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2020-05

Average White Band 「Shine」

Average White Band 「Shine」■ アルバムデータ
タイトル:Shine
アーティスト:Average White Band
リリース:1980年5月
レーベル:Arista Records/RCA Records

アルバム総評価:98
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Our Time Has Come  ★★★★★  youtube02
02  For You, For Love★★★★★youtube02
03  Let's Go Round Again★★★★★
youtube02
04  Whatcha' Gonna Do For Me★★★★★youtube02
05  Into The Night★★★★☆youtube02
06  Catch Me (Before I Have To Testify)          ★★★★★youtube02
07  Help Is On The Way★★★★★youtube02
08  If Love Only Lasts For One Night★★★★★youtube02
09  Shine★★★★★youtube02


■ 講評
今回紹介するアルバム「Shine」は、スコットランド出身のファンク・ソウルバンドある Average White Band が1980年に Arista Records / RCA Records からリリースした8thスタジオアルバムである。なお、Average White Band の詳細については2ndアルバム「AWB」の講評を参照していただきたい。

プロデューサーは、1979年リリースの7thアルバム「Feel No Fret」に続いて、以前このブログでも紹介した Airplay のメンバーで AOR の旗手でもある、今では大御所の名音楽プロデューサーの David Foster が務めており、ホーン・ストリングスアレンジにはこの David Foster に加えて、アメリカのトランペット奏者、フリューゲルホーン奏者でホーン・アレンジャー、セッション・ミュージシャンである Jerry Hey、メンバーの Roger Ball(keyboards, saxophone)が参加している。

全曲の作曲を Alan Gorrie(Lead Vocals, Bass)を中心としたメンバーが行っており、#2 には Chicago のメンバーである Bill Champlin が作詞で、#6,#7 には David Foster も作曲家の一人として名を連ねている。

また アフリカ系アメリカ人のシンガーソングライターで Diana Ross、Stevie Wonder、Earth, Wind & Fire らにも楽曲を提供している Brenda Russell がバックヴォーカルとして参加した他、サポートミュージシャンとして Jerry Vinci(Concertmaster)、Frank de Cavo(Contractor [Strings])、Lennie Castro、Paul Lani、Paulhinho da Costa(Percussion)、David Foster(Keyboards)、Ernie Watts、Kim Hutchcroft、Larry Williams(Saxophone, Woodwind)、Bill Reichenbach、Lew McCreary(Trombone)、 Gary Grant、Jerry Hey、Larry Hall(Trumpet, Flugelhorn)らが参加している。

レコーディングはロサンジェルスの Sunset Sound Studios 及び Davlen Sound Studios で、またミキシングは Nova Sound Studios で行われ、エンジニア・ミキシングは Humberto Gatica が担当。アルバムのフォトグラフは Don Miller、Richard Noble が担当している。

▼「Shine」
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▼「Shine」ジャケット裏面
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▼「Shine」インナーシート
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▼「Shine」LP盤ラベル(UK盤)
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アルバムは UK Albums Chart 第14位、U.S.Billboard Top 200 第116位、R&B Albums Chart 第38位を記録している。

またアルバムからは「Let's Go Round Again」、「For You, for Love」、「Into the Night」の3曲がシングルカットされ、「Let's Go Round Again」(UK盤 B面:「Let's Go Round Again PartⅡ」、US盤 B面:「Help Is on the Way」)は UK Shingle Charts 第12位、US Billboard Hot 100 第53位、The Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 第33位を、また「For You, for Love」(UK盤 B面:「Help Is on the Way」、US盤 B面:「Whatcha Gonna Do for Me」)は UK Shingle Charts 第46位、The Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 第60位を記録している。「Into the Night」(B面:「Catch Me (Before I Have to Testify)」)はランク外であった。なお、前2枚のシングルは UK では RCA Records、US では Arista Records からリリースされ、「Into the Night」は US のみで Arista Records からリリースされている。

この結果が示すとおり、総じてグループ出身地であるイギリスではまずまずの評価を受けたが、アメリカでの評価はいま一つに終わっている。

▼「Let's Go Round Again」UK盤
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▼「Let's Go Round Again」France盤
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▼「Let's Go Round Again」Germany盤
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▼「Let's Go Round Again」日本盤
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なお、グループメンバーである Hamish Stuart とアメリカのシンガーソングライター、ギタリストとして知られる Ned Doheny の作曲による#3「Whatcha' Gonna Do For Me」は、1981年に Chaka Khan がカヴァー(3rdソロアルバム「Whatcha' Gonna Do For Me」からのシングルカット)して U.S.Billboard The Hot R&B/Hip-Hop Songs Chart 2週連続第1位を獲得、Billboard Hot 100 第53位を記録したことでも知られる楽曲である。

▼ アルバム「Whatcha' Gonna Do For Me」by Chaka Khan
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▼ シングル「Whatcha' Gonna Do For Me」UK盤
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▼ シングル「Whatcha' Gonna Do For Me」Netherlands盤
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数ある Average White Band のアルバムの中でも一押しなのが、今回紹介するグループ8枚目のアルバム「Shine」である。

このアルバムがリリースされた1980年当時は、Earth, Wind and Fire のようにブラスセッションを活かした乗りのいいディスコミュージックが全盛の時代であったが、この「Shine」もグループが元来持っていたファンクなグルーヴ感を僅かに残しつつも、当時流行の非常にダンサブルでディスコティックなアルバムに仕上がっており、聴き様によってはポップテイストな AOR やスムースジャズのようにも感じられる、それまでの Average White Band にはない非常にスタイリッシュでメロディアスな楽曲を多く収録したアルバムとなっている。

以前このブログでも紹介したグループ初期を代表する2ndアルバム「AWB」と比べてもその趣きを大きく異にしており、加えてこのアルバムの前後にリリースされた7thアルバム「Feel No Fret」、9thアルバム「Cupid's in Fashion」と聴き比べると、このアルバムを境に Average White Band のサウンド指向が、コアなファンクサウンドからポップテイストな R&B サウンドへと大きく舵を切ったことがよく分かる。それほどこのアルバムにおけるサウンドの変化は「劇的」なものとなっている。

こうしたサウンド指向の転換の鍵は、この「Shine」がグループの人気とレコードの売上げが伸び悩む中でリリースされたアルバムということにありそうだ。というのも、チャート的に低迷が続く厳しい状況に置かれたグループが、当時の時流に乗ったサウンドを意識してこのアルバムを制作したとしても何ら不思議ではなく、特にこのアルバムのプロデュースを AOR の旗手にして1979年にはちょうど Earth, Wind and Fire の超名盤「I Am」を手掛けていた人気プロデューサー David Foster に任せたことからも、グループのこのアルバムに賭ける意気込みとコンセプトが窺えるからである。

▼ David Foster
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ただ、元々 Average White Band 自体、ファンクミュージックを得意しながらもそのメロディメーカーとしての力量に定評があったことから、「Shine」のサウンド感も決して意外なものではなく、ファンであればその才能を改めて実感できるサウンドの変化として前向きかつ好意的に捉えたいところでもある。

だが、あくまでファンクな Average White Band を愛する当時のファンには、この劇的な変化は受け入れがたかったようで、結果的に「Shine」はアメリカではほとんどヒットせず、チャート的にも惨敗に終わってしまった。とはいえこの「Shine」が Average White Band サウンドの新たな可能性と方向性を世に示したメルクマーク的なアルバムであることは間違いない。

そんなチャート的には不発に終わったアルバム「Shine」であったが、唯一の光明はアルバムからのシングルカット曲「Let's Go Round Again」が、グループを代表する名曲になったことであろう。「Let's Go Round Again」は、グループとして起死回生を狙ったチャート・イン・オーラ全開のアッパーチューンであったが、蓋を開けてみると出身地であるイギリスの UK Singles Chart では第12位と健闘したものの、U.S.Billboard Hot 100 では第53位と振るわなかった。一方でこの楽曲は、現在でも80年代のディスコミュージックを特集したコンピレーションアルバムに必ずと言っていいほど収録されるグループを代表する名曲となっており、ヒットチャート云々よりこの事実こそがアルバムに込めたグループの思いが最高の形で結実した証しと言えるのではないかと感じる。

この「Let's Go Round Again」を始め、「Shine」はキーボードアレンジやコーラスアレンジなどアルバムの端々にプロデューサーである David Foster の手腕が前作「Feel No Fret」以上に発揮されたアルバムとなっており、David Foster 独特の煌びやかで艶のあるサウンドを好むか好まざるかによってアルバムの印象も大きく変わってくるかもしれない。ただ、アルバムの印象を決定付ける冒頭の「Our Time Has Come」、「For You, For Love」、「Let's Go Round Again」の3曲の選曲やラストのアルバムタイトル曲「Shine」の配曲など、さすがは David Foster と感じさせるアルバムメイキングとなっており、少なくとも David Foster ファンにとっては琴線に触れるアルバムとなっているに違いない。

なお、残念ながら Average White Band は「Shine」リリースから3年後の1983年に解散(後に再結成)に至っており、ヒットメーカーである David Foster をもってしても、その人気の衰退に歯止めをかけることはできなかったようである。「Shine」は個人的に一押しのアルバムだけに、仮にこのアルバムが当時アメリカでヒットしていたなら、Average White Band の運命も大きく変わっていただろうと思うと実に残念である。

ちなみに Average White Band はメンバー交代が多いバンドとしても知られているが、このアルバム制作時の構成メンバーは次のとおりである。

・Alan Gorrie(lead vocals, background vocals, bass, guitar)(写真:右)
・Hamish Stuart(lead vocals, background vocals, lead guitar, bass)(写真:左)
・Roger Ball(keyboards, saxophone)(写真:左から三人目)
・Malcolm (Molly) Duncan(tenor saxophone)(写真:右から三人目)
・Onnie McIntyre(guitars, vocals)(写真:左から二人目)
・Steve Ferrone(drummer)(写真:右から二人目)

▼ Average White Band のメンバー(1980年当時)
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■ アルバムリリースノート
前作に続いてデヴィッド・フォスターを起用。チャカ・カーンでヒットした「ホワッチャ・ゴナ・ドゥ・フォー・ミー」のセルフ・カヴァーやエアプレイを思わせるような「アワ・タイム・ハズ・カム」、DISCO 大定番「レッツ・ゴー・ラウンド・アゲイ ン」などを収録したライト・メロウな人気盤。- Amazon

▼ Average White Band
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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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