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2020-05

Robbie Dupree 「Robbie Dupree」

j0202■ アルバムデータ
タイトル:Robbie Dupree
アーティスト:Robbie Dupree
リリース:1980年
レーベル:Elektra Records

アルバム総評価:96 
crown01《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Steal Away(ふたりだけの夜)  ★★★★★  youtube02
02  I'm No Stranger★★★★★youtube02
03  Thin Line★★★★★
04  It's A Feeling★★★★☆youtube02
05  Hot Rod Hearts★★★★★youtube02
06  Nobody Else★★★★★youtube02
07  We Both Tried★★★★★youtube02
08  Love Is A Mystery(恋はミステリー)        ★★★★★youtube02
09  Lonely Runner(孤独なランナー)★★★★☆youtube02

※( )は日本語タイトル。


■ 講評
今回紹介するアルバム「Robbie Dupree」は、アメリカのシンガー・ソングライターである Robbie Dupree が1980年に Elektra Records からリリースした自身の名前を冠した1stアルバムである。

アルバムジャケットのポートレートは、数多くのミュージシャンのポートレートを手掛けるアメリカの著名フォトグラファー、ミュージックビデオプロデューサーである Jim Shea の作品である。

▼「Robbie Dupree」1stアルバム
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▼「Robbie Dupree」ジャケット裏面
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アルバムは The Billboard 200 第51位を記録するとともに、アルバムからの1stシングルとなる「Steal Away」(邦題:「ふたりだけの夜」)は Billboard Adult Contemporary chart 第5位、R&B Singles chart 第85位、The Billboard Hot 100 第6位を記録する自身最大のヒットとなった。

続く「Hot Rod Hearts」も、The Billboard Hot 100 第15位を記録している。

▼「Steal Away/Hot Rod Hearts」
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▼「Steal Away/I'm No Stranger」
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▼「Steal Away」日本盤
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▼「Hot Rod Hearts」日本盤
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プロデューサーは、以前から親交があったカリフォルニアのディスコファンクバンドである Crackin'の元メンバーであるプロデューサーチーム Rick Chudacoff & Peter Bunetta が担当した。

また、参加ミュージシャンには、Crackin'の元メンバーである Arno Lucas(Backing Vocals)、Bob Bordy(Guitar)、Rick Chudacoff(Bass)、Peter Bunetta(Drums)の他、このブログでも以前紹介した Bill LaBounty(Keyboards、Backing Vocals)なども参加している。Bill LaBounty は05「Hot Rod Hearts」の作曲者(Stephen Geyer との共作)でもあり、Robbie Dupree との親交の深さが窺える。

加えてコンポーザーとして David Foster や Chicago のメンバーである Bill Champlin(07「We Both Tried」は Bill Champlin と David Foster による共作)が参加するとともに、Guitar には Robert Palmer の名前も見つけることができ、後に第一線で活躍することになる AOR 系の一流ミュージシャンたちが名を連ねている。

なお、シングル「Steal Away」は、Rick Chudacoff と Robbie Dupree の共作による楽曲であるが、キーボードアレンジが The Doobie Brothers が1979年にリリースした「What a Fool Believes」に極めて類似しているとして The Doobie Brothers サイドからクレームが入り、2ndシングルリリース後に裁判を起こされている。(裁判結果については不明。)

▼ Robbie Dupree
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Robbie Dupree(ロビー・デュプリー)(1946年12月23日生、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリン出身)は、アメリカのシンガーソングライターでソフトロック系のシンガーある。本名は Robert Dupuis といい、Robbie Dupree はステージネームである。なお、コンポーザーとして活動する時は、本名である Robert Dupuis を使用する場合もあるようだ。

当初は街角の doo-wop グループなどで歌っていたが、後にブルースや R&B に感化される。

1970年、ニューヨーク市のグリニッチ・ヴィレッジのクラブでオリジナルソングを歌い始める。当時の演奏仲間には後に Chic のギタリストとなる Nile Rodgers がいた。

1973年、活動拠点をニューヨーク州アルスター郡のウッドストックに移し、作曲活動と併行してローカルのミュージシャンやバンドと一緒に演奏活動を行う。この時期、Todd Rundgren や The Band のメンバーと交流を深める。

1978年、レコードレーベルとの契約を模索するため東海岸からカリフォルニア州ロサンジェルスに拠点を移し、旧知の音楽家であった Peter Bunetta と Rick Chudacoff と再会。彼らは Robbie Dupree のためのプロダクションチームを立ち上げる。

Robbie Dupree は、後の大ヒット曲となる「Steal Away」のデモテープをレコード会社に送る等レーベル契約に向けて活動を行ったが、彼の blue-eyed soul(ブルーアイドソウル)のソフトスタイルな音楽がアダルトコンテンポラリーなラジオ番組の形式に非常にマッチしたこともあり、Elektra Records と契約に至る。

こうして1980年に自身の名前を冠したアルバム「Robbie Dupree」でデビューを飾り、アルバムリードシングルである「Steal Away」(邦題:「ふたりだけの夜」)は Billboard Hot 100 第6位を記録する Robbie Dupree 最大のマッシュヒットとなった。

続く2ndシングル「Hot Rod Hearts」も、Billboard Hot 100 第15位を記録するヒットとなる。

こうして Robbie Dupree はグラミー賞の最優秀新人賞にノミネートされるが、1981年にリリースした2ndアルバム「Street Corner Heroes」は The Billboard 200 第169位とセールス的にも伸びず、シングルカットされた4thシングル「Brooklyn Girls」も Billboard Hot 100 最高第54位に止まった。その後契約上の不満等を理由に暫くレコーディングから遠ざかることとなる。

長期に音楽シーンから遠ざかった結果、その後 Robbie Dupree の楽曲が Billboard のチャートを賑わすことはなかった。

▼「Street Corner Heroes」2ndアルバム
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1987年、Robbie Dupree はアメリカ合衆国のプロレス団体及び興行会社である「World Wrestling Entertainment」(当時は「World Wrestling Federation」として知られていた。)のテーマ曲を集めたアルバム「Piledriver - The Wrestling Album 2」に「Girls in Cars」という楽曲を提供する。この曲はタッグチームである Strike Force (Tito Santana と Rick Martel)の入場曲として使用された。

1989年、再びウッドストックに拠点を移し、ようやく Capitol Records から3rdアルバム「Carried Away」をリリースしミュージックシーンに戻ることとなる。

▼「Carried Away」3rdアルバム
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しかしその評価は初期の作品に比べ思わしくなく、結果的に1993年に日本のレーベルである Polystarと契約し、4thアルバム「Walking on Water」をリリースする。

このアルバムは1995年にアメリカで Miramar Records から配給されたが、シングルリリースされた「Walking on Water」と「Goodbye to L.A.」は、アダルトコンテンポラリーチャートでマイナーヒットを記録するに止まった。

▼「Walking on Water」4thアルバム 日本盤
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▼「Walking on Water」4thアルバム US盤
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1995年、Bruce Springsteen のバックバンドを務めたこともある E Street Band の前キーボード奏者で Robbie Dupree とデュオでツアーを行ったこともある David Sancious が参加した5thアルバム「Smoke and Mirrors」をリリース。David Sancious は 3rdアルバム「Carried Away」から Robbie Dupree のアルバム制作に参加しており、以降リリースされるアルバムにも深く関わることとなる。

▼「Smoke and Mirrors」5thアルバム
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90年代の間、アメリカのギタリストである Artie Traum や長い期間の協力者である Bill LaBounty などのレコード制作等にも関わり、音楽プロデューサーとして活動の幅を広げる。

1997年、6thアルバムとなるEP盤「Vintage Volume 1 (compilation)」をリリースする。

▼「Vintage Volume 1 (compilation)」6thアルバム
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1998年、7thアルバムとなる自身の楽曲を振り返るライヴ盤「All Night Long」をリリースする。このアルバムでは久々に Crackin'のメンバーと共演するとともに、収録曲には Bill LaBounty の作品(共作を含む。)も数曲収録されている。

2001年、8thアルバムとなるもう一枚のEP盤「Vintage Volume 2 (compilation)」をリリースする。

▼「All Night Long」7thアルバム
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▼「Vintage Volume 2 (compilation)」8thアルバム
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2010年、Spectra Records と契約し、キーボード奏者 David Sancious が参加したした10thアルバム「Time and Tide」をリリースする。

▼「Time and Tide」10thアルバム
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2010年5月21日、当時アメリカ NBC で放送されていた深夜トーク・バラエティ番組「Late Night with Jimmy Fallon」に司会者である Jimmy Fallon が Yacht Rock(2005年あたりからアメリカのケーブル局「チャンネル101」が放送した番組の名前でハリウッドの若い音楽オタクが1970年代から80年代にかけてのリバイバル音楽を紹介。Kenny Loggins、Steely Dan、The Doobie Brothers などいわゆる AOR 系のミュージシャンをフィーチャーして、彼らが生んだ音楽を「Smooth」という言葉で形容し、そこらの音楽を総じてヨットロックと呼んだ。)への変わらぬ賛辞を示すプログラムに出演し、1970年代から1980年代にかけてのスムース・ウェストコースト・サウンドを演奏した。

2011年、オールスターロックコンサートシリーズの一員としてツアーに参加する。このツアーには John Cafferty、Orleans、David Pack (Ambrosia)、John Ford Coley、Jimmy Hall of Wet Willie、Joe Lynn Turner、Joe Bouchard らが参加していた。

2012年、11thアルバムとなるEP盤「Arc of a Romance」をリリースする。

▼「Arc of a Romance」11thアルバム
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(出典:「Robbie Dupree」(30 June 2015 20:49 UTC) 『Wikipedia英語版』他)

▼ 近年の Robbie Dupree
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Robbie Dupree のサウンドは純粋なポップと言うよりどことなく R&B の香りが強く、その洗練されたソウル・フィーリング漂うヴォーカルも魅力的で、まさに Blue-Eyed Soul の雰囲気を漂わせるアダルトなミュージシャンである。

その Robbie Dupree を代表する楽曲が、今回紹介するアルバム「Robbie Dupree」のリードトラックにして AOR の名曲と言われる「Steal Away」である。

フェードインで始まるイントロ。リズムに絶妙に絡む Kal David によるシタール。印象的なサビのメロディ。そして高音が心地よい爽やかなコーラスに都会の薫り漂う洗練されたサウンド。どれをとっても素晴しいの一言に尽きる80年代を代表する AOR の名曲である。

聴く者を甘く切ない気分にさせる歌声とサウンドプロダクションで日本でもヒットした「Steal Away」は、邦題の「ふたりだけの夜」が表すとおり、男女の愛の駆け引きを唄ったラブソングであるが、彼女を口説こうとする男の必死さがヒシヒシと伝わってくる歌詞で、なかなか聴かせる青春ソングでもある

この「Steal Away」は、前述の通り The Doobie Brothers が1979年にリリースした「What a Fool Believes」に極めて類似しているとして訴訟沙汰になったいわく付きの楽曲であるが、改めて両方の楽曲を聴き比べてみると個人的には裁判沙汰になるほど類似している印象はないのだが、リリース時期がわずか1年違いというタイミングも悪かったということであろうか。

ただ、リリース当時からレコード会社も両者の類似性を公然と認めていたようで、日本盤の LP の帯のコピーは「さりげなくモノトーンを着こなす男の、心は POP、音楽は優しい…。突然の全米大ヒット「ふたりだけの夜」で飛びだしたシンデレラ・ボーイ、ロビー・デュプリー。西海岸の空気大好き少年少女をとりこにすること間違いなし。必殺ドゥービーズもびっくり、心地良く乾いたドラムスの音のフェイド・インでスタートする素敵なソフト・ソウル風デビュー・アルバム。」と書かれていたり、シングル「Steal Away」の歌詞カードには「この「ふたりだけの夜」は、ドゥービー・ブラザーズ昨年の大ヒットでグラミー賞を受賞した「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」を思わせるリズム・アレンジを、大胆に、そして巧妙にとり入れたポップな曲で、日本でもヒット性充分。」、続くシングル「Hot Rod Hearts」の歌詞カードには「「ふたりだけの夜」は、ドゥービー・ブラザーズを思わせるソフト・ソウル風の音割りゆえに、“たった一人のドゥービー・ブラザーズ”として大きな話題を集めましたが、」とそのものずばりが明記されていた。

結果的に Robbie Dupree は、1981年から6年近くミュージックシーンから遠ざかることになるわけであるが、その直接の原因ではなかったにしろ、タイミング的にもこの裁判の影響は少なくなかったと推察される。

裁判の結果が不明であることから真偽の程は定かではないが、その後「Steal Away」以上のヒット作には恵まれなかったことを考えると、「Steal Away」という名曲は Robbie Dupree にとってまさに諸刃の剣であったと言えるかもしれない。

そんな波乱万丈の音楽人生を歩んできた Robbie Dupree ではあるが、都会的に洗練されたアダルトなサウンドと甘いヴォーカルを魅力に大人のポップスを歌いこなす実力派シンガーとして現在も地道に活躍を継続しており、2008年、2011年と東京丸の内のライヴレストラン Cotton Club でも公演を行うなど日本との関係も深い。

御歳69歳、まだまだ現役のミュージシャンとは実に素晴らしいことである。

▼ 近年の Robbie Dupree
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■ アルバムリリースノート
全米大ヒット「ふたりだけの夜」で一躍脚光を浴びたロビー・デュプリーのデビュー・アルバム。ウエスト・コースト・サウンド・ファンを虜にする素敵なソフィスティケイテッド・ソウル・フレイヴァーあふれる名作。プロデュース:リック・チュダコフ&ピーター・ブネッタ。(1980年作品)- Amazon

▼ Robbie Dupree
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Robbie Dupree」を素材として二次利用しています。


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