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2020-05

Bill LaBounty 「Bill LaBounty」

j0201■ アルバムデータ
タイトル:Bill LaBounty
アーティスト:Bill LaBounty
リリース:1982年
レーベル:Warner Bros. Records/Curb Records

アルバム総評価:98 点  
crown01
《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  Livin' It Up  ★★★★★  youtube02
02  Didn't Want to Say Goodbye          
(さよならは言えなくて)
★★★★★youtube02
03  Dream On(見果てぬ夢)★★★★★youtube02
04  Slow Fade★★★★★youtube02
05  Comin' Back★★★★★youtube02
06  Look Who's Lonely Now
(メランコリーの妙薬)
★★★★★youtube02
07  Never Gonna Look Back
(愛するふたり)
★★★★★youtube02
08  It Used to Be Me
(追憶のソナタ)
★★★★★youtube02
09  Nobody's Fool★★★★☆youtube02
10  Secrets(シークレット)★★★★★youtube02

※( )は日本語タイトル。

■ 講評
今回紹介するアルバム「Bill LaBounty」は、アメリカのシンガー・ソングライターである Bill LaBounty が1982年に Warner Bros. Records / Curb Records からリリースした4thアルバムである。

同年このアルバムからシングルカットされた「Never Gonna Look Back」は、Billboard Adult Contemporary chart 第22位、Billboard Hot 100 第110位を記録している。

もっぱら販売促進上の意図があったと言われているが、日本盤のリリースにあたって洋楽アルバムによく見られるように邦題をサブタイトル的に付すのではなく、収録曲は同じながらアルバムタイトル自体を「サンシャイン・メモリー」とリネームしている珍しいアルバムでもある。

それに伴いアルバムジャケットも日本仕様のアートワークが用意され、確認できるだけでオリジナル盤を含めて4種類のアルバムジャケットが存在している。なお、「Bill LaBounty」のオリジナルジャケットである Bill LaBounty 本人のポートレートは、アメリカを代表するカメラマンでカヴァー・アートの巨匠である Norman Seeff の作品である。

また、現在ではあまり見かけなくなったが、収録曲10曲中6曲のタイトルに当時の洋楽には一般的であった邦題が付けられており、アルバムタイトルの状況を含め日本におけるセールスがそれなりに重視されていたことが窺える。

ちなみに日本でリリースされた LP 盤の帯のキャッチコピーは、「サザンカリフォルニアのサンシャインに溶け込む純 LA 産 AOR。ENJOY YOUR LIFE,ENJOY YOUR MUSIC…」「優しいまどろみの昼下がり、今日はビル・ラバウンティのメロウな歌声で、気分はとっても爽快!!」となっていた。

▼「Bill LaBounty」オリジナルLPジャケット by Norman Seeff
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▼「Bill LaBounty」オリジナルジャケット裏面
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▼「Bill LaBounty」日本盤CDジャケット
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▼「サンシャイン・メモリー」日本盤LPジャケット
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▼「サンシャイン・メモリー」日本盤CDジャケット(1991年)
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アルバムプロデューサーは Randy Newman や James Taylor のプロデュースで知られる Russ Titelman が担当し、参加ミュージシャンには、当時既に第一線で活躍していた錚々たるミュージシャンが名を連ねている。

主な参加ミュージシャンは次のとおりであるが、非常に豪華な布陣により製作されたアルバムとなっており、こうした点を見てもアルバムに賭ける Bill LaBounty の意気込みを感じることができよう。

■ 主な参加ミュージシャン&作曲家
Dean Parks (Guitar)
Steve Lukather (Guitar)
Willie Weeks (Bass ①⑦)
Chuck Rainey (Bass ②③④⑤⑥⑧⑨⑩)
Steve Gudd (Drums ①⑦)
Andy Newmark (Drums ②④⑧⑩)
Jeff Porcaro (Drums ③⑤⑥⑨)
Ian Underwood(Synthesizer)
Lenny Castoro(Percussion)
David Samborn(Alto Sax ①④)
Patti Austin (Vocal Harmonies ①⑥⑨⑩)
James Taylor (Vocal Harmonies ②⑦)
Jennifer Warnes (Vocal Harmonies ⑦)
Stephen Bishop (Vocal Harmonies ⑨)

Written-By
Bill LaBounty(①~⑩)
Barry Mann(①⑨)
Cynthia Weil(①⑦⑨)
Kathy Wakefield(⑦)
Roy Freeland(②④⑤⑥⑧⑩)
Stephen Geyer(③)

▼ Bill LaBounty
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Bill LaBounty(ビル・ラバウンティ、1948年5月22日生)は、アメリカ合衆国中部のウィスコンシン州出身のポップ/アダルト・コンテンポラリー(AOR)、ソフトロックの分野で主に活動したシンガー・ソングライターである。

初期は「Fat Chance」というバンドのメンバーとして活動し、後にソロ活動に移った。

ソロアーティストとしては現在までに7枚のスタジオアルバムをリリースしているが、そのうちの4枚は Curb Records / Warner Bros. Records からリリースしたアルバムである。

ソロ・キャリアとしては1975年に 20th Century Fox Records からリリースした「Promised Love」が最初のアルバムとなるが、最初にチャートインしたヒットシングルは1978年にリリースし Billboard Hot 100 第65位を記録した「This Night Won't Last Forever」で、翌年の1979年に Michael Johnson がカヴァーし、このカヴァーヴァージョンも同じく Billboard Hot 100 において第19位を記録するヒットとなった。

1990年代にはカントリー・ミュージックにシフトしていき、カントリーミュージシャンたちと楽曲を共作することになる。その中にはカントリーミュージックシンガーである Steve Wariner のナンバー1ヒットシングルである「Lynda」、「The Weekend」、「I Got Dreams」などのヒット曲も含まれている。

2001年には Curb Records 系の Curb 出版 と作詞・作曲に関する契約を結んでおり、現在はもっぱら作家としての活動に専念しており、今日までに他のアーティストに100曲を越える楽曲を提供し、アメリカの実演権団体である BMI(Broardcast Music,Inc)から10個の Million Performance awards を含む25個の BMI 賞を獲得している。

▼ Bill LaBounty
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Bill LaBounty は、髭もじゃの無骨なルックスからフォーク・シンガー系を想像してしまうが、実際の音楽性はきわめて都会的で、R&B からの影響を自分なりに消化した、いわゆる Blue-Eyed Soul(ブルー・アイド・ソウル:ポピュラー音楽のジャンルのひとつで、元来は黒人のものであった R&B やソウルミュージックを白人が取り入れ形成した白人の音楽)な唱法が特徴のシンガー・ソングライターである。

1967年、19歳のときにメンバーの一員であったアーシーな演奏のロックバンド「Fat Chance」が RCA Records と契約を締結。

1972年、RCA Dinoflex からセルフ・タイトルアルバム「Fat Chance」を発表する。このグループにはその後ソロ・アーティストとして玄人筋から高い評価を得るシンガー Steve Eaton も在籍しており、コアなリスナーからは幻の貴重なグループとして評価されている。

1975年、20th Century Fox Records からソロデビューとなるアルバム「Promised Love」をリリースし、新進都会派シンガー・ソングライターとして再出発を飾る。

1976年、アルバム「Promised Love」から「Lie to Me」をシングルリリースし、Billboard Hot 100 第109位を記録する。

奇しくもこの1976年は、Boz Scaggs が名作「Silk Degrees」を発表し、Steely Dan はデビュー時からのバンド形態を放棄し、この年からDonald Fagen と Walter Becker のデュオユニットへと転身。The Doobie Brothers もこの年 Michael McDonald を大きくフィーチャーした「Takin' It To The Streets」を発表し、AOR 的な解釈を強めている。また、Michael Franks のメジャー・デビュー作「The Art Of Tea」、およびシングルの「Popsicle Toes」が全米チャートを上昇し、Stephen Bishop がデビュー早々、ヒットを連発した年であり、ある意味 AOR にとってメルクマーク的な年でもあった。

▼「Promised Love」1stアルバム
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1978年、Warner Bros. Records / Curb Records から2ndアルバム「This Night Won't Last Forever」をリリースする。このアルバムを含む続く3枚のスタジオアルバムはいずれも Warner Bros. Records / Curb Records からのリリースとなるが、これら3枚のアルバムは、AOR ファンを中心に非常に高い評価を得ることになる。

このアルバム「This Night Won't Last Forever」からシングルリリースしたアルバムと同タイトルの「This Night Won't Last Forever」は、Billboard Adult Contemporary chart 第46位、Billboard Hot 100 第65位を、また、続くシングル「In 25 Words or Less」もBillboard Adult Contemporary chart 第36位を記録した。

▼「This Night Won't Last Forever」2ndアルバム
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1979年、3rdアルバム「Rain In My Life」をリリースする。

▼「Rain In My Life」3rdアルバム
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1982年、自身の名前を冠した4thアルバム「Bill LaBounty」をリリースする。このアルバムからシングルリリースした「Never Gonna Look Back」は、Billboard Adult Contemporary chart 第22位、Billboard Hot 100 第110位を記録した。

▼「Bill LaBounty」4thアルバム
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Bill LaBounty はキーボード奏者、シンセサイザー奏者としても才能を発揮し、James Taylor、Jennifer Warnes、Patti LaBelle、Peter Cetera などのアーティストとともにスタジオで音楽制作を行っている。

1983年、Bill LaBounty はそれまでのベースとなっていたロサンジェルスを離れ、ナッシュヴィルに移住する。この時期に妻で作曲家である Beckie Foster と出会い、共同で音楽活動をするようになるとともに、作曲家としてポップ・カントリー系のシンガーにも多数の曲を提供し、Billboard Country chart でNo.1に輝いた Steve Wariner の「Lynda」(1987年)、「The Weekend」(1987年)、「I Got Dreams」(1989年)や映画「Pretty Woman」のエンディングテーマである Peter Cetera の「No Explanation」(1990年)などのヒット曲を手掛けた。

1991年、Robbie Dupree と共同プロデュースした「The Right Direction」や「Mr. O」などのシングル曲を含む通算5枚目となるソロアルバム「The Right Direction」の French Editions(La Califusa Records)と Japanese Editions(Dreamsville)をヨーロッパと日本でそれぞれリリースする。Bill LaBounty は同年このアルバムのリリースに伴い川崎のクラブ・チッタで日本初公演を実現している。

なお「The Right Direction」は、1994年に US Edition(French Editions にライヴ音源を2曲追加した全10曲ヴァージョン)が Noteworthy からリリースされている。

▼「The Right Direction」5thアルバム
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2009年、6thアルバム「Back To Your Star」を Chill Pill Records からリリースする。

▼「Back To Your Star」6thアルバム
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2014年、元 Crackin'の Rick Chudacoff プロデュースによる7thアルバム「Into Something Blue」をリリースする。

現在も自身のWebサイトを立ち上げ、音楽活動を継続中である。

▼「Into Something Blue」7thアルバム
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(出典:「Bill LaBounty」(19 May 2015 18:02 UTC) 『Wikipedia英語版』他)



Bill LaBounty と言えば AOR の名曲「This Night Won't Last Forwver」で日本でも人気を博したミュージシャンである。

「This Night Won't Last Forwver」(邦題:「涙は今夜だけ」)は、AOR を代表する名曲として AOR 系のコンピレーションアルバムにもよく収録される Bill LaBounty を代表する楽曲であり、1990年にフジテレビ系で放送されていたドラマ「すてきな片思い」(柳葉敏郎、中山美穂出演)の挿入歌として使用されたことで、特に日本におけるファンが多いラブソングでもある。

ただ、この「This Night Won't Last Forwver」を収録する同タイトルの2ndアルバム「This Night Won't Last Forwver」は、ポップ色が薄く収録曲の充実度という点において今一つといった感があることから、今回は Bill LaBounty のアルバムの中でも収録曲の充実度が高く AOR の名盤として評価が高い自身の名前を冠した3rdアルバム「Bill LaBounty」を紹介させていただくことにした。

▼ Bill LaBounty
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アルバム「Bill LaBounty」は個人的にも Bill LaBounty の Discography の中でベストなアルバムとして推す作品であり、自分の名前を付けるだけあって彼を代表する AOR の名曲が目白押しで、AOR ファン必聴のアルバムとなっている。

アルバム全体としては、ソフト&マイルドで非常に落ち着いた良質なポップミュージックという印象であり、何処となく Bobby Caldwell を思い起こさせる哀愁を帯びたハスキー系ヴォイスが、そうした曲調によく合ってそこはかとなく大人な雰囲気を醸し出している。

ちなみに Bill LaBounty は後にカントリーミュージックシーンでも活躍しているが、そうした指向や素養は既にこのアルバムのサウンドにも表れているように感じられる。

R&B やソウル系のブラックミュージックが全盛の昨今、こうした落ち着いたメロウポップサウンドを提供してくれる白人系男性ミュージシャンはめっきり少なくなってしまった。

季節が秋めいてくると上質で落ち着いたポップミュージックを聴きたくなるのだが、最近はなかなかこれぞという新譜に出会うことができず、結局は80年代や90年代の AOR サウンドに行き着いてしまう状況は、何とも寂しい限りである。

そうした状況の中で、80年代が香る聴き応えのあるポップミュージックを提供してくれるある意味 AOR のクラシックアルバムとも言える「Bill LaBounty」であるが、中でもリードトラックである「livin' It Up」は、「This Night Won't Last Forwver」と並んで Bill LaBounty を代表する AOR の珠玉の名曲である。後半の間奏の泣きの Alto Saxophone は何とかの David Sanborn による演奏である。

この軽快で爽やかな「Livin' It Up」ももちろんこのアルバムの目玉の一つであるが、Bill LaBounty の真骨頂はやはり圧倒的なスケール感のスローバラッドであろう。

アルバムで特に際立つのが Nick DeCaro によるストリングスアレンジも冴える04「Slow Fade」と08「It Used to Be Me」と10「Secrets」の3曲のバラッドである。

いずれもストリングスが冴えわたるスイートでメロウな哀愁に満ちた楽曲であり、今聴いても決して色褪せることのない心に染み入るメロディーは、まるで映画音楽のエンディングテーマようなスケール感を持ったドラマティックな楽曲である。特にエンドトラックの「Secrets」は鳥肌もののアーバンシティーバラッドである。

Bill LaBounty は、髭が印象的で頭髪が少し寂しい中年オヤジといった風貌で洗練された AOR のイメージとは程遠いが、却ってその風貌が ソウルミュージック のような無骨な香りを漂わせ、いい意味で Bill LaBounty の魅力の一部となっているようである。

Bill LaBounty の AOR の名盤3部作と称されるアルバムの一角を占める「Bill LaBounty」は、初秋の香りを感じる今の時期にミディアム&スローテンポのやさしく爽やかな風のような AOR メロディーを堪能するのにもってこいのアルバムではないだろうか。

▼ 近年の Bill LaBounty(2012年)
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■ Album Release Note
素朴で人間味溢れる歌声,憂いを帯びたメロディー,無駄のないサウンド,これらが一体となって,ビル・ラバウンティは,80年前後のAORブームの中で静かな人気を集めた。これは,82年の作品で,彼の代表作。いまきいても,色褪せていないのが凄い。- CDジャーナル

▼ Bill LaBounty
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Bill LaBounty」を素材として二次利用しています。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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