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2020-05

KAN 「ゆっくり風呂につかりたい」

j0156■ アルバムデータ
タイトル:ゆっくり風呂につかりたい
アーティスト:KAN
リリース:1991年5月22日
レーベル:ポリドール

アルバム総評価:93


■ 曲目リスト
  №  曲          名評     価  MV  
01  発明王  ★★★★☆   
02  決まりだもの★★★★☆ 
03  プロポーズ★★★★★youtube02
04  ときどき雲と話をしよう★★★★★ 
05  ぼくの彼女はおりこうさん★★★★☆ 
06  永遠★★★★★youtube02
07  信じられない人★★★★★ 
08  イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ        ★★★★★ 
09  恋人★★★★★ 


■ 講評
今回紹介するアルバム「ゆっくり風呂につかりたい」は、KAN が1991年5月22日にポリドールからリリースした通算6枚目となるオリジナルアルバムである。

オリコン週間アルバムチャートで第2位を記録している。

KAN とキーボード奏者・アレンジャー・音楽プロデューサーである小林信吾氏との共同アレンジによるアルバムとなっており、小林信吾氏は KAN の最も信頼するアレンジャーとして、5thから12thまでの計8枚のアルバムの共同アレンジを手がけている。

当時 KAN は、1987年4月25日リリースのデビューアルバム「テレビの中に」以降ほぼ1年に1枚のペースでアルバムをリリースしており、「ゆっくり風呂につかりたい」も、大ヒット曲「愛は勝つ」を収録した5thアルバム「野球選手が夢だった。」から約10か月後のリリースであった。

このアルバムには、9thシングル「プロポーズ」と10th「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」を含む全9曲が収録されており、発売当時は、風呂から半分顔を出したジャケットデザインが話題となった。

(出典:「ゆっくり風呂につかりたい」(2014年3月7日 09:40 (UTC))『Wikipedia日本語版』)

▼ KAN
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収録曲のうち、アルバムからの先行シングルとして1991年4月25日にリリースされた9thシングル「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」は、KAN 自身も銀行員・胡桃沢富男役として出演したTBS系火曜20時台のドラマ「熱血!新入社員宣言」の主題歌として使用されるとともに、スバル・レックスのCM曲にも使用され、オリコン週間シングルチャート第5位を記録している。

▼「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」9thシングル
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なお KAN 本人によれば、「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」は、「愛は勝つ」のヒットを受け「一発屋になりたくない」という強い気持ちでアルバム制作にとりかかっていた中での先行シングルとなったこと、また「愛は勝つ」がヒット中だったというプレッシャーも重なった結果、メロディー、歌詞ともに自身の納得のいく作品にはならなかったということである。

またカップリングの「ときどき雲と話をしよう」は、テレビ朝日系のスポーツ情報番組「スポーツフロンティア」の初代エンディングテーマであり、この楽曲もスバル・レックスのCM曲に使用されている。

「イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ」は、「REGRETS」「愛は勝つ」と同様に KAN 自らエンドレスメロディーと語っている楽曲で、歌詞は「愛は勝つ」のヒットを受け、1990年が一番忙しい年であることを切望して書かれたものとのことである。

▼「プロポーズ/恋する気持ち」10thシングル
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一方、1991年7月11日にリリースされた10thシングル「プロポーズ」は、1990年9月1日リリースの8thシングル「愛は勝つ」に続いてフジテレビ系バラエティー番組「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の挿入歌となり、この楽曲もオリコン週間シングルチャートで第5位を記録している。

なお、このシングルは、同じタイアップがついた「恋する気持ち」(1992年リリースのベストアルバム「めずらしい人生」に収録)との両A面タイトルとなっている。

「プロポーズ」は、Stevie Wonder の「Overjoyed」を目指して作られた曲であり、その後「Day By Day」(1992年)、「50年後も」(1999年)と続くシリーズものとなっている。

当時の Stevie Wonder のオリジナル音源にならってシンセサイザーのみでアレンジされているが、KAN が2007年の Stevie Wonder の来日公演での演奏に影響を受け、同年11月リリースのベストアルバム「IDEAS ~the very best of KAN~」に収録する際、生演奏で新録されている。

ちなみにアルバム収録曲「信じられない人」でデュエットしているのは「YOU'RE THE ONE」のヒットで知られるシンガーソングライターの種ともこであり、歌詞中に登場する「秋山さん」は日本人初の宇宙飛行士で元TBSの秋山豊寛氏のことということである。

▼ KAN
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KAN(かん、1962年9月24日生)は、福岡県福岡市出身のシンガーソングライターである。本名は木村和(きむらかん)。ジェイピールーム(アップフロントグループ)所属。

KAN 自身は、本来は本名でのデビューを希望していたが、「和」を「かん」と読ませることは稀であるため読み間違えられやすい懸念、また読み方に関する質問にその都度回答することが面倒だと思ったために芸名となったとのことである。

発表するオリジナル楽曲は、ASKAとの共作である「予定どおりに偶然に」の1曲を除き、全てKAN自身が作曲しており、ほとんどの場合、曲が先で詞は後で書くというスタイルを取っている。

主に70年代から80年代にかけての洋楽に影響を受けており、特に後期のビートルズ(ジョン・レノンやポール・マッカートニーのソロ作品も含む)や、ビリー・ジョエル、スティーヴィー・ワンダー等からは、彼の音楽のルーツともいえるほど強く影響を受けている。

メロディーやアレンジから彼らの音楽性を独自に研究し、それらの要素を自身の楽曲に積極的に取り入れている。また、楽曲的にスタイルを模倣した作品(パロディ)も存在する。

基本的にピアノをフィーチュアした楽曲が多いが、ロックンロール、ソウル、ファンク、ジャズ、ダンスビート、ラップも取り入れるなど、取り扱うジャンルは幅広い。

作曲とアレンジは切り離せない一つの作業という考えから、自ら作成したデモテープのアレンジを、レコーディングの際に大幅に変更されることを嫌う。そのため、レコーディング現場でスタッフと喧嘩になることもあったという。

そうした中で、1990年発表の5thアルバム「野球選手が夢だった。」から共同アレンジャーとして参加している小林信吾には最も信頼を置いており、このアルバム以降はほとんどが小林との共同アレンジか、KANの単独アレンジとなっている。

リズムアレンジだけでなく、ストリングスやホーンの譜面も自ら書くことも多く、その際に4小節と同じフレーズを繰り返さないというこだわりも見せている。

デビュー前はほとんど洋楽しか聴いていなかったため、作詞に関しては影響を受けた邦楽アーティストがおらず、アマチュア時代から1987年のデビュー当初までは自ら詞を書くことは少なかった。

本格的に作詞をするようになったのは1988年発表の3rdアルバム「GIRL TO LOVE」からであり(10曲中8曲を作詞)、1989年発表の4thアルバム「HAPPY TITLE-幸福選手権-」以降は全て作詞している。

詞を書くペースは遅く、曲ができてから詞が完成するのに数年以上かかる場合も多く、リズムトラックまでレコーディングを済ませておきながら、詞が完成せずにアルバムへの収録が持ち越しになることもある。

▼ KAN
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1981年(昭和56年)、法政大学社会学部に入学。

1983年に母校の福岡県立城南高等学校水泳部の先輩らが所属していたフュージョン系バンド「アネット」に、“自分のオリジナル曲をやること”を条件に加入。

1984年にヤマハ「East West '84」決戦大会で優秀賞、集英社ヤングジャンプ「Sound Contest '84」でヤングジャンプ奨励賞を受賞する。

1986年(昭和61年)にライトリンクスコーポレーション(1988年にアップフロントエージェンシー(現:アップフロントプロモーション)に吸収合併)と契約。同年、大林宣彦監督作品「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」の音楽を担当する(大林宣彦とは後に「大連・尾道友港都市博覧会」での上演作品、及びKANのセカンドシングル「BRACKET」のPVでもコンビを組んでいる)。

1987年(昭和62年)4月25日、ポリドールよりシングル「テレビの中に」及び同名のアルバムでレコード・デビュー。

1990年(平成2年)、アルバム「野球選手が夢だった。」の収録曲「愛は勝つ」が「クイズおもしろTV」エンディング曲に採用(同番組に起用されたことはあまり話題にならずヒットには繋がらなかった)。

1991年(平成3年)1月、フジテレビ系「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」の第三期エンディングテーマに用いられ、大ヒット。シングルは200万枚を超えるセールスとなり、オリコンチャートイン52週のロングヒットを記録する。

1991年(平成3年)には「愛は勝つ」が第33回日本レコード大賞(ポップス・ロック部門)を受賞。また、第42回NHK紅白歌合戦にも出場する(モーツァルト没後200周年の年であったこともあり、モーツァルトを連想させるかつら&扮装で熱唱)。

同年2月、やまだかつてないWinkに作曲提供した「さよならだけどさよならじゃない」(作詞・山田邦子)がヒットし、卒業ソングの定番曲となる。

1997年(平成9年)のコンサートツアー「LA TOUR DOMESTICA DEL DECIMO ANNIVERSARIO DAL TREDICI SETTEMBRE PASSANDO IL MIO COMPLEANNO AL OTTO NOVEMBRE」で共演したバイオリニストの早稲田桜子と、1999年4月に結婚。

2002年(平成14年)2月、「フランス人になりたい」という夢に近づくため、住居をフランス・パリに移す。また、クラシックピアノを基礎から勉強し直すため、エコール・ノルマル・ドゥ・ミュジーク・ドゥ・パリのピアノ科(ノンプロフェッショネル)第2ディヴィジョンに中途入学。翌年6月に同科第3ディヴィジョンを修了。

2004年(平成16年)7月、帰国。

2005年、初の単身弾き語りツアー「弾き語りばったり#1」を敢行。以後、「#2」(2005年)、「#3」(2006年)、「#5」(2007年)、「#7」(2008年)、「#11」(2009年)、「#13」(2010年)、「#17」(2012年)、「#19」(2014年)と、バンドライブを定期的に開催している。なお、ツアータイトルの「#(ナンバー)」は、KANが好む素数でカウントしている(#1を除く)。

2010年10月1日付で、所属事務所をアップフロントエージェンシーからジェイピールーム 移籍。

(出典:「KAN」(2015年2月21日 11:56 (UTC))『Wikipedia日本語版』)

▼ 近年の KAN
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昭和世代の方は、シンガーソングライターの KAN と聞いて何を連想するだろう。

恐らくほぼ全員の方が、彼の大ヒット曲「愛は勝つ」を思い起こすのではないだろうか。

今の若い世代は御存知ないと思うが、「愛は勝つ」は1990年から1991年にかけて、テレビやラジオからこの曲が流れない日がないほど大ヒットしたJポップであり、1991年(平成3年)の第33回日本レコード大賞も受賞した平成初期を代表する名曲である。

▼「野球選手が夢だった。」5thアルバム
※「愛は勝つ」を収録
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だが「愛は勝つ」の印象があまりに強すぎたため、KAN とこの楽曲との間に「KAN ≦ 愛は勝つ」という図式が出来上がってしまい、いつの間にか KAN には、「愛は勝つ」だけの一発屋という不幸なレッテルが貼られてしまった。

こうして「愛は勝つ」の呪縛を乗り越えることができず、いつの間にかヒットチャートからも縁遠くなってしまった KAN であるが、そんな KAN が現在も精力的に音楽活動を継続しており、シングル、アルバムとも数多くのCDをリリースし続けていることは意外に知られていない。

以前もこのブログで記したとおり、個人的には KAN のことを、昭和の時代を代表するポップミュージックのメロディーメーカーの一人であり、そのサウンドクリエーターとしての才能は、大江千里や槇原敬之にも引けを取らないと評価しているところである。

そうした彼の才能は、「愛は勝つ」を収録した5thアルバム「野球選手が夢だった。」以降にリリースされた KAN のスタジオアルバムにも遺憾なく発揮されている。

また、例えば今回紹介するアルバム「ゆっくり風呂につかりたい」に収録されている「永遠」や「プロポーズ」を Mr.Chirdren の桜井和寿がライブでカヴァーしたことが話題になったように、KAN の楽曲の魅力は、今なお第一線で活躍するミュージシャンたちも認めるところである。(ちなみに「永遠」は、つるの剛士も2009年リリースのアルバム「つるのうた」でカヴァーをしている。そういえば声質が似ている気もするが…)

卓越したメロディーセンスと叙情溢れる歌詞の世界感を兼ね備えた KAN。

その心の深淵に静かに響くハートフルで人間味溢れるサウンドは、世代の垣根を越えて人々に愛されるサウンドと言っても過言ではない。

その意味で「愛は勝つ」を知らない若い世代にこそ、KAN の楽曲をもっと聴いてほしいと常々思っているところであり、今回アルバム「ゆっくり風呂につかりたい」を紹介させていただいた。

▼ KAN
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では、そんな KAN がどうして「愛は勝つ」の後に続くヒット曲を生み出せなかったのだろうか。

やはり一番大きな理由は、当時国民的な大ヒット曲となった「愛は勝つ」の印象があまりに強すぎたことによるものだと言えるだろう。

すなわち、KAN のメロディーメーカーとしての卓越した才能を世に知らしめる前に、「愛は勝つ」のおかげであっという間に KAN のサウンドイメージが固定されてしまい、全盛期であったにも関わらず彼の多彩な楽曲をリスナーに受け入れてもらえる環境になかったということである。

また KAN は「愛は勝つ」がヒットした当時、ドラマやバラエティー番組にも出演し、非常にひょうきんで人懐っこい人柄を披露していたが、その素朴なルックスとどこかしら押しの弱さを感じさせるキャラクターのせいで印象が薄かったこともあって、メディアを活かしてうまく時代の潮流に乗り切れなかったことも要因として挙げられるかもしれない。

KAN の楽曲は、非常にストーリー性のある痛いほどナイーブでピュアな世界を表現した楽曲が多く、これこそが KAN の魅力であるのだが、「愛が勝つ」が大ヒットした後、早い時期に「愛は勝つ」のイメージを払拭するようなもっと毒やアイロニーを持った型破りなサウンドを送り出すことができていたなら、また違った展開が待っていたかもしれない。

今回紹介したアルバム「ゆっくり風呂につかりたい」は、「愛は勝つ」の大ヒット後間もなくしてリリースされたアルバムであり、その勢いの中でノリノリ状態で制作された1枚であるが、もちろん当然と言おうかそうした KAN のイメージを打ち壊すような型破りな作品とはなっておらず、いかにも KAN らしい紳士的でハートウォームなアルバムに仕上がっている。

そんなノリノリ丸出しの作品が並ぶ中で KAN を代表するラブソングの名曲と言われているのが「プロポーズ」と「永遠」であり、聴いた後に幸せな気持ちになれること間違いなしの名曲中の名曲である。

また「ときどき雲と話をしよう」や「信じられない人」も、実に素晴らしいミディアムテンポの軽快なポップである。

そんな KAN の魅力がいっぱい詰まった名曲揃いの「ゆっくり風呂につかりたい」は、ぜひ一人でも多くの方に聴いてほしい KAN を代表する1枚だ。

▼ 近年の KAN
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■ アルバムリリースノート
自身のコンプレックスを歌った「決まりだもの」や、ヴォーカルに種ともこ、バイオリンソロに中西俊博をゲストに迎えた「信じられない人」、「プロポーズ」、「永遠」などの名曲が並ぶ作品。 - Amazon

「愛は勝つ」がヒットして,あの歌は大嘘だ,ありえっこないetc…と言われてるKAN君ですが,あたしは好きデス。歌なんて大体フィクションだし,女は夢のある嘘で生きてるようなもんだしね。この人は才能あります。④なんか爆笑しちまいました。-「CDジャーナル」

▼ 近年の KAN
画像



*この記事は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたWikipediaの項目「KAN」「ゆっくり風呂につかりたい」を素材として二次利用しています。


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Author:香山蔵之介
名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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