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2020-05

大沢誉志幸 「Scoop」

大沢誉志幸 「Scoop」■ アルバムデータ
タイトル:Scoop
アーティスト:大沢誉志幸
リリース:1984年2月25日
レーベル:EPICソニー

アルバム総評価:94


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Scoop  ★★★★☆  youtube02
02  スロウダンス★★★★★ 
03  午前2時を過ぎたら★★★★★ 
04  I loved you…★★★★★
youtube02
05  ハートブレイク・ノイローゼ★★★★★youtube02
06  ジュークボックスは傷ついてる          ★★★★★ 
07  Ring Ring★★★★☆ 
08  ゲームを教えて★★★★☆ 
09  ビリーの災難★★★★★ 
10  CAB DRIVER★★★★★youtube02



■ 講評
今回紹介するアルバム「Scoop」は、シンガーソングライターである 大沢誉志幸(2000年以降は「大澤誉志幸」に改名)が1984年に EPIC ソニーからリリースした2ndスタジオアルバムである。大沢誉志幸 がヴォーカル以外にコーラス、コーラスアレンジも務めたこのアルバムは、大沢誉志幸 の音楽性を固めていく上で活動初期の重要な作品として位置付けられている。

プロデューサーとして 木崎賢治、小林和之 が、またエンジニアとして 飯泉俊之 が参加。大沢誉志幸 本人が全曲を作曲し、松田聖子 の「青い珊瑚礁」、「チェリーブラッサム」、「夏の扉」、佐野元春 の「アンジェリーナ」、大江千里 の「RAIN」、「格好悪いふられ方」などの数多くのヒット曲の編曲でも知られる 大村雅朗 と 大沢誉志幸 のコンビで編曲を行っている。なお 大村雅朗 は、1997年肺不全のため46歳の若さで逝去している。

1stアルバム「まずいリズムでベルが鳴る」に続き、当時まだ無名であった女性作詞家・作家の 銀色夏生 が全曲を作詞。サポートミュージシャンには、柴山和彦(guitars)、白井良明(guitars)、後藤次利(bass)、吉田建(bass)、村上秀一(drums)、大村雅朗(keyboards)、PECKER(percussion)、矢口博康(sax)、RAJI(chorus)、松武秀樹(computer programming)など当時第一線で活躍中の豪華ミュージシャンが参加している。

なお本作からは、1984年1月21日に「ハートブレイク・ノイローゼ」(B面「ゲームを教えて」)がアルバムに先行してシングルリリースされているが、大沢誉志幸 の楽曲にはリカットシングル(アルバムリリース後のシングルカット)が比較的多く、「ハートブレイク・ノイローゼ」は、どちらかと言えば例外的な存在となっている。

▼「Scoop」
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▼「ハートブレイク・ノイローゼ」
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大沢誉志幸 は、80年代から90年代の J-POP シーンを代表するシンガーソングライターである。

自身がヴォーカルとギターを務めたロックバンド「クラウディ・スカイ」を1981年に解散し、音楽修行のため単身渡米。帰国後、沢田研二 や 中森明菜 らに楽曲提供するなど早くから作曲家としての才能を開花させ、1983年にシングル「彼女には判らない」でソロデビューを果たす。同年1stアルバム「まずいリズムでベルが鳴る」をリリースし、そのハスキーヴォイスを生かした洗練された楽曲を携えて、ソロ活動を展開。本作は、その 大沢誉志幸 による1984年リリースの2ndアルバムである。

大沢誉志幸 の音楽については、元来、Bob Dylan や Otis Redding などからの影響を受けたハスキーなボーカル、R&B やソウルミュージックを巧みに取り入れたスタイリッシュなロックサウンドを基調としており、特に初期の楽曲はロックサウンドを前面に打ち出した楽曲が多いとされているが、個人的には、デビューアルバム「まずいリズムでベルが鳴る」以降の主にエピック在籍時代の1980年代のサウンドは、当時勢いのあったニューロマンティックに代表される UK ロックを意識したサウンドといった印象が強く、そうしたサウンド指向は、本人がプロデュースを手掛けた 吉川晃司 の楽曲などにも顕著に見て取れると感じる。

大沢誉志幸 が活躍した1980年代は、時代がバブル景気に向かう中で、日本のミュージックシーンにおいても Duran Duran、Spandau Ballet、The Human League といったイギリスのニューロマンティック・ムーヴメントの影響を受けたミュージシャンが登場して、後のビジュアル系ロックブームの礎を築いた時代であり、大沢誉志幸 がサウンドメイキングにおいてその影響を受けたとしても決して不思議ではない状況にあった。

当時の 大沢誉志幸 は、170cm というスリムな長身とビシッとキメたヘアスタイルにトレードマークの DC ブランドスーツで身を固めた、見た目にも時代の最先端をいく洗練されたミュージシャンといった印象が強く、体でリズムを取るダンサブルな歌い方も当時の流行を踏襲しており、まさに80年代、90年代のニューロマンティックのスタイルを強く意識させるミュージシャンであった。

なお、大沢誉志幸 自身は、TV 番組にも積極的に出演して CM ソングを連発するなど幅広く活躍していたものの、時代の趨勢かやがて一時期の勢いを失う中で、必然的にその音楽の方向性を変えていくことになる。

ただ 大沢誉志幸 の場合、沢田研二 の「おまえにチェックイン」や 中森明菜 の「1/2の神話」など、他のアーティストへ楽曲提供で培われたサウンドクリエーターとしての抜群のセンスにより、サウンド指向を変えながらも多くのアルバムをリリースし続けており、現在も現役ミュージシャンとして音楽活動を継続している。

そうしたメロディメイカーとしての才能は、ソロアルバムの中でも存分に発揮されており、UK ロックや R&B の影響を受けながらも高いオリジナリティを誇るそのシンガーソングライターとしてのずば抜けた音楽センスは、30年以上経った今聴き直しても改めてその音楽性の高さを実感できるほどである。

▼ 大沢誉志幸
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今回紹介するアルバム「Scoop」は、そんな 大沢誉志幸 のデビュー後2作目となるスタジオアルバムであるが、活動初期のアルバムということもあって巷では代表作というより発展期の一作品という位置付けのアルバムとして捉えられているようで、その評価は必ずしも芳しいものではない。

だが、個人的には大沢サウンドの真髄は、活動初期の作品の中にこそあると思っており、中でも「Scoop」は、それ以降にリリースされた CM ソング等歌謡曲的な要素を持ったヒット曲を収録した「こなれたアルバム」にはない、アルバムタイトルからして大沢サウンドの持つ媚びることのない反骨的な空気感を体現した象徴的な作品であると感じている。

そんな個人的に一押しのアルバム「Scoop」であるが、大沢誉志幸 の場合、作曲は全て大沢本人が行い、作詞は他の作詞家が担当することが多い中、「Scoop」においても当時まだ無名であった作詞家・作家である 銀色夏生 を起用するとともに、編曲には 松田聖子 や 佐野元春 の楽曲の編曲で知られた 大村雅朗 を迎えており、「Scoop」の完成度の高さは、まさにこうした才能溢れるクリエーターたちのサポートの賜物とも言えるだろう。

加えて当時 UK ロックでもさかんに取り入れられていたシンセサイザーも積極的に導入されており、そのエレクトリックなサウンドが、よりニューロマンティック色を濃くしているようだ。このあたりはコンピュータプログラミングを担当した 松武秀樹 の技量によるところが大きいと思われるが、全体にリバーブレーションが効いたサウンドがアルバムにより深みを与えており、ポップテイストなロックミュージックでありながらアンダートーンでグルーヴィーな独特の雰囲気を漂わせている。こうしたサウンド指向は3rdアルバム「CONFUSION」まで継続され、大ヒットシングル「そして僕は途方にくれる」を最後に PINK のメンバーを迎えたデジタルファンク路線へ移行することになるわけだが、その意味でもやはり「Scoop」のサウンドは、大沢のディスコグラフィーにおいて非常に象徴的な作品と言えるのではないだろうか。

また、そうした独特の雰囲気のサウンドにファルセットを使わない全て大沢自身の地声による硬質なコーラスワークやスキャットを重ね合わせることで、比類なき大沢ワールドを構築しており、ニューロマンティック好きにとって実に琴線に触れる作品となっている。

▼ 大沢誉志幸
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アルバム収録曲は全10曲であり、ハイテンションロック「ジュークボックスは傷ついてる」からスローバラッド「CAB DRIVER」まで非常にバラエティーに富んだ楽曲が揃っており、いずれも 大沢誉志幸 の個性が溢れた楽曲となっている。

中でも特にお薦めなのが、バラッドの名曲「CAB DRIVER」である。深い深淵を感じさせるようなリバーブレーションが効いたクールなサウンドと、その中に引き込むような 大沢誉志幸 の枯れた歌声。まさにアダルトコンテンポラリーな 大沢誉志幸 を代表するバラッドである。「TAXI DRIVER」と言わずに「CAB DRIVER」と言うあたりにアメリカで過ごした大沢のこだわりが感じられるようで面白い。

デビューアルバムを超える作品を作り出すことは至難の業だとよく言われるが、大沢誉志幸 の場合、その言葉は当てはまらないようである。「Scoop」以降の 大沢誉志幸 の作品ももちろん素晴らしいが、原石のような渋い輝きを放つ2ndアルバム「Scoop」は、間違いなく UK ロックテイストな初期の 大沢誉志幸 を代表する名アルバムである。ぜひお薦めしたい名盤だ。

▼ 大沢誉志幸
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大澤誉志幸(おおさわ よしゆき、1957年10月3日生)は、日本の歌手、作曲家、音楽プロデューサーである。本名同じ。東京都杉並区高円寺出身。駒澤大学卒業。1999年(平成11年)までは 大沢誉志幸(読みは同じ)名義で活動していた。

中学生の頃から兄がグループサウンズを聴いていた事から音楽に興味を持ち、Bob Dylan・Otis Redding などを聴き始め、高校の学園祭でバンドを結成して音楽活動を始める。

駒澤大学在学中、初期はブルーグラスをやっていたが、のちに R&B に傾倒。大学3年の1978年(昭和53年)にロックバンド「クラウディ・スカイ」を結成(大沢はヴォーカル、ギター担当)。

卒業後の1981年(昭和56年)4月にビクターからレコード・デビューするが、ヒット曲を出す事も出来ずバンドの方向性を巡って他のバンドメンバーとトラブルになった事から、アルバム1枚(『明日はきっとハレルヤ』)とシングル2枚(「悲しきコケコッコ」「私は蝉になりたい」)を残すのみで同年末に解散。

バンド解散直後の1982年1月、大沢は印税を前借りしてその金で単身渡米する。ニューヨークのクリストファー・ストリート近辺のロフトで約1年間過ごし、他のアーティスト(特にアイドル歌謡曲)へのプロデュース及び楽曲提供の傍ら、ジャズクラブや美術館に入り浸る日々を送っていた。

帰国後、エピックのディレクターに才能を見出され、ミュージシャン契約を結び、当時のロック・ミュージシャンとしてはかなり珍しいタイプで「アイドルへの積極的楽曲提供とプロデュース」で一躍売れっ子作曲家として注目を浴びる。沢田研二、中森明菜、山下久美子、吉川晃司 らへの楽曲提供活動と並行しながらソロ活動を始め、1983年(昭和58年)6月22日に「大沢誉志幸」名義でシングル「彼女には判らない」、アルバム「まずいリズムでベルが鳴る」で Epic sony よりソロデビュー。

1980年代は作詞家の 銀色夏生 とタッグを組み、「そして僕は途方に暮れる」、「恋にjust can't wait」、「ゴーゴーヘブン」などのシングルヒット、アルバム「Serious Barbarian」のシリーズ三部作やオムニバスアルバム「Dance to Christmas」の企画などで、佐野元春、TM NETWORK、渡辺美里、大江千里 等と並びエピック黄金時代の稼ぎ頭として活躍していた。

ソロ・アルバムを数多く発表する傍ら、吉川晃司、アンルイス を始めとする数多くのアーティストへ楽曲を提供。 鈴木雅之、本木雅弘 等のプロデュースや バブルガム・ブラザース、杏子、鈴木聖美 等を集めてのクリスマスアルバムの企画&プロデュースも行う等、その活動の幅は多岐に渡る。

1989年(平成元年)の「STOP&ギミーラヴ」前後から、音楽性がスタイリッシュな AOR サウンドへと移行し始め、1995年(平成7年)にワーナーレコーズに移籍すると「Love Healing」、「Loveduce」、「Love Life」の「LOVE3部作」を発表した。

1998年(平成10年)末にレーベルの枠を越えた2枚組ベストアルバム「ID Y BEST COLLECTION」を発表した後、1999年(平成11年)3月5日、「悦楽の15年 最後のシャウト」(東京国際フォーラム ホールC)を以って、大沢誉志幸 としての歌手活動を終了、その後数年間は作曲家やプロデューサー活動に専念する。

2002年(平成14年)にボサノヴァ等のブラジル音楽を基調にしたサウンドを打ち出し、「大沢誉志幸」から「大澤誉志幸」に改名して二年半の充電期間を経て歌手復帰。ジャンルを越えた多様な編成(ソロ弾き語り、DJやバンド・スタイル)で、大澤流クロス・オーバー・ミュージック(BOSSA NOVA /ROUGE/JAZZ/ROCK/RHYTHM AND BLUES)をシリーズ化したライブ活動をほぼ3か月タームで展開する傍ら、CM や新人女性ヴォーカリストのプロデュースを手掛ける。

2003年(平成15年)には古巣のエピック25周年記念のイベント「LIVE EPIC 25」にも出演し、ソロデビュー20周年盤「Y」をエピックから発表した。

2004年(平成16年)からは自身のレーベル SORTE に腰を据え、「Favorite」を軸にした活動を行っている。

2011年(平成23年)にはフジテレビ系列「僕らの音楽」に出演し吉川晃司とのツインボーカルで「LA VIE EN ROSE」(実際は「LA VIE EN ROSE 2011」)を披露し、のちに吉川のベストアルバム「SINGLES+」に収録される。また FNS 歌謡祭にも出演し、同曲と「そして僕は途方に暮れる」を吉川とのツインボーカルで披露した。

2012年(平成24年)、デビュー・アルバムのタイトル曲となった「明日はきっとハレルヤ」を再演したミニアルバム「明日はきっとハレルヤ」をリリース。「一度きりの人生をいかに楽しく過ごすか」というテーマのもと、アコースティックツアーである「大澤誉志幸& DIE の渡り鳥ツアー」を全国12箇所で実施。

2014年(平成26年)2月から「大澤誉志幸の渡り鳥ツアー2014」を全国で展開中。山下久美子とのコラボレーションアルバム「& Friends 2」を5月21日にリリース。現在も精力的に活動中。

(出典:「大澤誉志幸」(2015年10月26日 07:42 UTC) 『Wikipedia日本語版』他)

▼ 近年の大沢誉志幸
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■ アルバムリリースノート
大沢誉志幸のセカンド・アルバム。シャウティング・スタイルに合った声質をしている大沢が歌うスロー・ナンバー「アイ・ラヴド・ユー」は,しっかりと聞かせる。リズムを強調したタイトなエレクトロ・ポップス・サウンドとヴォーカルとがかみ合っている。- CDジャーナル

▼ 大沢誉志幸
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表された Wikipedia の項目「大澤誉志幸」を素材として二次利用しています。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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