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2020-05

Pages 「Pages」

j0184■ アルバムデータ
タイトル:Pages
アーティスト:Pages
リリース:1981年
レーベル:Capitol Records

アルバム総評価:96 点  
crown01
《名音堂 Gold Disc 認定》


■ 曲目リスト
  №  曲          名評      価  MV  
01  You Need a Hero  ★★★★★  youtube02
02  Tell Me★★★★★youtube02
03  O.C.O.E. (Official Cats of the Eighties)          ★★★★☆youtube02
04  Come on Home★★★★★youtube02
05  Sesatia★★★★★ 
06  Only a Dreamer★★★★★ 
07  Automatic★★★★☆ 
08  Fearless★★★★★youtube02
09  Midnight Angel★★★★★youtube02



■ 講評
今回紹介するアルバム「Pages」は、アメリカのロックグループである Pages が1981年に Capitol Records からリリースした3rdアルバムである。

Epic Records から Capitol Records への移籍後第一弾にして Pages 最後のアルバムとなった。

ちなみに Peges は Epic Records 時代の1978年に今回紹介するアルバムと同タイトルの1stアルバム「Pages」を、また1979年に2ndアルバム「Future Street」をリリースしているが、今回紹介する3rdアルバム「Pages」を含めいずれも Billboard にチャートインすることなく、バンドとして商業的に成功することはなかった。

▼ Pages(上:Richard Page 下:Steve George)
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Pages は1970年代から1980年代にかけて活動したアメリカのポップロックバンドである。

ヴォーカリストの Richard Page(アイオワ州キオカク出身、1953年5月16日生) と キーボードプレイヤーの Steve George(アリゾナ州フェニックス出身、1955年5月20日生) をコアメンバーとしたバンドであるが、様々なスタジオミュージシャンがサポートを行い、アルバム制作時においてそれらのミュージシャンがバンドの正規メンバーとしての役割も担っていた。

Pages はポップミュージックとジャズやフュージョンを巧みに織り交ぜるサウンドで高い評価を得ていたが、グループとして商業的に成功することはなく、3作目のアルバムをレコーディング後、解散に至ることになる。

Pages 解散後、Richard Page と Steve George はポップロックバンドである「Mr. Mister」を結成し、「Broken Wings」や「Kyrie」などのヒット曲で1980年代中期ミュージックチャートの頂点を極める成功を収めることになる。

こうしたキャリアから、Pages はサウンド面での評価というよりはどちらかと言えば Richard Page と Steve George のその後の輝かしいレコーディングキャリアの出発点となったグループとして認識されている。

▼ Richard Page(後年のSolo活動時)
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アリゾナ州フェニックスのハイスクール時代からの友人である Richard Page と Steve George(Richard Page の後輩)は、ハイスクール卒業後ロサンゼルスやラスベガスで時折一緒にバンド演奏を行っていた。

しばらくして Richard Page は音楽学校へ通うためにサンディエゴに移転する。

1977年、ロサンゼルスに移った Richard Page は Steve George を誘い、lead guitar の Peter Leinheiser、bass の Jerry Manfredi、drums の Russ Battelene とともにヴォーカルとキーボードプレイヤーとして、当時1stシングル「I Just Want to Be Your Everything」がヒットチャートのトップ争いをしていた新進のティーンアイドル Andy Gibb のバックバンドを務めることとなる。

1977年を通して Andy Gibb のバックバンドとしてツアーにも参加。

1977年末にはこのバックバンドでジャズ・フュージョン系のオリジナルデモテープを録音する。このテープがアメリカのロック・バンド「Blood, Sweat & Tears」 の前ドラマー Bobby Colomby の目に留まり、バンド名を「Pages」と名付けて Epic Records との契約に至る。

バンドには Richard Page のいとこである John Lang も参加したが、John Lang は楽器の演奏ができなかった(本人は聴覚障害の状態にあると主張)ため、主に作詞を担当した。

1978年、Pages のバンド名を冠した1stアルバム「Pages」をリリース。

▼「Pages」1stアルバム
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アルバムにはライトファンクな「Clearly Kim」、カリプソの「Love Dance」、ドライヴィングロックな「Room At The Top」からスムースでハーモニーなバラッド「This Is For The Girls」、「I Get It From You」、さらにはインストゥルメンタル曲である「Interlude」まで幅広いジャンルの楽曲が収録された。

このアルバムには多数の印象的なセッションミュージシャンが参加しており、Bobby Colomby がプロデュースで参加、Philip Bailey (Earth, Wind & Fire)、Steve Forman、Dave Grusin、Claudio Slon、Victor Feldman、Michael Breckerといった錚々たるメンバーが名を連ねていた。

アルバムでは Richard Page がほとんどの楽曲のリードヴォーカルを務めていたが、「Let It Go」と「Listen For The Love」の2曲は Steve George がリードヴォーカルを務めた。

当時 Bobby Colomby は「Pagesはコンテンポラリーミュージックの主流を代表するバンドになるよ。彼らは様々な要素を利用してラジオのあらゆる番組にアピールする独自の味のある作品に仕上げてしまうんだ。」と評価した。

だがこうした評価にも関わらずラジオにおいて Pages の楽曲が取り上げられることはなく、アルバム「Pages」、シングルリリース曲「If I Saw You Again」のいずれも Billboard にチャートインすることはなかった。

アルバムのレコーディング後、Peter Leinheiser と Russ Battelene はバンドを離脱する。

デビューアルバムが商業的に失敗に終わった後、1979年に2ndアルバム「Future Street」のレコーディングに取りかかる。

▼「Future Street」2ndアルバム
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このレコーディングに際して acoustic and electric guitar の Charles "Icarus" Johnson と drums の George Lawrence がバンドに加わる。

Richard Page は「Jerry Manfrediと Steve George と僕で全部の楽曲を作曲していたんだけれど、どうもうまくいかなかったんだ。みんな分かっていたんだけど長い間ずるずると来てしまって言いだせなかったんだよ。Charles Johnson と George Lawrence が加わったことで初めてすべてが完璧になったんだ。可能性は僕らの目の前に迫っていたのさ。」と二人の加入を評している。

▼ Pages(1979)
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(左から右へ)
Charles "Icarus" Johnson
Steve George
Jerry Manfredi
Richard Page
George Lawrence

1stアルバムに続いて Bobby Colomby がプロデュースしたこのアルバムは、幾分ハードエッジなポップロックサウンドの1stアルバムが持つ繊細で巧みな響きにプログレッシヴな響きを織り交ぜたサウンドとなった。

「Future Street」に参加したミュージシャンやアーティストには、「Who's Right Who's Wrong」のバックヴォーカル・作曲で参加した Kenny Logginsを始め George Hawkins、Joey Trujillo、Jai Winding、Steve Lukather らが名を連ねている。このうち George Hawkins は「Two People」のリードヴォーカルを務めた。またコアメンバーの John Lang がアルバムジャケットをデザインしている。

アルバム冒頭のエネルギッシュなトラック「I Do Believe In You」は1979年12月の Billboard Hot 100 で最高第84位を記録している。この楽曲がバンド唯一の Billboard チャートイントラックとなった。

こうして2ndアルバム「Future Street」は将来の商業的な可能性を示したが、結局アルバム自体がチャートインすることはなかった。

これによりバンドは Capitol Records に移籍し、当時人気を博していたプロデューサー Jay Graydon にアルバム制作への参加を依頼することになる。

こうして1981年、Jay Graydon のプロデュースにより1stアルバムと同じバンド名を冠した3rdアルバム「Pages」がリリースされた。

なお、この時点でクレジット上の Pages のメンバー は、Richard Page、Steve George、John Lang の3名となっている。ただし、Charles "Icarus" Johnson はコンポーザーとエレクトリックギターでバックミュージシャンとしてアルバム制作に参加している。

▼「Pages」3rdアルバム
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▼「Pages」ジャケット裏面
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このアルバムからは「You Need a Hero」と「Come on Home」の2曲がシングルリリースされたが、この2曲だけが Jay Graydon ではなく Bobby Colomby プロデュースによる楽曲となっているところが実に興味深い。(「Come on Home」に関しては Jay Graydon は作曲で参加している。)

この「Pages」には、Richard Page (lead and background vocals)、Steve George (backing vocals, Fender Rhodes, synthesizer: Yamaha CS-80 - Oberheim - ARP 2600, Mini-Moog, clavinet, electric power oboe and grand piano)、John Lang (co-writer)のコアメンバーに加えて、Charles Johnson (guitar)、Neil Stubenhaus (bass)、Ralph Humphrey (drums)、Steve Khan (electric guitar)、Jeff Porcaro (drums)、Paulinho DaCosta (percussion)、Vince Colaiuta (drums)、Tom Scott (sax)、Jay Graydon (guitars, synthesizer programming, producer)、Mike Baird (drums) 、Al Jarreau (vocal flute)ら錚々たるスタジオミュージシャンが参加しているが、こうした豪華なラインナップにも関わらず、このアルバムもチャート的には不発に終わった。

3rdアルバムも商業的に失敗に終わったことを受けて Richard Page と Steve George は Pages の解散を決定し、引く手あまたのソングライターとバックヴォーカリストとしてセッション興行に戻ることになった。

その後、彼らは Jay Graydon と並び称される David Foster や Quincy Jones といった著名なプロデューサーとレコーディングを行うとともに、Al Jarreau、Donna Summer、Chaka Khan、REO Speedwagon、Kenny Loggins、Pointer Sisters、Molly Hatchet、Twisted Sisterらのアルバムにも参加することになる。

また Richard Page と Steve George は Chicago の Bill Champlin や Madonna の「Like a Virgin」の作曲で知られる Tom Kelly と共に Village People の楽曲にヴォーカルで参加するとともに、Richard Page は Kelly Keagy、Tommy Funderburk とともに有名なバックヴォーカルトリオの一員を務めるなど幅広い音楽活動を展開した。

1982年、Richard Page と Steve George は、再び継続的なメンバーと共によりポップオリエンテッドなバンドを結成することを決意し、4人組のバンド「Mr. Mister」を結成する。

なお Mr. Mister は、1985年に発表した2ndアルバム「Welcome to the Real World」から「Broken Wings」と「Kyrie」の2曲の全米ナンバー1ヒットシングルを生み出し、ようやく商業的な成功を手にすることとなった。

(出典:「Pages (band)」(22 June 2015 02:58 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼ Mr. Mister(中央右:Richard Page 右:Steve George)
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Pages は日本においても AOR サウンドのロックバンドとして知られているが、今回紹介する3rdアルバム「Pages」は、驚くほど TOTO ライクなサウンドのアルバムとなっている。

特に05「Sesatia」と07「Automatic」は、TOTO の楽曲と言われても全く違和感がないほどテイストが似ており、思わず笑ってしまったほどだ。TOTO のドラマーの Jeff Porcaro が Drums で参加しているのも何かの縁だろうか。

アルバム自体は AOR らしい爽やかなメロディーとノリの良いリズムのアダルトコンテンポラリーなウェストコーストロックがメインで、聴いていて実に爽快な気分にさせてくれる一服の清涼剤のようなアルバムといった印象である。

それもそのはず、このアルバムのサウンドプロデュースを手掛けたのは、数々の AOR の名曲を世に送り出した名プロデューサーとして知られる Jay Graydon その人である。

プロデューサーが Jay Graydon と聞いて、このアルバムの持つ AOR ファンの琴線に触れるサウンドカラーに納得された方も多いのではないだろうか。

アルバムを聴くと要所要所に盛り上がりのツボを心得た Jay Graydon らしい巧みなサウンドアレンジが効いていることがよく分かるが、その一方で Pages もそのアレンジに爽やかなヴォーカルとバックコーラスで見事に応えており、全体として非常にアーバンシティ感溢れるクールなロックサウンドに仕上がっている。

また、シンセサウンド系のテクニカルエンジニアも多数参加するなど、サウンド面での完成度も非常に高いと感じさせる。

中でも印象に残るメロウなトラックが、Jay Graydon が作曲に参加した04「Come on Home」と06「Only A Dreamer」である。

特に「Come on Home」は、グラミー賞受賞者でウェスト・コースト・ジャズ、フュージョンを代表する Tom Scott によるAOR 定番の間奏のサックスも実にビビットでシビレル音を響かせているミディアムテンポの落ち着いたポップテイストなロックだ。

一方「Only A Dreamer」も、Jay Graydon による AOR 定番の間奏の泣きのギターサウンドがたまらない Richard Page と Steve George のバックグランドヴォーカルも爽やかなアップテンポで切れの良いロックである。

そして極め付けが AOR ファンの中でも定評のあるラストトラックの珠玉のバラッド「Midnight Angel」である。まさに完璧と言えるトラック配置だ。

Pages 自体はそれほどメジャーなグループではないかもしれないが、アルバム「Pages」は間違いなく AOR ミュージック史に足跡を残す名アルバムと言えるだろう。

ロックテイストな AOR に興味があるならぜひ聴いてほしい AOR を代表する一枚である。

それにしてもこのアルバムが商業的に成功しなかったことが不思議でならない。本当に聴き応えのある記憶に残るアルバムだと思うのであるがいかがであろうか。

▼ 近年の Richard Page
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■ アルバムリリースノート
1981年に発表したロック・バンド、ペイジズのアルバム。「テル・ミー」「フィアレス」他、全9曲を収録。- Amazon

本作は、後にMr.ミスターで活動するリチャード・ペイジ、スティーヴ・ジョージを中心に結成されたバンド、ペイジズが1981年に発表、キャピトルに残されたラスト・アルバム。プロデュースは、ジェイ・グレイドンが担当。- Amazon

*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「Pages (band)」を素材として二次利用しています。


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名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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