FC2ブログ

2020-05

愛知県美術館 「芸術植物園」

j0200■ アートデータ
展覧会名:芸術植物園
会場:愛知県美術館(愛知芸術文化センター)
会期:2015年8月7日(金)‐10月4日(日)
主催:愛知県美術館・朝日新聞社

アート総評価:80


■ アート雑感 ‐ 愛知県美術館企画展「芸術植物園 BETWEEN BOTANY AND ART」

先日、愛知芸術文化センター内にある愛知県美術館で開催中の企画展「芸術植物園 BETWEEN BOTANY AND ART」を鑑賞したので、その時の感想などを紹介したい。

▼ 愛知県美術館
画像



愛知県美術館を訪れたのは今回の企画展の会期後半に差し掛かった週末の夕方であったが、思いのほか鑑賞者が多く、正直いい意味で意外であった。

例えば印象派の企画展のように人がどっと押し寄せるような万人受けする内容ではないため、閑散とした展示室を想像していたのだが、自分のペースで落ち着いて鑑賞できる程度のちょうどよい込み具合であった。

「水も肥料も要りません!はじめてでも簡単、“芸術植物”の育て方」というキャッチコピーもなかなか面白く、今回の美術展を企画したという愛知県美術館の副田一穂学芸員の「芸術作品のなかに育つ植物」というコンセプトが広く受け入れられた結果と言うことであろうか。

さて、企画展は「芸術植物園」となかなか洒落たタイトルである。愛知県美術館の公式ホームページによると企画展の趣旨は次のとおりである。

「植物の特徴を客観的に把握しようとする科学的な眼と、植物を美的なものとして感じ取ろうとする芸術的な眼との違いはどこにあるのか。また、これら二つの眼は両立しない正反対のものなのだろうか。古代の植物文様から、江戸時代の花鳥画や植物図譜、近代の奇妙な植物写真、造花のように人工的な植物を用いた現代美術まで、古今東西さまざまな美術作品に登場する植物と、その当時の植物学との密に絡み合った関係を解きほぐしながら、植物を集め分類することや、新しい植物を生み出すことに魅せられた作家たちの多彩な表現を紹介する企画展『芸術植物園』。」

▼「おへその庭」安藤正子
画像



植物といえば絵画でも定番のモチーフであるが、今回の企画展では古代の植物文様から江戸時代の花鳥画、東西の本草学図譜、近代の植物写真、洋画、現代アートに至るバラエティに富んだ作品が展示されていた。

確かに生の草花も美しく香りも鑑賞できる点で素晴らしいが、モチーフとして取り入れられたアート作品の中の植物もまた違った意味で魅力的である。

アート作品の中で永遠の生命を与えられたことで有機質としての植物とは違った無機質としての新たな魅力が宿した植物。その観る者に全く次元の異なる感動を与える圧倒的な具象群に囲まれ、まさに「芸術植物園 BETWEEN BOTANY AND ART」というタイトルの意を解した気がした。

個人的には軸に描かれた桜など特に日本画にそこはかとない気品と貫録が感じられ、改めて日本画の素晴らしさを実感したのだが、広く知られた芸術作品にありがちな既定された評価に縛られない大小様々な初見の芸術作品が陳列されている中で、鑑賞者がそれぞれの感覚で自由に楽しむことができる、まさに「植物園」のようなカジュアルな感覚の美術展であり、派手さはないかなかなか面白い視点による企画展であった。

会期は10月4日(日)までである。会期の終わり頃は混在するかもしれないが、よろしければ足を運んでみてはいかがであろうか。

▼「薫房」小茂田青樹
画像




■ 見どころ(出典:「愛知県美術館ホームページ」

眼の前に、名も知らぬ植物が生えているとしましょう。その植物は、食べられるでしょうか?それとも毒をもつ危険なものでしょうか?その植物は、どの季節にどんな花を咲かせるでしょうか?またそれは昔から馴染みのある植物なのでしょうか?そして、この植物の特徴を最もよく伝えられるように絵や図に残すとしたら、どのように描くのがよいでしょうか?

古来、わたしたち人間は、食物や薬として有益な植物と有毒で危険な植物とを取り違えないように、身近な植物の特徴を調べ、分類し、それを絵や図に残してきました。さらに時代を経て、より広い世界の植物を目にするようになると、この世に存在するあらゆる植物を網羅して、一定の基準に従って整理しようという欲求が生まれます。このような科学的な目線のかたわらで、植物は生命力に満ちた存在として、あるいは季節の移ろいを感じさせる風物として、その時々の芸術のなかに独自の表現を生み出してきました。科学と芸術、植物のこれら二通りの描き方は、時に反発し合い、時に混じり合いながら、お互いの表現をより豊かなものにしてきたのです。

古代の植物文様から、江戸時代の花鳥画、東西の本草学図譜、近代の植物写真、そして現代美術における植物表現まで、実に多様な、時に現実には存在しない植物までもが、温度と湿度をしっかりと管理した美術館という温室のなかに生い茂っています。“芸術植物”とでも呼ぶべきこれらの植物たちの魅力的な生態を、展示室を散策するようにお楽しみください。

なお、今村文(1982年愛知県生まれ)、狩野哲郎(1980年宮城県生まれ)、渡辺英司(1961年愛知県生まれ)の三作家が、この展覧会のために制作した新作の展示をおこないます。

【その他の主な出品作家】
 伊藤圭介、岩崎灌園、梅坂鶯里、小茂田青樹、恩地孝四郎、エミール・ガレ、北脇昇、菊畑茂久馬、パウル・クレー、柴田是真、島袋道浩、下郷羊雄、鈴木其一、須田悦弘、キキ・スミス、関根正二、田中訥言、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット、ヴォルフガング・ティルマンス、トーマス・デマンド、サイ・トゥオンブリ、中村岳陵、仁阿弥道八、平福百穂、藤島武二、カール・ブロスフェルト、堀江正章、三熊思孝、山本梅逸、渡辺崋山



■ 開催概要

会期:2015年8月7日(金)‐10月4日(日)
会場:愛知県美術館 [愛知芸術文化センター10階]
開館時間:10:00-18:00 金曜日は20:00まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:毎週月曜日 (ただし9月21日[月・祝]は開館)、9月24日(木)
チケット料金:一般 1,100(900)円、高校・大学生 800(600)円、中学生以下無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金(20名以上)。
主催:愛知県美術館 朝日新聞社

▼ 公式チラシ
画像



love3  参考になったという方はぜひこちらをポチッとお願いします。

スポンサーサイト



  

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://758ongakudohonpo.blog.fc2.com/tb.php/212-9f3647ee
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

Bill LaBounty 「Bill LaBounty」 «  | BLOG TOP |  » GQ 「Disco Nights」

プロフィール

香山蔵之介

Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
Life is music. Music is life.
Let's enjoy music for your wonderful life.

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

邦楽(あ行) (32)
邦楽(か行) (25)
邦楽(さ行) (31)
邦楽(た行) (12)
邦楽(な行) (10)
邦楽(は行) (25)
邦楽(ま行) (5)
邦楽(や行) (11)
邦楽(ら行) (9)
邦楽(わ行) (2)
洋楽(あ行) (19)
洋楽(か行) (10)
洋楽(さ行) (29)
洋楽(た行) (11)
洋楽(な行) (0)
洋楽(は行) (18)
洋楽(ま行) (4)
洋楽(や行) (1)
洋楽(ら行) (14)
洋楽(わ行) (1)
洋画(か行) (2)
洋画(は行) (1)
アート (6)
文化 (13)
ファッション (1)
グルメ (7)
PC (1)
健康 (1)
BLOG (3)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

アクセス数

オンライン数

現在の閲覧者数:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログランキング

ブログランキング参加中


ブログランキング参加中

Please Click !