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2020-05

The Alan Parsons Project 「Eye in the Sky」

The Alan Parsons Project 「Eye in the Sky」■ アルバムデータ
タイトル:Eye in the Sky
アーティスト:The Alan Parsons Project
リリース:1982年6月
レーベル:Arista

アルバム総評価:96
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Sirius  ★★★★★  youtube02
02  Eye in the Sky★★★★★youtube02
03  Children of the Moon★★★★☆ 
04  Gemini★★★★★youtube02
05  Silence and I★★★★★youtube02
06  You're Gonna Get Your Fingers Burned        ★★★★★youtube02
07  Psychobabble★★★★★ 
08  Mammagamma★★★★☆youtube02
09  Step by Step★★★★★ 
10  Old and Wise★★★★★youtube02


■ 講評
今回紹介するアルバム「Eye in the Sky」は、イギリスの音楽プロジェクトである The Alan Parsons Project が1982年6月に Arista からリリースした6thスタジオアルバムである。

全曲がプロジェクトのコアメンバーである Eric Woolfson と Alan Parsons による共作となっており、レコーディングは、ロンドンにある Abbey Road Studios で行われた。

オーケストラ及びクワイアのアレンジ・指揮は、The Alan Parsons Project のアルバムのオーケストラアレンジを一手に引き受ける Andrew Powell が手掛けている。

アルバムは、クールでファンキーな楽曲から詩的で荘厳なオーケストラサウンドまで様々なスタイルの楽曲で構成されており、他のアルバムに比べてプログレッシヴ・ロックな楽曲が多めという印象を受ける。

またアルバムジャケットは、Pink Floyd、Genesis、Led Zeppelin など数々のアーティストのアルバムカヴァーを手掛けたイギリスのデザイン・グループ Hipgnosis(ヒプノシス)が手掛けており、古代エジプトのシンボル「ホルスの目」(古代エジプトにおいて太陽と月を表すと考えられていたハヤブサの姿あるいは頭部を持つ天空神ホルスの両目)のイメージを中心に全体がグリーンで彩られており、LP 盤の初回盤では金箔が施されていた。

▼「Eye in the Sky」アルバムジャケット
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▼「Eye in the Sky」ジャケット裏面
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▼「Eye in the Sky」ライナーノーツ
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▼「Eye in the Sky」LP盤盤面
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アルバム「Eye in the Sky」は、The Billboard 200 第7位、UK Albums Chart 第27位、Canada、New Zealand のチャートでいずれも第3位を記録するなど、数多くの国でチャート第1位を含む大ヒットを記録し、The Alan Parsons Project のアルバムの中で最も売れたアルバムと言われており、2ndアルバム「I Robot」と5thアルバム「The Turn of a Friendly Card」に次ぐグループにとって最後のプラチナ認定レコードとなった。

ヴォーカルは、Eric Woolfson の他 David Paton、Chris Rainbow、Lenny Zakatek、Elmer Gantry、Colin Blunstone らが務めており、アルバムタイトル曲である「Eye in the Sky」は、Eric Woolfson がヴォーカルを務めて The Alan Parsons Project 最大のヒット曲となった。

アルバム自体は、アナログ機材で録音し、デジタルマスターテープに直接ミキシングした、ある意味トリックとも言えるレコーディング処理を施した3枚のアルバムの最初の1枚と位置付けられており、その事実は8thアルバム「Vulture Culture」のライナーノーツで始めた明らかにされたため、当時はほとんど知られていなかった。

アルバムからは「Old And Wise」、「Eye In The Sky」、「Psychobabble」、「You're Gonna Get Your Fingers Burned」の4曲がシングルリリースされている。

なお、The Alan Parsons Project の詳細については「Vulture Culture」の講評記事を参照していただきたい。

▼ The Alan Parsons Project
Eric Woolfson(右)と Alan Parsons(左)
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収録曲を見ると、特に印象的なのが、アルバム冒頭に収録されているインストゥルメンタル曲「Sirius」である。ちなみに Sirius(シリウス)とは、おおいぬ座α星、おおいぬ座で最も明るい恒星で全天21の1等星の1つで、太陽を除けば地球上から見える最も明るい恒星のことである。

「Sirius」は、NBA(全米プロバスケットボール協会)所属チームである Chicago Bulls が、旧 Chicago Stadium と1994年から新たにチームの本拠地となった United Center において、1991年から1998年の間に6度、NBA championships の試合をホームゲームとして行う際、スター選手である Michael Jordan を含むスターティングメンバーを紹介する時に使用されたインストゥルメンタル曲として北米でもよく知られた楽曲である。だが実は同じく NBA 所属チームである Milwaukee Bucks は、Chicago Bulls が「Sirius」を使用するようになる10年近くも前から、選手紹介の際に同曲を使用していたことはあまり知られていない。

この他、2000年にリリースされた「Michael Jordan to the Max」というドキュメンタリー映画のオープニング、アリゾナ州フェニックスに本拠を置く NBA  所属チーム Phoenix Suns のホームゲームにおける先発出場選手紹介、さらに1998年6月14日ソルトレイクシティの Delta Center で行われた1998 NBA Finals の第6ゲームにおけるユタ州ソルトレイクシティに本拠を置く NBA チーム Utah Jazz の先発出場選手紹介などの BGM としても幅広く使用されている。

さらにイタリアのセリエAに所属する Sassuolo Calcio におけるホームゲームでの選手のピッチ入場曲、フットボールチーム Nebraska Cornhuskers のホームゲームにおける選手入場曲、2010年2月7日にフロリダ州マイアミガーデンズのサンライフ・スタジアムで開催された NFL(アメリカンフットボール)の「第44回スーパーボウル」におけるルイジアナ州ニューオーリンズに本拠地をおく The New Orleans Saints の選手入場曲、ミズーリ州カンザスシティに本拠地を置く Kansas City Chiefs における Marty Schottenheimer がヘッドコーチを務めた期間のキックオフ時の BGM、などその使用例については枚挙に暇がない。

変わり所としては、1980年代半ばからアメリカ合衆国のプロレス興行団体である WWE(World Wrestling Entertainment)によってプロレスラー Ricky "The Dragon" Steamboat のリング入場曲としても使用されたこともある。

このように「Sirius」は北米全土のトップクラスの大学やプロスポーツのアリーナなどでスポーツの種類やチームの垣根を越えて盛んに使用されている。その謎めいた哲学的な香りがするメロディからスポーツの入場曲としては相応しくない印象を受けるが、その辺りが日本人と外国人との微妙な音楽感覚のズレなのであろうか。

その「Sirius」に続いてアルバム2曲目に収録されているのが、アルバムタイトル曲である「Eye in the Sky」である。歌の内容は、いつもいいように騙されてきた男性が、僕は空(宇宙)にある瞳で君を見ているんだ。だから君の心が読めるのさ。どんなに言い訳したってもう騙されないよ。といういつまでも俺をナメるなよ的な男女の離別を歌った楽曲であり、幻想的なメロディとは多少ニュアンスが異なっているようだ。

ただ、前述のアルバムジャケットの「ホルスの目」は、エジプトの天空神ホルスの両目のうち太陽の象徴とされる右目(「ラーの目」)のデザイン(ちなみに左目(「ウアジェト(ウジャト)の目」)は月の象徴)となっており、「Eye in the Sky」に何らかのインスピレーションを受けているのかもしれない。

アルバムでは1分54秒というインストゥルメンタル曲「Sirius」があたかも前奏かのように切れ目なくノンストップで「Eye in the Sky」へと続くように編集されているため、2曲で1曲のような錯覚に陥るが、「Eye in the Sky」のシングルリリースヴァージョンでは「Sirius」部分は除かれ「Eye in the Sky」のみの構成となっている。(実際には別ヴァージョンとして「Sirius」とセットになったシングルもリリースされている。)

シングルヴァージョンは当時ポップ系のラジオ局で普通にオンエアされたが、AOR やクラシックロック系のラジオ局では、ほとんど「Sirius」のイントロを含んだアルバムヴァージョンがオンエアされた。

また「Eye In The Sky」は2002年から2003年にかけてリリースされたビデオゲーム「Activision Anthology」のメインメニューの中のヴァーチャルなテープデッキの中で選曲できる音楽の一曲としても採用されており、その幅広い人気が窺える。

「Eye In The Sky」は、1982年 U.S.Billboard Hot 100 と Billboard Hot Adult Contemporary Tracks で第3位、Canadian RPM Top Singles 第1位、New Zealand Singles Chart 第6位を記録するなど The Alan Parsons Project の最も成功したシングル曲となった。

ちなみに、Billboard Hot 100 において第3位を記録した1982年10月における US Top 40 Singles の第1位は John Cougar の「Jack And Diane」、第2位は Men At Work の「Who Can It Be Now」、第4位は Chicago の「Hard Tt Say I'm Sorry」であった。

▼「Eye In The Sky」シングル盤
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▼「Eye In The Sky」日本リリース盤
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また、荘厳なオーケストラバラッドであるアルバムの最終トラックである「Old and Wise」は、1983年初めの U.S. Billboard Adult Contemporary Charts で第21位を記録するとともに、UK Chart でもイギリスでプロジェクトとして初めてチャートインしたシングルとして第74位を記録した。

この楽曲のリードヴォーカルは The Alan Parsons Project のアルバムにも何回か参加している Zombies の元ヴォーカル Colin Blunstone が務めているが、リードヴォーカルを務めたのはこのシングルのみであった。なお、Colin Blunstone は2003年にリリースした「Old and Wise」というタイトルの2枚組のベストアルバムに収録するため、「Old and Wise」を再レコーディングしている。また「Old and Wise」は多くのミュージシャンにカヴァーやサンプリングされている。楽曲終盤に流れる印象的なサックスは Mel Collins による。

この他シングルリリースされた「Psychobabble」は Mainstream Rock Charts 第54位、The Billboard Hot 100 第57位を、「You're Gonna Get Your Fingers Burned」は Mainstream Rock Charts 第22位を記録している。

▼「Old And Wise」
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▼「Psychobabble」
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こうした収録曲の中で個人的にお薦めなのは、シングルリリースはされていないがアルバム5曲目に収録されている哲学的な歌詞の「Silence and I」である。交響曲のような壮大なオーケストラサウンドとプログレッシヴロックの見事な融合は聴いていて鳥肌が立つほど感動的で、The Alan Persons Project のアルバム史上最大規模のオーケストラを使用しており、その規模は20人の第一ヴァイオリンを含む100人を超える規模だと言われている。7分19秒というロングサイズの楽曲で非常にスケール感が大きく、Andrew Powell の力量が窺えるこれぞ The Alan Persons Project といった見事な交響曲だ。Eric Woolfson のリードヴォーカルも曲調に調和して素晴らしいの一言に尽きる。

「Eye In The Sky」は、The Alan Persons Project の脂が乗った時期のまさにプロジェクトを代表するアルバムと言えるだろう。

▼ The Alan Persons Project(右:Andrew Powell)
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■ アルバムリリースノート
エンジニアとしてザ・ビートルズやピンク・フロイドとのアルバム制作で知られるアラン・パーソンは、70年代にソングライターのエリック・ウールフソンとアラン・パーソンズ・プロジェクトを立ち上げ、82年に全米アルバム・チャートで7位、標題のシングルが全米シングル・チャートで3位を獲得した、通算6作目のアルバム『アイ・イン・ザ・スカイ』を発表。演奏技術に裏打ちされたソフトで艶やかな音作りは香り高いメロディーと合間ってAPPの織り成すテクスチャーをより一層高い世界に導いてくれる。- Amazon

本作は、アラン・パーソンズ・プロジェクトが1982年に発表した通算6枚目のアルバム。標題のシングル「アイ・イン・ザ・スカイ」他を収録。演奏技術に裏打ちされたソフトで艶やかな音作りが香り高いメロディーとあいまって、彼らの織り成すテクスチャーをより一層高い世界に導いてくれる作品。- Amazon


*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Eye in the Sky (album)」を素材として二次利用しています。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
Life is music. Music is life.
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