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2020-05

久保田利伸 「SHAKE IT PARADISE」

久保田利伸 「SHAKE IT PARADISE」■ アルバムデータ
タイトル:SHAKE IT PARADISE
アーティスト:久保田利伸
リリース:1986年9月10日
レーベル:Sony/CBS Records

アルバム総評価:95
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  流星のサドル  ★★★★★  youtube02
02  Olympicは火の車★★★★★youtube02
03  Shake it Paradise★★★★★youtube02
04  Missing★★★★★youtube02
05  失意のダウンタウン★★★★★youtube02
06  To The Party★★★★☆ 
07  もうひとりの君を残して          ★★★★★ 
08  Somebody's Sorrow★★★☆☆ 
09  Dedicate (To M.E.)★★★★★youtube02
10  Inside カーニバル★★★★★ 
11  For You~伝えきれなくて★★★★★ 


■ 講評
今回紹介するアルバム「SHAKE IT PARADISE」は、久保田利伸が1986年に Sony/CBS Records からリリースした1stスタジオアルバムである。

オリコン週間アルバムチャートに7週連続チャートインし、最高第22位を記録。100万枚以上を売り上げるヒットとなった。

プロデュースは、稲葉竜文(女子十二楽坊のプロデュースで有名)、石谷仁が担当。アートワーク(Art Direction & Design)は、アルバムジャケットを多く手掛ける Akio Nimbari によるものである。

収録曲は全11曲で、うち4曲(#2,#3,#6,#10)が久保田利伸と後にツアーバンド「久保田利伸 & Mother Earth」のメンバーとして久保田利伸のコンサートには欠かせない存在となるギタリスト、作曲家である羽田一郎との共作、残りの7曲が久保田利伸作曲となっている。ちなみに久保田利伸の1988年の大ヒット曲「You were mine」(CX系ドラマ「君の瞳をタイホする!」主題歌)も羽田一郎との共作である。

作詞は、4曲(#2,#3,#4,#9)が久保田利伸本人、残りの7曲が渡辺美里の「My Revolution」の作詞でも知られる作詞家川村真澄による作詞となっている。なお、川村真澄はこのアルバム以降も久保田利伸の1980年代のメインライターを務めることとなる。

編曲は、現在も日本のニューミュージックシーンのメインストリームとして活躍するアレンジャーの武部聡志(#1,#9)、杉山卓夫(#2,#4,#6,#7,#8,#11)、中村哲(#5,#10)らが担当するとともに、シンセサイザー等によるサポートミュージシャンとしても参加している。またコーラスには、ツアー帯同のソウルフルな女声コーラスグループ「THE AMOZONS」(大滝裕子、斉藤久美、吉川智子)が参加している。

(出典:「Shake It Paradise」(8 December 2013 20:12 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼「SHAKE IT PARADISE」ジャケット
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▼「SHAKE IT PARADISE」ジャケット裏面
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当時既にコンテスト等で高い評価を得ていた HOTTENTOTS のヴォーカルとしてその歌唱力とメロディメイクが業界で注目されていた久保田利伸は、1985年からアイドルへの楽曲提供という形で活動を始め、田原俊彦の「It's BAD」の斬新なアプローチなどが話題となり、翌1986年にシングル「失意のダウンタウン」で待望のソロデビューを果たす。

その久保田利伸がブラックコンテンポラリーを基軸にしたよく伸びる歌唱とラップとフェイクを織り交ぜた言葉のリズムを音に乗せる類稀なセンス、安定感とデジタル要素を取り入れた粋のいいファンクサウンドを存分に披露したアルバムが「SHAKE IT PARADISE」である。

全体として80年代中期特有のデジタルシンセサイザー全盛の切れのあるサウンドに乗ったファンキーポップな楽曲が多いが、現在のような久保田利伸特有の「濃さ」はなく初々しさが印象に残るサウンドとなっており、Fake & Rap を取り込んだ日本人離れしたヴォーカルで、それまでの JPOP にはないリズム感とバランス感覚が際立つ作品となっている。

アルバムには1986年6月21日にリリースされたデビューシングル「失意のダウンタウン」、1986年12月21日にリリースされた2ndシングル「TIMEシャワーに射たれて・・・」のB面「流星のサドル」(ただしシングル盤は Dub Version)が収録されている。「失意のダウンタウン」はオリコン週間シングルチャート第53位とアルバム収録曲の「流星のサドル」や「Missing」が世間の注目を集めたのに対してその評価が低く、その後発売されたベストアルバム等には未収録の状態が続いている。一方「Missing」は、今も中島美嘉、中西保志、ATSUSHI など数多くのアーティストによってカヴァーされる久保田利伸を代表するバラッド曲である。

▼「失意のダウンタウン」1stシングル
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▼「TIMEシャワーに射たれて・・・」2ndシングル
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今日の日本の R&B シーンに多大なる影響を与えた日本人アーティストといって真っ先に思い浮かぶのが、今回紹介した久保田利伸と宇多田ヒカルの二人である。

宇多田ヒカルは、言わずと知れた日本のミュージックシーンに R&B を浸透・定着させた立役者であるが、一方の久保田利伸は、R&B というジャンルの音楽を当時の「歌謡曲世代」に広く知らしめるきっかけを作ったシンガーと言えるだろう。

まだ R&B/Funk は洋楽固有のジャンルであるといった固定観念に捕らわれていた時代に、日本人離れしたバタ臭いルックスとソウルフルな歌声で R&B/Funk ミュージックを歌いこなす久保田利伸の姿は衝撃的ですらあり、それまでにない音楽スタイルによるデビューアルバムは、当時の日本のサウンドシーンでも「圧倒的ヴォーカル力と抜群のリズム感で衝撃を与えた新時代を告げるブラック系ヴォーカリストのデビュー盤」としてかなり話題になったと記憶している。

一方で、宇多田ヒカルと久保田利伸のいずれもが、当時本場アメリカの R&B に引けを取らない本格派 R&B シンガーの登場と評されたものの、抜群の英語力を活かしてアメリカでも CD デビューを果たした宇多田ヒカルしかり、後にアメリカに活動拠点を移して本格的に音楽活動を展開した久保田利伸でさえも、残念ながら R&B/Funk の本場で成功を収めるまでには至らなかった。

これはあくまで私見ではあるが、それは彼らの音楽が、純然なブラックミュージックたる R&B/Funk ではなく、ジャパニーズ R&B/Funk であるということに大きく起因していると感じる。宇多田ヒカルや久保田利伸の音楽は、言うなれば R&B/Funk 系 JPOP でありブラックミュージックたる R&B/Funk とは別物なのである。曖昧だが両者の間に確実に存在するこうした「ギャップ」は、R&B/Funk ミュージックが日常に溢れている今なら当時より一層明確に感じられるのではないだろうか。その意味であくまで本場の R&B/Funk にこだわった久保田利伸がアメリカで成功を収めることができなかったことは、致し方なかったのかもしれない。

ただ、それは決して悲観すべきことではない。なぜなら R&B/Funk は理屈ではなくもっと根源的な意味において「ブラックの、ブラックによる、ブラックのための音楽」だからである。ホワイトアメリカンでさえ R&B/Funk ミュージックで成功を収めることが困難な状況においてアジアンならなおさらであろう。

確かに R&B/Funk の本場アメリカで成功を収めることができなかったことは残念ではある。だが、彼らの存在があってこそ日本独自の進化を遂げた現在の Japanese R&B/Funk ミュージックという新たな音楽ジャンルが確立されたのであり、宇多田ヒカルと久保田利伸は、まさにその礎を築いたアーティストに他ならないのである。

▼ 久保田利伸
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そんな日本のミュージックシーンに R&B/Funk という新たなジャンルを創設するさきがけとなった久保田利伸のアルバムが、この「SHAKE IT PARADISE」である。

デジタルシンセサイザー全盛の時代を感じさせるサウンドではあるものの、リリースから30年近くが経過したとは思えないほど UP TO DATE なメロディとリズムで、今でも鳥肌が立つほど刺激的なアルバムである。

また、まだ初々しさが残るこなれていない歌声ではあるが、収録曲から滲み出る独特のフィーリングは、荒削りながら間違いなく久保田利伸のそれであり、さながら磨きのかかる前のダイヤの原石といった趣きのサウンドとなっている。

中でもファンキーポップな「流星のサドル」、ハイパーテンションな「Olympicは火の車」、ドライブ感溢れる「失意のダウンタウン」は、久保田利伸の作品の中でも特にお気に入りの楽曲である。今改めて聴くとかなり歌謡曲っぽさを残したポップなサウンドであるが、このアルバムが本格的な R&B/Funk ミュージックアルバムと評価されていたことを考えると、当時の日本のミュージックシーンにおいて R&B/Funk という音楽がいかに縁遠かったかが分かるのではないだろうか。

だが、そうしたギャップ感を払拭するほどこのアルバムの出来栄えは久保田利伸の作品の中でも別格だと感じずにはいられない。それはデビューアルバムが持つ独特な充実感に加え、新たな時代の到来を予感させるサウンドのエネルギッシュな斬新さを感じることができるからである。

「SHAKE IT PARADISE」は、それほど完成度の高い Japanese R&B/Funk ミュージックにとってエポックメイキング的なアルバムなのである。

▼ 久保田利伸
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久保田利伸(1962年7月24日生、静岡県庵原郡蒲原町(現・静岡市清水区)出身)は、日本のシンガーソングライター、音楽プロデューサーである。外国人のような風貌であるが生粋の日本人で実家は青果店を営んでいる。

久保田利伸の作品はテレビドラマへの起用が多く、特にフジテレビ系列への起用が目立っている。

デビュー当時には日本ではまだ市民権を得ていなかったブラックミュージックを浸透させるのに一役買った功績は大きく、現在も国内外で R&B シンガーとして活動している。ヴォーカルスタイル、リズム感、ソングライティング等の部分でブラックミュージックに大きく影響を受け、又それを自身の音楽性に取り入れ、さらにセールス的にも大成功を収めたのは、久保田利伸以前にはいなかったと言っても過言ではなく、そのことから「ブラック・ミュージックのパイオニア」とも称されている。また、2013年7月に小林克也のラジオにゲスト出演した際、自身の音楽の原点は中学から高校時代にかけて毎日聴いていたスティーヴィー・ワンダーで、現在でもリスペクトしていると語っている。

静岡県立静岡商業高等学校卒業後、駒澤大学に進学。在学中に軽音楽部ロック研究会に属し、1981年にそこで出会った羽田一郎とアマチュアバンド「HOTTENTOTS」を結成。

1982年、ヤマハ主催のコンテスト「EAST WEST '82」に出演し、ベスト・ボーカリスト賞を受賞。

1985年、大学卒業後、音楽プロデューサーとしてキティミュージックとの作家契約で音楽業界に入り、1980年代には20代前半という若さで多くの歌手、アイドルに楽曲提供する。主な提供相手には、田原俊彦、中山美穂、小泉今日子、鈴木雅之、GWINKO、荻野目洋子、芳本美代子、小山水城、とんねるず、バブルガムブラザーズなどがいる。特に田原俊彦には1985年から1993年までの間に多くの楽曲を提供。1990年代に入ってからも、清水美恵、西田ひかる、森高千里、TOKIO、高橋真梨子などに楽曲を提供し、ここ数年にも CHEMISTRY、MISIA、ISSA、山田優などに提供している。

1984年、ジャズ・ラテンミュージシャンの松岡直也のアルバム「LONG FOR THE EAST」収録曲「The Latin Man」に作詞・ゲストボーカルとして参加。(全詞英語。コーラスは楠瀬誠志郎。)

1985年、アマチュアながら音楽業界の注目を浴び、TBSラジオ「SURF&SNOW」のサウンドステッカー制作を担当する。

1986年、1stシングル「失意のダウンタウン」でメジャーデビュー。同年9月には1stアルバム「SHAKE IT PARADISE」、12月には2ndシングル「TIMEシャワーに射たれて」をリリース。

1987年、4thシングル「CRY ON YOUR SMILE」でシングルチャート最高8位を記録し、ブレイク。

1988年、5thシングル「You Were Mine」がフジテレビ系ドラマ(月9枠)「君の瞳をタイホする!」の主題歌となる。TBS「ザ・ベストテン」にも、VTR出演で初登場。オリコン年間ランキングにおいて1988年度第10位となる。

1989年、1stベスト・アルバム「the BADDEST」が、シングル・アルバム通じて初のミリオンセラー。

1990年、「NHK紅白歌合戦」に出演(アリスンウイリアムズとデュエットで)

1993年、11thシングル「夢 with You」がフジテレビ系ドラマ(水曜劇場枠)「チャンス!」の主題歌となる。年末、ニューヨークに拠点を移す。

1995年、「Toshi Kubota」として全米デビュー。

1996年、ナオミ・キャンベルとデュエットした「LA・LA・LA LOVE SONG」が、フジテレビ系ドラマ(月9枠)「ロングバケーション」の主題歌となり、ミリオンセラーを記録。

1998年、20thシングル「AHHHHH!」を発売。この楽曲は日本テレビ系「進め!電波少年」での「朋友(パンヤオ)」の応援歌として作られたものである。

2004年、11月上旬に米国のテレビ番組「Soul Train」に出演。日本人アーティストとしては YMO に次いで2番目。ソロアーティストとしては初出演となった。

2010年、6月には「LOVE RAIN ~恋の雨~」が、みたびフジテレビドラマ(月9枠)主題歌となり(「月の恋人~Moon Lovers~」木村拓哉主演)、自身14年ぶりにオリコントップ3入りを果たした。

2013年、

(出典:「久保田利伸」2015年11月29日 04:46 (UTC) 『Wikipedia日本語版』)

▼ 久保田利伸
画像




■ アルバムリリースノート
南の島で聴きたいトロピカル・ソング!日本魂とニューヨークスタイルをあわせ持つ、彼の独特な世界観が打ち出された、ハッピーでシェイクなナンバー。- Amazon

▼ 久保田利伸
画像



*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「久保田利伸」「Shake It Paradise」を素材として二次利用しています。


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