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2020-05

Lamp 「ゆめ」

j0114■ アルバムデータ
タイトル:ゆめ
アーティスト:Lamp
リリース:2014年2月5日
レーベル:P.S.C.

アルバム総評価:94


■ 曲目リスト
  №  曲          名評     価
01  シンフォニー  ★★★★★  
02  A都市の秋★★★★★
03  ため息の行方★★★★★
04  6号室★★★★☆
05  空はグレー★★★★★
06  渚アラモード★★★★★
07  残像のスケッチ          ★★★★☆
08  二人のいた風景★★★★☆
09  静かに朝は★★★★★
10  さち子★★★★★


■ 講評
Lamp は、2000年2月、高校時代のフォークソング同好会で、染谷大陽と後輩の永井祐介によって結成されたバンドである。その後、大学時代に友人の紹介で榊原香保里が加入して現在のメンバーとなる。

音楽性はボサノヴァや、はっぴいえんど、シュガー・ベイブなどに影響を受けているとのことであり、他のミュージシャンからも高い評価を得ている。

■ メンバー
◆永井祐介(ながい ゆういち、1980年7月22日生)
ボーカル、ギター、ベース、キーボード、作詞作曲を担当。

◆榊原香保里(さかきばら かほり、1979年11月17日生)
ボーカル、フルート、アコーディオン、作詞を担当。尾方伯郎とのユニット「Minuano」(ミヌアノ)でも活動。

◆染谷大陽(そめや たいよう、1979年11月13日生)
ギター、作詞作曲を担当。

永井と榊原の奏でる美しい切ないハーモニーと耳に残る心地よいメロディーが徐々に浸透し話題を呼ぶ。定評あるメロディーセンスは、ボサノバなどが持つ柔らかいコード感や、ソウルやシティポップスの持つ洗練されたサウンドをベースにし、二人の甘い声と、独特な緊張感が絡み合い、思わず胸を締めつけられるような雰囲気を作り出している。

日本特有の湿度や匂いを感じさせるどこかせつない歌詞と、さまざまな良質な音楽的エッセンスを飲み込みつくられた楽曲は高い評価を得ている。

▼ Lamp(左:染谷大陽 中央:榊原香保里 右:永井祐介)
画像




今回紹介するアルバム「ゆめ」は、Lampが2014年2月5日に P.S.C.からリリースした通算7枚目となるオリジナルアルバムである。

これまで6枚のアルバムと1枚の音源集をリリースしており、今回のアルバム「ゆめ」は、2012年7月から1年半近くの時間を掛けて制作した力作である。

なお、当初は、今回のアルバムテーマとタイトルを「同棲時代」とし、そのテーマに沿った十篇の物語で構成するアルバムとする予定であったが、リリース前の2013年12月に「ゆめ」というタイトルに変更されている。

CDジャケットには、ロッテ「小梅ちゃん」のイラストレーションや漫画「赤色エレジー」等で知られる70年代の若者文化を代表する画家・イラストレーターである林静一氏の絵を起用しており、繊細で叙情的な Lamp の世界に彩りを添えている。当初予定されていたアルバムタイトル「同棲時代」にピッタリのイラストである。

▼ジャケット表面
画像


▼ジャケット裏面
画像



実は Lamp の楽曲を聴くのは今回が初めてなのだが、「あまり人に教えたくない、自分だけの大切な音楽」というファンの声にも思わず納得の非常に聴き応えあるまさに「お宝的なアルバム」であった。

前述のとおり、Lamp は男女のツインヴォーカルが大変印象的な3ピースの音楽ユニットである。

男性ヴォーカルである永井祐介は、朴訥で飾り気がなく、昭和のフォークソンググループ「風」の伊勢正三を思い起こさせる大人なヴォーカルの持ち主である。一方、女性ヴォーカルである榊原香保里は、声優のように非常に愛くるしい声の持ち主で、相対性理論のやくしまるえつこ張りのウィスパーヴォイスを披露してくれる。

この二人の心地よいハーモニーは非常に魅力的であり、その絶妙なバランスが Lamp の音楽の重要なエッセンスとなっている。こうしたヴォーカルスタイルは、今のミュージックシーンにおいても類まれなスタイルではないだろうか。

その特徴的なヴォーカルに加えて、その楽曲も非常に独特である。日常の一コマを切り取ったようで真逆の非日常を感じさせる抒情的な歌詞と、メロウかつセンチメンタルなメロディーが、どこかしらノスタルジーとメランコリーを感じさせる。総じてアダルトコンテンポラリーなポップスという印象である。

永井祐介のヴォーカルが伊勢正三を思い起こさせると記したが、不思議と懐かしさを感じさせるのは、メンバーの外見も含めてどこかしらサイケデリックで昭和のフォークソングの香りが漂っているからであろうか。だが、野暮ったさは微塵もなく、非常に洗練されたボサノヴァやラウンジミュージックの雰囲気も感じさせる緻密で洒落たサウンドとなっている。

「どこかで聴いたことがあるようで、一度も聴いたことがないサウンド…」恐らく Lamp を初めて聴いたとき、多くのリスナーがそんな印象を持つに違いない。その印象どおり、Lampのサウンドは一見レトロなニューミュージックやフォークソングのようであるが、その実、非常に斬新で比類なき新感覚の音楽なのである。

名付けるなら「ネオ・フォークサウンド」とでも言おうか。Lampの音楽を聴くと、そうした新たな音楽の潮流を感じずにはいられない。

▼ Lamp
画像



アルバムの1曲目は、叙情的でドラマティックなイントロで始まる「シンフォニー」である。のっけからこの実に美しく素敵な楽曲のインパクトに、否応なしにアルバム全体への期待が高まる。続く「A都市の秋」も意表を突くメロディーラインとサビの部分の転調に見事に引き込まれてしまった。

「ため息の行方」の榊原香保里のウィスパーヴォイスもまさに溜息ものである。

そして何と言ってもこのアルバム最大のタイトルは、染谷作曲、榊原作詞のLampの最高傑作さち子」である。セピア色の感傷的なドラマティックサウンドが心に沁みる見事な抒情詩である。甘く切ないメロディーが不思議に郷愁を誘うサウンドであり、まさにLampの真骨頂と言えよう。

7thアルバムにしてこの完成度の高さである。これ以前のアルバムには一体どんな楽曲が詰まっているのであろうか期待せずにはいられない。機会があればぜひ感想を記したい。

▼ Lamp
画像




■ アルバムリリースノート
《君の横顔 海辺のメロディー 風がさらった 四季のゆめ》
2014年2月5日、Lamp ニューアルバム『ゆめ』、時代の影に滲み出す。

特定のジャンルや他のアーティストを引き合いに出して語ることが憚られるほどの独自性を纏ってきたLampの7作目。

『ランプ幻想』とはまた異なる耽美主義的な志向性が色濃く出た"音楽のための音楽"とでも言うべき内容となっており、とりわけ、複雑さと美しさが高いレベルで調和した「さち子」「シンフォニー」「A都市の秋」等は、ポピュラー・ミュージックを芸術の域に昇華させたといっても過言ではない。

彼等に対し使われてきたシティ・ポップスやブラジル音楽、ハーモニー・ポップス等の様式は今作にも見られ、そういう面を期待するファンを十二分に満足させる内容であることは論を俟たない。

音楽に対する誠実さ、創作意欲、そして、イマジネーションが見事に結実した新作『ゆめ』には、確かな視線と揺るぎない価値観が貫かれている。その姿勢は"Lamp 流ロック"ともいえるだろう。

ジャケットには、ロッテ「小梅ちゃん」のイラストレーションや漫画「赤色エレジー」等で知られる70 年代の若者文化を代表する画家・イラストレーター:林静一氏の絵を起用。繊細で叙情的な Lamp の世界に彩りを添えている。- Amazon

拘り抜いた濃密なポップスで作品ごとに熱心なファンを獲得する男女3人組、Lamp の通算7枚目のアルバム。シティ・ポップスやブラジル音楽、ハーモニー・ポップスと形容されるこれまでの様式を引き継ぎつつ、彼らの音楽に対する誠実さ、創作意欲、イマジネーションが見事に結実した一枚。 - Amazon

■ Lamp プロフィール
染谷大陽、永井祐介、榊原香保里により、2000年の冬に結成される。曲作りや録音方法だけでなく、言葉の世界やコンセプト、さらにはアートワークまで、時間を掛け徹底的に拘り抜く制作姿勢とその濃密な作品内容から、リリースの度に多くの熱心なファンを獲得してきた。

70年代~80年代のブラジル音楽や60年代後半のサイケデリック・ミュージック等に影響を受けつつも、それをワールドミュージック的な観点や洋楽至上主義的な観点からではなく、今の日本人、今の東京の音楽として創作されている。

懐古趣味や耽美的な面を感じる一方、音楽に対する自由な発想が唯一無二の世界観を生んでいる。現在まで6枚のアルバムをリリースしている。。- Amazon

▼ Lamp
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■ Music Video「さち子」




■ Music Video「シンフォニー」




*これらの動画で使用されている音源は、動画をYoutubeにアップロードした Polystar が自ら制作したものであり、個人が収入(広告収入を含む)を得ずに運営するサイトへの貼り付けが許諾された音源です。


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名古屋音楽堂本舗の店主香山蔵之介による音楽講評です。
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