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2020-05

The Style Council 「Our Favourite Shop」

j0162■ アルバムデータ
タイトル:Our Favourite Shop
アーティスト:The Style Council
リリース:1985年5月9日
レーベル:Polydor Records

アルバム総評価:85


■ 曲目リスト
  №  曲          名評     価  MV  
01  Homebreakers  ★★★★☆   
02  All Gone Away★★★★★ 
03  Come to Milton Keynes★★★★★ 
04  Internationalists★★★★★ 
05  A Stones Throw Away★★★★☆ 
06  The Stand Up Comic's Instructions★★★☆☆ 
07  Boy Who Cried Wolf★★★☆☆ 
08  A Man of Great Promise★★★★★youtube02
09  Down in the Seine★★★★☆ 
10  The Lodgers
 (or She Was Only a Shopkeeper's Daughter)    
★★★★☆youtube02
11  Luck★★★★★youtube02
12  With Everything to Lose★★★★☆ 
13  Our Favourite Shop★★★☆☆ 
14  Walls Come Tumbling Down★★★★★youtube02
15  Shout to the Top! (USA Remix)★★★★★youtube02

※ Listは Limited Edition によるもの。

■ 講評
今回紹介するアルバム「Our Favourite Shop」(US title「Internationalists」)は、イギリスのバンドである The Style Council が1985年に Polydor Records からリリースした2ndスタジオアルバムである。

このアルバムは、一部収録曲を変えた形で Universal Music Group 傘下の Polydor Records の姉妹レーベルである Geffen Records から「Internationalists」という別タイトルでアメリカにおいてリリースされている。

▼「Internationalists」US Release
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アルバム収録曲の音楽スタイルは、ソウル、ラップ、ジャズ、ロックと広範囲にわたっているが、その歌詞は、人種差別主義、行き過ぎた消費主義、利己的な政府の悪影響、メンバーであるPaul Wellerの友人の自殺、バンドが現状を打開できないことへの腹立たしさなどを攻撃対象としており、シリアスで反体制的なメッセージ性の強い内容となっている。

アルバムには、UK Singles Chart で第7位を記録した「Shout to the Top!」、第6位を記録した「Walls Come Tumbling Down!」などヒットを記録したシングル曲が多数収録されており、アルバム自体も UK Album Chart で第1位を獲得し Gold Disc を受賞している。

▼「Our Favourite Shop」CDジャケット
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画像



しかしながら、アルバムの持つ反体制的で左派的なカラーもあってか US Billboard 200 では第123位とアメリカにおいてはまったく売れなかった。

▼「Shout to the Top!」7thシングル
UK Singles Chart 第7位を記録
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▼「Walls Come Tumbling Down!」9thシングル
UK Singles Chart 第6位を記録
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▼「Come to Milton Keynes」10thシングル
UK Singles Chart 第23位を記録
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▼「The Lodgers」11thシングル
UK Singles Chart 第13位を記録
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▼「Boy Who Cried Wolf」12thシングル
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Paul Wellerは、2006年にこのアルバムについて「私は The Style Council に全幅の信頼を置いていた。結成後最初の数年間は The Style Council に夢中だったし、それが生活のすべてだった。The Style Council が私の言動と行動のすべてだったんだ。アルバム「Our Favourite Shop」はその極致の作品だよ。」と語っている。

その言葉通り、アルバム「Our Favourite Shop」は、まさに The Style Council を代表するアルバムと言えるだろう。

(出典:「Our Favourite Shop」(22 February 2015 00:03 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼ The Style Council
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The Style Council (スタイル・カウンシル) は、1983年にイギリスのロックバンド「The Jam」のヴォーカル兼ギタリストであった Paul Weller(1958年5月25日生)と「Dexys Midnight Runners」と「The Merton Parkas」のメンバーであったキーボーディストの Mick Talbot(1958年9月11日生)により結成されたイギリスのポップ・ロックバンドである。

メンバーは流動的であったが、基本的にはリーダーであるメインボーカル、ギターの Paul Weller とオルガン、シンセサイザーの Mick Talbot を基本メンバーとし、加えて Paul Weller の最初の妻であった ヴォーカリストの Dee C.Lee と ドラマーの Steve White の4人で構成されることが多かった。

また、Tracie Young やイギリスの2人組音楽バンドである「Everything but the Girl」の Tracey Thorn など他のアーティストとコラボレートすることが多いことでも知られるバンドでもあった。

Paul Weller が以前所属していた「The Jam」同様に、ロンドンに拠点を置いた活動がほとんどであったため、そのヒットもイギリスに限定されたものであったが、オーストラリアではトップ40に6曲、ニュージーランドにおいてはトップ40に7曲ランクインするなど国外でもヒットを記録している。

▼ The Style Council(右:Paul Weller 左:Mick Talbot)
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イギリスのパンクバンド「The Jam」のリーダーとして1977年にデビューした Paul Weller は、1982年に The Jam を解散し、Mick Talbot と共に「The Style Council」を結成する。

1983年、ソウルミュージックの影響を受けた「Speak Like A Child」(UK Singles Chart 第4位)、ファンク色の強い「Money-Go-Round」(UK Singles Chart 第11位)、シンセバラッドの「Long Hot Summer」(UK Singles Chart 第3位)と、多様な音楽スタイルのシングルを立て続けにリリースする。

1983年末には、これら3枚のシングル曲を収録したミニアルバム「Introducing The Style Council」をリリースするが、このミニアルバムは日本を皮切りにニュージーランド、カナダ、アメリカのみでリリースされ、イギリスにはヨーロッパリリース盤として輸入されるという変わり種のアルバムであった。

1984年、ハモンドオルガンのインストゥルメンタル曲「Mick's Company」をB面に収録したシングル「My Ever Changing Moods」が US Billboard Hot 100 で第29位を記録する。この楽曲は Paul Weller にとってソロ及びグループとしての活動を通じてアメリカで最も成功した楽曲となった。

同年、この「My Ever Changing Moods」を含む公式デビューアルバム「Cafe Bleu」をリリース。ジャズやソウルなど、様々な音楽がミックスされた洗練されたポップスは高評価を得ることになり、UK Album Chart 第2位を記録するヒットとなった。

続く1985年に2ndアルバム「Our Favourite Shop」がリリースされると UK Album Charts 第1位を獲得し、The Style Council の評価はさらに高まり、バンドとして絶頂期を迎えることとなる。

1984年12月、Paul Weller は「Soul Deep」をレコーディングするため、慈善楽団である「the Council Collective」を結成し、ストライキ中の鉱夫たちとこのストライキで亡くなった鉱夫のDavid Wilkieの残された家族のために資金を捻出する。

「Soul Deep」のレコーディングには The Style Council の他に Jimmy Ruffin や Junior Giscombe など他の音楽家も加わり、歌の政治的な内容にも関わらず BBC Radio で一度だけ取り上げられ、イギリスBBC放送の生放送音楽番組「Top of the Pops」においても演奏された結果、UK Singles Chart 第24位を記録した。

▼ The Style Council
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The Style Council は彼らの歌詞において The Jam よりもより一層政治的なアプローチを取ったが、それは1985年リリースの「Walls Come Tumbling Down」、「The Lodgers」、「Come To Milton Keynes」などの楽曲に顕著で、イギリスの中流階級と1980年代に流行したサッチャリズム(1980年代のイギリスでマーガレット・サッチャー政権によって推し進められた経済政策)に対する攻撃を意識したものであった。

Paul Weller は イギリスのシンガーソングライターである Billy Bragg とともに音楽家による政治的な集団「Red Wedge」の立ち上げにも加わるが、後に「我々は当時起こっていた多くの政治的な出来事に関心があった。後で考えるとそういったものが少なからず音楽を覆っていたようだ。」とこうした政治的な活動が自身の音楽に影響を与え始めたと語っている。

1986年、The Style Council はライブアルバム「Home and Abroad」を、1987年には3thアルバム「The Cost of Loving」をリリースし、「The Cost of Loving」は UK Album Chart Music Week 第2位のヒットを記録する。

1987年、アルバム未収録曲である「Wanted」をリリースし、UK Singles Chart 第20位を記録する。

しかしながら1988年にリリースした4thアルバム「Confessions of a Pop Group」(邦題:「ポップ・グループの告白」)は UK Album Chart 第15位、US Billboard 200 の第174位とさほど売れず、評論家からも酷評されることになる。

この結果、1989年にレコーディングされたハウスシーンからの影響を受けたと言われるバンド最後となる5thアルバム「Modernism: A New Decade」のリリースをレコードレーベルである Polydor から拒否されてしまい、結果的にこのアルバムは、1998年のボックスセットによる発売まで日の目を見ることはなかった。

そんな中、1989年にアルバム未収録曲「Promised Land」を含むベストアルバム「The Singular Adventures of The Style Council」をワールドワイドにリリースし、イギリスで第27位を記録する。

1989年メンバーたちは「King Truman」の名前で「Like A Gun」というタイトルのアシッドジャズのシングルをリリースするが、これはレコードレーベルであるPolydorに秘密裏に行われ、リリース後わずか3日間で店頭から引き揚げられた。

こうして The Style Council は、1989年解散に至る。

なお、Paul Weller と Mick Talbot は、解散後もそれぞれ音楽活動を継続している。

(出典:「The Style Council」(19 December 2014 21:08 UTC) 『Wikipedia英語版』)

▼ The Style Council
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The Style Council と言えば、今回紹介したアルバム「The Favorite Songs」の収録曲「A Man of Great Promise」、「Luck」、「Walls Come Tumbling Down」、「Shout to the Top!」などに代表されるように、非常にスタイリッシュで洗練されたダンサブルなラウンジ風ポップサウンドをイメージさせるバンドである。

このため1stアルバム「Cafe Bleu」や2ndアルバム「Our Favourite Shop」が日本でヒットした当時は、The Style Council を聴くこと自体が流行に敏感でお洒落というイメージで見られる傾向にあったため、一部のオシャレ系男子に一種のステイタスシンボルとして好んで聴かれることもあった。

確かにこれらのアルバムを聴くと、ジャズやボッサノヴァをベースにポップとロックを融合したような洒落たサウンドを展開しており、ラウンジ系のインストゥルメンタル曲にも積極的に挑戦するなど、当時流行していたブリティッシュロックとは明らかに一線を画す大人な雰囲気のサウンドを提供してくれるバンドであった。

また、ニューロマンティックムーヴメントのようにことさらルックスを強調するのではなく、(とは言いながらも Paul Weller は超イケメンであるが…)スーツでスタイリッシュに決めるスタイルは、いかにもイギリス的でジェントルな雰囲気を漂わせ、そうした古典的な側面とニューウェイブなサウンドという新しい側面を併せ持った異色なバンドであったと言えるだろう。

ただ、その歌詞は非常にシリアスで政治的なメッセージ性の強い内容となっており、メロディアスな楽曲から受ける印象とはかなりギャップがあった。

そうしたアクの強い反体制的で左派的な歌詞の傾向からか、アメリカではさっぱりヒットしなかった珍しいバンドでもある。

まあ、「Our Favourite Shop」のアメリカにおけるリリースタイトルが「Internationalists」(国際主義者(共産主義者的な意味合い))ではアメリカ人が引くのも無理ないかもしれないが。

また、The Style Council の場合、シングルリリースされた楽曲はキャッチーでダンサブルであったが、それ以外のアルバム収録曲はインストゥルメンタル曲も含めてジャジーで凝ったサウンドが多く、そうした万人向けとは言い難い楽曲のせいもあってか、日本では一部の洋楽ファンには圧倒的に支持されたものの、大ヒットするという状況には至らなかった。

解散前にはアシッドジャズに傾倒したことからも、単なるポップサウンドに止まらない The Style Council の音楽の多様性や本質が窺えよう。

ただあくまで個人的見解ではあるが、例えば「Our Favourite Shop」リリースの翌年の1986年にリリースされた佐野元春の5thアルバム「Cafe Bohemia」に収録されている「ヤングブラッズ Young Bloods」などは、そのメッセージ性も含めて間違いなく The Style Council の「Shout to The Top!」の影響を強く受けていることが窺えるなど、The Style Council の革新的なサウンドや反社会的なリリックスが当時の日本のミュージシャンに与えた影響は少なくなかったと推察される。

いわゆる通好みとも言える The Style Council のサウンドであるが、アルバム収録曲の中でも「Walls Come Tumbling Down」と「Shout to the Top!」は The Style Council にしか出せない独特のメロディーとリズムを持ったこれぞ The Style Council と言えるポップサウンドであり、彼らを代表する楽曲としても知られている。

特に「Shout to the Top!」は、1985年の映画「Vision Quest」のサウンドトラックにも収録された The Style Council の名曲中の名曲であり、改めてこの楽曲を聴くと、シンプルなように聴こえて実はかなり個性的なメロディーの楽曲であることが分かる。

この癖のあるメロディーこそが The Style Council の大きな魅力とも言えるだろう。

また、ファッショナブルでお洒落感が漂うサウンドである点では、同じイギリスのグループである Swing & Sister に相通じるものがあるが、The Style Council の方がよりジャジーでライブ感が強く、聴く曲によってはジャズのアルバムかと勘違いしてしまうほど個性的な曲調の楽曲で構成されたアルバムとなっている。

ただし、当時のイギリスのサッチャー首相の政策を辛辣に批判した楽曲など反体制的なメッセージ性の強い歌詞も極めて特徴的であり、メロディーに加えてじっくりと歌詞に向き合った時に好き嫌いが分かれるバンドかもしれない。

音楽に政治的なメッセージを盛り込むことには賛否両論あるだろうが、そうした議論は別にして、とにかくアルバム「The Favorite Songs」は The Style Council を代表するアルバムにして彼らの最高傑作と言えるアルバムである。

今まで歌詞をあまり意識しなかった方は、ぜひ歌詞もじっくり味わって聴いていただきたい、そんな奥が深いアルバムである。

そうすれば意外に外見とは違った The Style Council の魅力に気付かされるかもしれない。

▼ 近年の Paul Weller 歳をとっても渋い!!
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▼ 近年の Mick Talbot  特に悪意はありません…
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■ アルバムリリースノート
ザ・スタイル・カウンシルというユニットとしてだけではなく、ポール・ウェラーの音楽キャリアのなかでも重要な位置を占める作品である。ゴージャズ、ファンキー、ソウルフル。そして何よりも華やかなポップセンスこそが、本作の魅力だろう 。バラエティに富んだサウンドと、社会を鋭くえぐり出すアイロニーたっぷりの歌詞も1つの高みに達している。本作からは実に5曲がシングルカットされ、いずれも大ヒットを記録。特に「Walls Come Tumbling Down」と「Shout to the Top!」は、80年代を象徴するポップソングだ。- Amazon

▼ The Style Council
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*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「The Style Council」「Our Favourite Shop」を素材として二次利用しています。


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名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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