の方も多いのではないだろうか。The Soul City Symphony によるホーンとストリングスの演奏が加わることにより、インストゥルメンタルながらまさにオールドディスコサウンドの品格さえ感じさせる上品でドラマティックなダンスミュージックに仕上がっており、この楽曲を聴くたびにそのシンフォニックアレンジがその後のアメリカのテレビドラマ音楽等に非常に大きな影響を与えていることがよく伝わってきて感動すら憶えるほどだ。

アルバム全体としてほとんど歌詞らしい歌詞はないが、各楽曲に挿入される Faith, Hope and Charity のメンバーでもある Albert Bailey と Brenda Hilliard のバックコーラスが絶妙で、単なるインストゥルメンタルアルバムとは明らかに一線を画す個性的な内容となっており、メインヴォーカルなしにこれだけ濃いファンク色を出せるところは、さすがは Van McCoy といったところである。

なお Van McCoy & The Soul City Symphony は、日本では吹奏楽での演奏や高校野球の応援曲、香港では香港の4大音楽賞の一つで香港ラジオテレビ(香港電台)主催の音楽賞「十大中文金曲頒獎音楽会」のテーマ曲として知られる「African Symphony」(オリジナル曲は1974年リリースのアルバム「Love Is The Answer」に収録)の作曲・演奏者でもある。こちらも改めてその優れた音楽性を実感させられる楽曲である。

なお、#9「Pick Up The Pieces」は、以前このブログでも紹介した Average White Band が1974年にリリースした2ndアルバム「AWB」でカヴァーしたことでも知られる楽曲であり、インストゥルメンタルのスタンダードナンバーとして今でもよくスポーツ番組などのBGMで使われているのを聴くことができるが、こちらも Van McCoy を代表するなかなか乙な一曲である。

70年代を飾るディスコミュージックの名盤中の名盤といわれる「Disco Lady」であるが、まさに Van McCoy の最高傑作に相応しい作品である。まだ「Disco Lady」を聴いたことがないのなら、ディスコ黄金時代の先駆けとなったダンスサウンドにぜひ一度浸っていただきたい。

▼ Van McCoy
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Van McCoy(ヴァン・マッコイ、Van Allen Clinton McCoy、1940年1月6日生 - 1979年7月6日没)はアメリカのミュージシャン、音楽プロデューサー、作曲家である。特に1975年に世界的にヒットしたディスコ・ナンバー「The Hustle(邦題:ハッスル)」で知られている。

700曲もの楽曲を世に送り出し、Gladys Knight & the Pips、The Stylistics、Aretha Franklin、Brenda & the Tabulations、David Ruffin、Peaches & Herb、Stacy Lattisaw など数多くの著名アーティストのレコーディングプロデュースとしても知られている。

▼ Van McCoy
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Van McCoy は、Norman S. McCoy, Sr. と Lillian Ray の次男としてワシントンD.C.で生まれる。幼い頃からピアノの学び、Metropolitan Baptist 教会の聖歌隊で歌っていた。

12歳の時から作曲を始め、Roosevelt 高校在学中に兄の Norman Jr. と二人の友人とともに Doo-Wop グループ「The Starlighters」を結成し、地元のアマチュアショーに参加する。

1956年、ダンスミュージック系のシングル「The Birdland」をリリース。このレコードが注目を集め、ドラマーである Vi Burnsides とともにツアーを実施。同年、The Starlighters として End Records から「I Cried」を含む3曲をシングルリリースする。同グループは1950年代半ばに解散。その後 Van McCoy は「The Marylanders」というグループでヴォーカルを務めることとなる。

1961年、近くに住んでいたソウルシンガーの Sandi Sheldon こと Kendra Spotswood と知り合う。その後5年間、共演やレコーディングを通じて愛情を深めるが、 Van McCoy が Columbia Records との契約を理由に二人の結婚式の計画を延期したことで破局を迎える。

▼ Van McCoy
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1958年9月、ワシントンD.C.にある私立のハワード大学に心理学を学ぶため入学するが、フィラデルフィアに活動拠点を移すため2年で退学。こうしてフィラデルフィアで自身のレコード会社「Rockin' Records」を設立し、1959年に1stシングルとなる「Hey Mr. DJ」をリリースする。このシングルが Scepter Records のオーナーである Florence Greenberg の目に留まり、Scepter Records の専属作曲家並びに A&R(Artist and Repertoire:アーティストの発掘・契約・育成とそのアーティストに合った楽曲の発掘・契約・制作を担当)の代表として迎えられる。こうして Van McCoy は1962年に女性ヴォーカルグループである The Shirelles のために彼の最初のヒット作となる「Stop the Music」を作曲する。この楽曲は Billboard Hot 100 第36位を記録した。

その後、Elvis Presle への楽曲提供で知られるアメリカの作曲コンビにしてトッププロデューサーである Jerry Leiber and Mike Stoller と仕事したことにより作曲家としての真価を発揮し、Columbia Records 系列のメジャーレーベルである April-Blackwood Music と作曲家として契約することになる。

さらに1960年代半ばにかけて Share Label を所有するとともに The Maxx Label の共同経営者となり、Gladys Knight & The Pips、Chris Bartley、The Ad Libs など R&B/soul 系アーティストを手掛けるようになる。

また人気ヴォーカルデュオである Peaches & Herb を世に送り出し、1966年には Columbia Records の子会社である Date Records において彼らの最初のヒット曲である「Let's Fall in Love」のアレンジと共同プロデュースを手掛けた。この楽曲は U.S.Billboard Chart 第21位、US R&B Chart 第11位を記録した。

同年、Columbia Records から自身の1stソロ LP「Night Time Is a Lonely Time」をリリースする。また1967年には Philly D.J、Jocko Henderson らとともに 共同経営者として Vando Records と自身のプロダクション会社 VMP(Van McCoy Productions)をスタートさせる。

こうして Van McCoyは、Gladys Knight & the Pips (後に Donny Hathaway でもヒット)の「Giving Up」(1969年)、Chris Bartley の「The Sweetest Thing This Side of Heaven」(1967年)、Ruby & the Romantics の「When You're Young and in Love」、Brenda & the Tabulations の「Right on the Tip of My Tongue」(1971年)、Barbara Lewis の「Baby I'm Yours」(1965年)、Betty Everett の「Getting Mighty Crowded」(1965年)、Erma Franklin の「Abracadabra」、Sandi Sheldon の「You're Gonna Make Me Love You」(1967年)、そして Jackie Wilson の「I Get the Sweetest Feeling」(1968年)など、1960年代を通じて R&B/soul 系アーティストを中心に数々のヒット曲を作曲した。

▼「Night Time Is a Lonely Time」
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1969年にはヴォーカルグループ The Ad Libs の「Giving Up」が Billboard Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 第34位を記録するヒットとなる。1970年代に入ると作曲家でプロデューサーでもある Charles Kipps と長期にわたり高い評価を得る協力関係を維持し、両者でソウルグループである The Stylistics に数々のヒット曲を提供するとともに、1972年には Buddha label からリリースした自身のソロ LP「Soul Improvisations」においても共同でプロデュースを行った。

「Soul Improvisations」からは「Let Me Down Easy」がマイナーヒットを記録したが、貧弱な販促活動のせいもあって商業的には成功しなかった。この後、Van McCoy は自身のオーケストラ「Soul City Symphony」を設立し、ディスコバンド Faith, Hope and Charity とともに何枚ものアルバムをリリースし演奏活動を展開することになる。

その後もソウルグループ The Presidents の「5-10-15-20 (25 Years of Love)」(1970年)、 The Choice Four の「The Finger Pointers」(1974年)、「Come Down to Earth」(1976年)、 Faith, Hope & Charity の「To Each His Own」(1975年)、「So Much Love」(1970年)、David Ruffin の「Walk Away from Love」(1975年)など一連のヒット曲を作曲、プロデュースする。

▼ Van McCoy
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1975年、ほとんどがインストゥルメンタルによる LP「Disco Baby」を Avco label からリリースするが、当初はセールス的にほとんど期待されていなかった。タイトル曲である「Disco Baby」は George David Weiss、Hugo Peretti、Luigi Creatore が作曲、The Stylistics が演奏をした楽曲である。ところが予想に反してアルバムからシングルカットされた「The Hustle」が Billboard Pop and R&B Charts 第1位を獲得、UK Single Chart でも第3位を記録、全世界でレコード売上1,000万枚の大ヒットを記録しグラミー賞の最優秀ポップ・インストゥルメンタル賞を受賞するとともに、アルバム自身もグラミー賞にノミネートされることとなった。

こうして「The Hustle」はアメリカを始め世界中でディスコ・ブームを巻き起こすきっかけとなり、 Van McCoy はディスコミュージックのヒットメーカーとして知られることとなったが、彼自身は自分に与えられたそうした新しくも狭い役割を極端に不快と感じていた。結果的にそれまでのソウル・ファンが離れたことでアメリカ本国では人気に陰りが差し始め、その後は「Party」、「That's the Joint」、「Change with the Times」といった一部の楽曲がラジオでオンエアされることを除き、彼のシングル曲が「The Hustle」のような大ヒットを繰り返すことはなかった。

また「Disco Baby」に続く「From Disco to Love」(1975年)、「The Disco Kid」(1975年)、「The Real McCoy」(1976年)、「Rhythms of the World」(1976年)、「My Favorite Fantasy」(1978年)、「Lonely Dancer」(1979年)、「Sweet Rhythm」(1979年)などの一連のアルバムリリースもディスコ・ブームの波を乗り切ることができずにセールス的にも芳しくなく、「The Hustle」の絶大なる人気を取り戻すことはできなかった。そんな中でも、1977年にはインストゥルメンタル曲である「The Shuffle」をヒットさせ、UK Single Chart で第5位を記録した。

▼ Van McCoy
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その後プロデュース活動に重点を置くようになり、1975年には元 The Temptations の David Ruffin の復帰アルバム「Who I Am」を手掛け、収録曲「Walk Away from Love」は、 Billboard R&B Chart 第1位を記録するヒットとなる。 Van McCoy は David Ruffin の続く2枚のアルバム「Everything's Coming Up Love」と「In My Stride」のプロデュースも手掛け成功に導いた。さらに1977年には Gladys Knight and The Pips の LP「Still Together」、1976年には女性シンガー Melba Moore のシングル「This Is It」、「Lean On Me」をプロデュースするとともに1975年に「To Each His Own」がメジャーヒットした Faith, Hope And Charity を発掘するなど、ソウル/R&B 系アーティストの作品のプロデュースも多く手掛けた。

1979年6月6日、ニュージャージー州 Englewood において心臓発作により39歳の若さで急逝。

(出典:「Van McCoy」(3 June 2016 18:19 UTC) 『Wikipedia英語版』他)

▼ Van McCoy
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Van McCoy」「Disco Baby」を素材として二次利用しています。


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