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2020-05

The Romantics 「In Heat」

The Romantics 「In Heat」■ アルバムデータ
タイトル:In Heat
アーティスト:The Romantics
リリース:1983年9月
レーベル:Nemperor Records

アルバム総評価:92


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Rock You Up  ★★★★★  youtube02
02  Do Me Anyway You Wanna★★★★★ 
03  Got Me Where You Want Me          ★★★★☆ 
04  One in a Million★★★★★youtube02
05  Open up Your Door★★★★★youtube02
06  Talking in Your Sleep★★★★★youtube02
07  Love Me to the Max★★★★★ 
08  Diggin' on You★★★★☆ 
09  I'm Hip★★★★☆ 
10  Shake a Tail Feather★★★★☆ 


■ 講評
今回紹介するアルバム「In Heat」は、アメリカデトロイト出身のロックバンド The Romantics が1983年に Nemperor Records からリリースした4thアルバムである。

プロデュースは Peter Solley が、ジャケット写真は David Kennedy、アートワークは John Berg が手掛けている。

「In Heat」は、The Romantics のアルバムの中で商業的に最も成功したアルバムであり、The Billboard 200 第14位を記録し、アメリカとカナダでゴールドディスクに認定されている。

また、アルバムからシングルリリースされた「Talking in Your Sleep」は、ラジオでも盛んにエアプレイされて100万枚を売り上げ、1984年の Billboard Hot 100 において3週連続第3位を記録するとともに、Hot Dance Club Play chart でも第1位を獲得。さらに1984年の年間 U.S. Billboard Hot 100 においても第19位を記録するなどバンド最大のヒット曲となった。また、海外でも Canada RPM 第1位を獲得、Australian Singles Chart 第14位を記録などワールドワイドにヒットした。

歌詞のイメージを映像化したように立ったまま眠っているようなセクシーな下着やネグリジェ、パジャマ姿の美女たちに囲まれて演奏する個性的なミュージックビデオは MTV で幅広く放映され、「Talking in Your Sleep」のヒットを後押しした。

続いてリリースされたシングル「One in a Million」も、Billboard Hot 100 第37位を記録した。

このアルバムリリース時のメンバーは Coz Canler(Lead Guitar、Vocals)、Wally Palmar(Lead Vocals、Rhythm Guitar、Harmonica)、Mike Skill(Bass、Guitar、Vocals)、Jimmy Marinos(Drums、Percussion、Lead Vocals)の4人であり、サポートメンバーとして Pete Solley(Keyboards)、Irene Cook(Vocals)が参加している。

▼「In Heat」
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▼「In Heat」ジャケット裏面
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▼「Talking in Your Sleep」
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▼「One in a Million」
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The Romantics は、1976年に結成されたアメリカ合衆国ミシガン州デトロイト出身のパワーポップ・ニューウェイヴ系バンドである。バンドとしての最初の公演は1977年で、新生 MC5 の公演の前座としてデトロイトにある My Fair Lady Club でバレンタインの日に行われた。公式にはこの日がバンドの結成日とされている。

バンドは3年間ボストンの Rathskeller やニューヨークの Bowery にある CBGB、フィラデルフィアの Hot Club、クレーヴランドのアゴラなど様々な場所のクラブやホールで演奏活動を行った後、Epic / Portrait record label 系の Nat Weiss が創設した独立レーベルである Nemperor Records と契約に至る。

The Romantics は、バンドのよく練られたポップソングとエネルギッシュな演奏、また彼らのミュージックビデオに見られるように黒のビニールと赤のレザーの衣装で身を包んだ演奏スタイルでアメリカ、オランダ、ドイツ、カナダ、アジア、オーストラリア、ヨーロッパとワールドワイドに人気を博した。

バンドは MC5、Stooges、初期の Bob Seger のなど1950年代のアメリカンロックンロールやモータウンの R&B、1960年代の北アメリカのガレージロック、ブリティッシュ・インヴェイジョンのロッカーやロックミュージックの影響を受けている。

▼ The Romantics
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The Romantics は、最初 Wally Palmar(lead vocalist、rhythm guitarist、harmonicist)、Mike Skill(lead guitarist、vocalist)、Rich Cole(bassist、backing vocalist)、Jimmy Marinos(drummer、lead vocalist)の4人のメンバーで構成されていた。メンバー全員が作曲を担当してグループに貢献したが、もっぱら Wally Palmar と Mike Skill の二人がバンドの主要な作曲担当と見なされていた。

デトロイトや中西部の田舎や地方で演奏した数年後、イギリス人のプロデューサー Pete Solley のプロデュースにより1979年9月に Nemperor Records から1stデビューアルバムとなるバンド名を冠した「the Romantics」をリリースする。

▼「the Romantics」1stアルバム
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1978年には Spider Records からグループとしての事実上のレコードデビューとなるシングル「Little White Lies/I Can't Tell You Anything」をリリースし、翌年には Bomp! Records から第二弾となるシングル「Tell It to Carrie/First in Line」をリリースする。これらのシングル曲は、後に全曲1stアルバム「the Romantics」 収録のために再レコーディングされている。

アルバム「the Romantics」からシングルリリースされた「What I Like About You」はアメリカで第49位、ニュージーランドで第12位、オーストラリアで第2位を記録するヒットとなり、特にこれらの国での The Romantics の人気に拍車をかけることとなった。

1981年、2ndアルバム「National Breakout」をリリース後、Mike Skill が脱退し、リードギターとして Coz Canler が加入する。

1982年、新体制により3rdアルバム「Strictly Personal」をリリース。その年 Rich Cole が脱退し、替わりに Mike Skill がベーシストとしてバンドに復帰する。

▼「National Breakout」2ndアルバム
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▼「Strictly Personal」3rdアルバム
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1983年から1984年にかけて4thアルバム「In Heat」のリリースに伴いバンドとして最大の商業的な成功を収める。このアルバムはアメリカでゴールドディスクに認定され、50万枚を超える売上を記録し、最終的にはアメリカ国内で90万枚を売り上げた。またカナダでも5万枚以上を売り上げてゴールドディスクに認定された。

▼「In Heat」4thアルバム
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アルバムからの最初にリリースされたシングル「Talking In Your Sleep」は Billboard Hot 100 4週連続第3位を記録するとともに、Hot Dance Club Play charts と Album Rock Tracks charts において第1位を獲得した。

「Talking In Your Sleep」はワールドワイドにヒットし、カナダで第2位、オーストラリアで第14位、ドイツで第20位、ニュージーランドで第15位を記録するなど多くの国のヒットチャートを賑わせた。

アルバムから2枚目となるシングル「One In A Million」は、Billboard Hot 100 最高第37位を記録するとともに、Hot Dance Club Play Chart 第21位を記録した。この間彼らのミュージックビデオがケーブルネットワークの MTV で盛んに流され、バンドに人気を後押しした。

また1983年を通してアルバム「In Heat」を掲げてアメリカと海外でコンサートツアーを実施するとともに、「Solid Gold 」、「American Bandstand」、「Soul Train」などの音楽専門テレビ番組にも出演する。

1984年、ドラムの Jimmy Marinos が脱退し、David Petratos が加入する。David Petratos は1990年までバンドのドラマーを務めた。

1985年、この新たなメンバーとしては唯一のアルバムとなる5thアルバム「Rhythm Romance」をリリースする。その後デトロイトのキーボード奏者である Barry Warner が1985年から1986年のツアーに参加する。

▼「Rhythm Romance」5thアルバム
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1980年代後半、バンドのマネージャーらがレコードやライブコンサートの売上の利益を横領していたことが発覚する。加えてリリースしたレコードの一枚である「What I Like About You」についてバンドの承知と了解なしにテレビコマーシャルへの使用ライセンス契約が結ばれていたことが判明する。このため1987年に彼らのマネージメントに対して訴訟を起こすが、この訴訟が決着する1995年までの実に7年もの間、新たに楽曲をレコーディングすることができなくなってしまった。

1990年、 David Petratos に替わって元 Blondie のドラマーである Clem Burke が加入するが、1990年代前半、バンドは小さな会場でひっそりと公演するしかなく、次第に忘れられて公にスポットライトを浴びることもなくなってしまった。

しかし、1990年半ばになりようやく過去のマネージメントに対する訴訟に勝訴したことにより再びレコーディングを開始することが可能となったこと、またバンドとして The Romantics の楽曲から生じるライセンス料を将来にわたって確保する目途が立ったことによりバンドに運が回ってくる。

こうしてバンドの新たなレコーディングの成果として、1993年にEP盤「Made In Detroit」をリリースする。また1996年には、バンドのヒット曲を集めたアルバムとして、バンドの人気が頂点に達した1983年10月にテキサス州サンアントニオのコンサートで録音された音源によるライヴアルバム「The King Biscuit Flower Hour Presents:The Romantics Live In Concert」をリリースする。

バンドの初期のドラマーであった Jimmy Marinos は、1996年から1997年のシリーズ公演の間一時的にバンドに復帰する。ちなみにこの公演には、Jimmy Marinos 脱退の後バンドのドラムに復帰したClem Burke も参加している。

1990年代後半、1980年代のポップカルチャーに対する懐古ブームに乗って、The Romantics 人気も再燃する。

2003年、商業的にも最も成功したアルバム「In Heat」のリリースから20周年を迎えるこの年、The Romantics は初期の作品よりよりルーツロックでブルースオリエンテッドなサウンドの6thアルバム「61/49」をリリースする。

このアルバムではドラマーとして Clem Burke が演奏を行ったが、オリジナルメンバーであった Jimmy Marinos も収録曲の半分の演奏に参加している。残念ながらこのアルバムはまったく売れなかったが、1980年代始めの人気があって商業的にも成功した全盛期には満足することができなかった新たな視点による音楽的な名声を得ることとなった。 「61/49」は公式なスポットライトから遠ざかっていた歳月からバンドが抜け出したことを証明したアルバムとなった。

2004年、Clem Burke が Blondieに復帰するのに伴いバンドの4人目のレギュラードラマーとして Brad Elvis(元 the Great Elvis Brothers に所属)が加入する。

▼「61/49」6thアルバム
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The Romantics は今日もライブ活動を継続するとともに、新しいオリジナルアルバムのリリースについても公表している。

Rich Cole は長期離脱の後2010年にバンドに復帰している。長期にわたりリードギタリストであった Coz Canler は彼の公認としてMike Skillがリードギタリストとして復帰することを認めた上で2011年にバンドを脱退している。

(出典:「The Romantics」(28 September 2015 02:00 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼ The Romantics
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■ 現在のメンバー
◆ Wally Palmar(lead vocals、rhythm guitar、harmonica)
 (1977‐現在)
◆ Mike Skill(lead guitar、vocals)
 (1977‐1980・1981‐現在)
◆ Rich Cole(bass guitar、vocals)
 (1977‐1982・2010‐現在)
◆ Brad Elvis(drums、percussion)
 (2004‐現在)

■ 過去のメンバー
◆ Jimmy Marinos(drums、percussion、lead vocals)
 (1977‐1984・1996‐1997)
◆ Coz Canler(lead guitar、backing vocals)
 (1981‐2011)
◆ David Petratos(drums、percussion、backing vocals)
 (1984‐1990)
◆ Clem Burke(drums、percussion)
 (1990‐1996・1997‐2004・2010)

▼ The Romantics(2004年-2010年のメンバー)
※ 左から Brad Elvis、Coz Canler、Mike Skill、Wally Palmar
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何ともロマンティックなバンド名(というかロマンティックそのもの)である。当時イギリスでムーヴメントとなっていたニューロマンティックを意識したということらしく、結成もバレンタイン・デーとまさにロマンティックである。

そんな軟派な香りがプンプン漂うバンド名に違わずメンバーはなかなかのイケメン揃いで、今で言うところのビジュアル系ロックバンドといった風貌である。

バンドが繰り出すサウンドはいかにもというベタなロックであり、その演奏技量も荒削りな印象が強い。本人たちはサウンドでもブリティッシュロックを意識したらしいが、どこか垢抜けないアメリカンロックンロール色を消すことは難しかったようだ。

ただ、楽曲自体はキャッチーなメロディアスソフトロック路線で、恐らくアルバムリリース当時は女性ファンが多かったに違いないと思わせるようなポップなサウンドとなっている。日本でも注目のニューカマーがリリースしたアルバムとしてそれなりに売り出された。

アメリカのロックミュージシャンである Rick Springfield を思い起こさせるアイドル的なイメージを持ったバンドでもあるが、そうしたアイドル臭のため、The Romantics と聞くといわゆる商業ロック的なマイナスのイメージを持つリスナーも少なくないかもしれない。

▼ The Romantics
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だが、アルバム自体は実にロックらしい明快で軽快なリズムに乗って非常にテンポが良く、各楽曲ともヒットのツボを押さえたなかなかイカしたサウンドに仕上がっているという印象だ。

一方、アレンジのせいもあるかもしれないが今回紹介したアルバム「In Heat」のギターやベースはかなり年代を感じさせる音を響かせており、その意味でバンドサウンドの隔世感は大きい。

そんなアルバムの中でもズンズンズンチャチャチャというギターが刻む独特のリズムと耳に付いて離れないサビのメロディが印象的な楽曲が The Romantics の代表曲「Talking In Your Sleep」である。

The Romantics といえば「Talking In Your Sleep」というぐらいバンド最大のヒット曲であるが、この楽曲の印象が強すぎたせいだろうか、The Romantics はその後ヒット曲に恵まれることなく日本では一発屋という不名誉なレッテルを貼られてしまうことになる。

「Talking In Your Sleep」は、普段はつれない彼女が寝言で「あなたが欲しいの、好きなの、愛しているわ」と本音を呟くのを聞いてほくそ笑む男の気持ちを歌った楽曲であるが、いかにも The Romantics のイメージに合致しておりヒットも頷ける楽曲である。

ちなみに「Talking In Your Sleep」が Billboard Hot 100 において第3位を記録した1984年1月28日の週間 US TOP 40 の第1位は Yes の「Owner Of A Lonely Heart」(邦題:「ロンリーハート」)、第2位は Culture Club の「Karma Chameleon」(邦題:「カーマはきまぐれ」)となかなか手強い曲がラインナップされていた。第6位は Kool & The Gang の「Joanna」、第7位は Paul McCartney & Michael Jackson の「Say Say Say」などの楽曲が並んでおり、この中での第3位は大健闘であったと言えるだろう。

「In Heat」は、音の古めかしさを除けば今でも十分通用するキャッチーなアルバムである。気分を晴らして明るい気持ちになりたいときに聴くには最高のアルバムである。

▼ The Romantics
画像



*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「The Romantics」「In Heat (The Romantics album)」を素材として二次利用しています。


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